カテゴリー「司法3(自衛官の人権)」の12件の記事

2010年8月 8日 (日)

女性自衛官・人権裁判、防衛省に控訴断念と自衛隊改善を求める

 防衛省は、この期に及んでも反省していません。職場における犯罪行為は許さないという、こんなあまりにも基本的な問題で、なぜ逃げの対応を取るのでしょう。

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2010年8月7日(土)「しんぶん赤旗」

元女性自衛官の人権裁判勝訴
防衛省に控訴断念求める

 北海道の自衛隊基地内で女性自衛官(当時20歳)が上司から性的暴力を受けた事件で、国に損害賠償を命じる判決を札幌地裁で勝ち取った原告の元女性自衛官が6日、防衛省に控訴断念と「女性自衛官を人間として認め、私と同じつらく、苦しい目にあわなくてすむよう改善してほしい」と要請しました。

 要請は「女性自衛官の人権裁判を支援する会」がよびかけ、日本共産党の紙智子参院議員、福島瑞穂社民党参院議員が同席、中江公人防衛事務次官が応対しました。

 原告は「3年3カ月は長く、つらかった。(自衛隊は)裁判でちゃんと答弁もせずに、誠意を感じられず、残念な思いをした」「上司に退職強要され、裁判を起こすしかなかった」とこみ上げる怒りをこらえきれず泣いて訴えました。

 裁判中からも現職自衛官から同じような苦しみを打ち明けられたことをあげ、「私もこれ以上、裁判で苦しみたくない、自衛隊は判決を受け止め、自衛隊で働く人たちのためにも改善してほしい」と力を込めました。

 中江次官は「判決を重く受け止め、検討していきたい」とのべるものの、謝罪の言葉はありませんでした。

 同次官が今後の対応としてセクシュアルハラスメント防止教育にふれた際、原告は「事件後、セクハラ防止講座に私は加害者と同席させられた。あまりに社会常識とかけ離れている」と訴えました。

 紙議員は「判決は、退職を強要した自衛隊への審判でもある。きちっと受け止めて改善することが重要であり、控訴を断念すべきだ」と強調しました。

2010年8月 5日 (木)

陸上自衛隊、訓練死、事件の真相・自衛隊の責任を求めて提訴

 自衛隊は、なぜ被害者第一の立場に立てないのでしょうか。それが、被害あった場合の鉄則のはずです。自衛隊であれ、企業であれ、何であれ、その無責任を見過ごしたくありません。

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2010年8月4日(水)「しんぶん赤旗」

“訓練死 陸自に責任”
札幌地裁 両親、究明求め提訴

 2006年に札幌市の陸上自衛隊真駒内駐屯地での訓練中に島袋英吉さん(当時20歳)が死亡した問題をめぐって3日、両親が国を相手取り真相究明と自衛隊の責任、4600万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁におこしました。

 訴状によると、島袋さんは同年11月21日、同駐屯地西体育館において素手で敵を殺傷することを目的とした総合格闘技「徒手格闘」の訓練を3等陸曹の指導のもと、陸士長と行った際、島袋さんが首投げによって背中から落下し、後頭部を強打。翌日、急性硬膜下血腫で死亡しました。

 この日、投げ技から倒して胴を突く訓練を繰り返し、7回目で島袋さんは投げ返され、疲労と倒れた衝撃によって苦痛の表情を浮かべたにもかかわらず、訓練を続行、8回目で後頭部を強打しました。島袋さんの胴着は、襟元から胴のあたりまで血で染まっていたといいます。

 家族が疑念を抱いているのは死因です。あばら骨が3本折れていたほか、歯が折れ、顔が腫れ上がっていたそうです。

 提訴後の記者会見で佐藤博文弁護士は、島袋さんの損傷の状態から、「強力な外力が加えられており、いじめやしごきの可能性もある」と指摘。「訓練のあり方に根本的に問題がある。隊員の安全確保と二度と同じ問題を起こさせないことが家族の願いです」と代弁しました。

 家族は涙ながらに会見に応じ、父親の勉さん(50)は、「3年間、家族は暗い闇を歩いてきたような心境です。ただ、真実を知りたい。英吉の命の証しを残すために」と強調しました。

解説
隠蔽体質 今こそ正せ

 自衛官の死亡事件の多くは遺族が納得できないまま「事故」として処理されています。しかも外部から遮断された「実力組織」という条件を利用した事実の隠蔽(いんぺい)が常とう手段となっています。

 自衛官の命を奪った徒手格闘訓練事故は「投げ技」などで、強力な敵を素手で制圧することを目的にしたものです。被害者の隊員は、徒手格闘の基本的な訓練もうけずに、危険な技をかけられたのです。

 自衛隊は、部隊の調査報告書で指導教官の技量不十分、死亡した隊員のれん度未習熟段階での訓練の実施、疲労度など体調把握不十分なままの訓練の継続をあげています。しかし、肝心な経過と原因にはまったく口を閉ざしたままです。

 自衛隊にとって訓練の実態を隠す背景があります。陸自第11師団が作成した報告書「徒手格闘訓練に対する師団の取り組み」のなかで、こう記されています。

 「不審船事案、9・11同時多発テロ、イラクへの派遣などを契機とした近接戦闘能力向上の必要性増大を受け、部隊における格闘訓練は活発化(した)」

 真駒内の部隊は自衛隊初のイラク派兵部隊です。事件の真相解明、自衛隊の安全配慮義務違反の責任は厳しく問われなければなりません。(山本眞直)

2010年8月3日(火)「しんぶん赤旗」

「息子は自衛隊に殺された」
徒手格闘訓練 真実を知りたい
隠蔽に怒りと疑問 きょう遺族が提訴

 息子は自衛隊に殺された、いったい何があったんだ―。陸上自衛隊真駒内駐屯地(札幌市)で、徒手格闘訓練中に20歳の隊員が死亡した事件の真相と自衛隊の責任を求めて3日、隊員の父親らが国家賠償訴訟を札幌地方裁判所に起こします。1日たりとも消えない遺族の悲しみと怒りは―。(山本眞直)

陸自真駒内駐屯地

 2006年11月21日午後2時すぎ。島袋英吉さん=当時(20)=が徒手格闘訓練中にけがをした、との連絡が沖縄県の父親、島袋勉さんの携帯電話に入りました。

 勉さんは同日夜、那覇空港から千歳行きの飛行機に飛び乗りました。英吉さんと双子の弟で、千葉県の陸上自衛隊松戸駐屯地に勤務する恵祐さんも北海道に飛びました。

 英吉さんは翌22日午後2時すぎに死亡しました。徒手格闘訓練中に相手に投げられ、板張りの床に後頭部を強打したことによる急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血などによる死亡とされました。

突然の死に

 息子の突然の死に、勉さんは沸きあがる怒りと疑問を抑えることができませんでした。「英吉は小さなときから運動音痴だったので、音楽が好きだった。だから戦闘部隊ではない輸送隊を選択した。メールでいつも様子を知らせてきたが、徒手訓練のことなどは一言もなかった」と悔しさをにじませます。

 勉さんと恵祐さんは自衛隊側に「なぜ畳ではなく床でやったのか、教官は何をしていたのか、安全管理はどうしていたのか」など疑問をぶつけました。警務隊や部隊関係者は多くを語らず、口から出るのは「わかりました」の言葉だけでした。

 勉さんは、以前から息子のメールに「いじめ」を受けていることを感じさせるものがあっただけに、訓練事故死に強い不信の念を持ちました。

本当の軍隊

 勉さんは言います。

 「北海道を離れるまで、ホテルや行く先々には上官が遺族を監視するようにつききりでした。真駒内の自衛隊は全国の部隊に先駆けてイラクに海外派兵の第1陣として送り出された精鋭部隊で、その部隊内の不祥事を徹底的に隠蔽(いんぺい)しようとする対応に、ここは本当の軍隊なんだと実感しました」

 自衛隊の対応は不自然さが目立ちました。

 「事故については口をつぐみながら、遺族へのご機嫌とりと問題を大きくさせない"配慮"が見えみえだった」と勉さん。その最たるものが死亡から2年たった08年春に陸上自衛隊幕僚監部から届いた、福田康夫首相名による「桜を見る会」招待状。受付番号は「1」でした。

 弟の恵祐さんは、兄の葬儀で、自らの葬送ラッパで兄を送り、自衛隊を退職しました。

 恵祐さんは言います。

 「兄は事故死ではない、殺されたも同然です。裁判で真相を明らかにしたい」

2010年8月 2日 (月)

女性自衛官が勝訴(札幌地裁・橋詰均裁判長)

 何とも嬉しい判決です。

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2010年7月30日(金)「しんぶん赤旗」

女性元自衛官が勝訴
札幌地裁 基地内の性的暴力・退職強要を認定

 北海道の自衛隊基地内で女性自衛官(当時20歳)が性的暴力を受けた事件で、札幌地裁(橋詰均裁判長)は29日、国に損害賠償を命じる判決を出しました。原告弁護団は「国が否認していた性暴力の事実を認め、自衛隊の事後の対応の法的責任を認めた画期的な判断」とのコメントを出しました。

 原告は、夜勤中の男性自衛官から基地内の一室で性的暴力を受け、その後、職場監督者が適切な対応を怠った上に退職を強要したと、国に慰謝料の支払いを求めて提訴。裁判所は原告の主張を全面的に認め、580万円の損害賠償を命じました。

 国側は、「合意のうえでの行為」と事実を否定しましたが、裁判所は暴行の事実を認めるとともに、その後、部隊の監督者が、婦人科を受診することを困難にし、加害者の男性自衛官をその後も基地内にとどまらせ、原告に退職強要した事実などを国の違法行為と認定しました。

 判決の朗読を終えた橋詰裁判長が閉廷を宣言すると、傍聴席からいっせいに拍手が起き、原告席に座っていた原告女性は涙を流しながら、深々と頭を下げました。

 判決後、原告の女性は、「全国で助けを求めている自衛官がたくさんいることは事実です。私を支えてくれた人たちに最上級の感謝を伝えたいと思います」とのコメントを出しました。

「勝ったよ」父にメール

 「私の訴えを裁判所が認めてくれた。言ってきたことが間違いではなかったとわかり、感動しました」―。

 判決で流した涙の理由を記者団から間われた原告女性は、かみしめるように答えました。記者団とのやりとりで終始、原告女性は硬い表情を見せ、3年3カ月という長く苦しい裁判闘争を物語っていました。

 「何度も体調が悪くなり、地獄でした」。不眠や食欲低下、頭痛に悩まされる毎日。自衛隊は、提訴した翌日に女性を使用されていない物置に配置転換し、その後も訓練からの除外や聞こえよがしに非難するなど、数々の嫌がらせをおこないました。

 原告女性は、「生きていくための仕事だったし、私はやめる理由はないと思った」と述べ、自衛官として現役を続けながら裁判をたたかった理由を語りました。2年の任期が切れた昨年、自衛隊は理由を明らかにしないで再任を拒否。退職に追い込まれました。このときが一番つらかったといいます。

 判決の後、父親に「勝ったよ」とメールすると、「『うれしすぎて気絶しそうだ』と返事がありました」と顔をほごろばせた原告女性は、「国は判決の意味を理解してほしい。これ以上裁判をしたくない。控訴してほしくないと強く思います」と強調。

 原告女性の勇気ある行動に励まされ、同様の被害にあっている全国の女性自衛官から相談が殺到しています。「特殊な訓練を受けていても自衛官も同じ人間。市民として人権が保障される組織になってほしい。もうこれ以上、同じ思いをする人は必要ありません」

解説
人権侵害 隊内まん延

 判決は、「裁判は暗闇の中の一条の光だった」という原告の性の尊厳、人権の回復を求めた訴えに、応えたものです。

 2007年5月8日の提訴から3年余、この間の原告のたたかいは壮絶なものでした。自衛隊は上司による性暴力の被害者である原告の保護・援助を怠ったばかりか、逆に退職を強要しました。判決は、性暴力と退職の強要を国家賠償法違反の行為と断罪しました。

 自衛隊でまん延するいじめ、暴力、セクシユアルハラスメントなどの人権侵害、多発する自殺は、その多くが原因や真相が究明されないまま内部処理というかたちで隠ぺいされてきました。

 こうした事件の背景として共通して指摘されるのが、自衛隊の変容です。

 自衛隊は「国際貢献」が本来任務となり、米軍と連携した「海外任務」が地球規模で拡大し、日常化しています。

 それにあわせるように隊内で声高に叫ばれているのが「精強な自衛隊」「所命必遂」といった精神論。そのもとでまかり通っているのが、現場の実情を無視した上意下達、上司や隊員による私的制裁(リンチ)、性的無軌道の黙認です。自衛隊の警察組織である警務隊による人権侵害の強引な捜査も広がっています。

 自衛隊には今回の判決を重く受げ止め、人権侵害事件の一つひとつについて原因究明と責任の明確化、再発防止のための対策の確立が求められています。(山本眞直)

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2008年1月26日 (土)

女性自衛官人権訴訟、加害隊員の懲戒処分につき内部調査、検察審査会にも申し立て

 昨年12月27日に札幌地方検察庁はこの加害隊員を不起訴処分としました(12月30日の記事参照)。

 これに対して、今月23日に検察審査会に起訴を申し立て、25日には防衛省に、加害隊員と上司の厳正な処分、自衛隊でのセクハラ被害の実態調査や再発防止策の確実な実行を申し入れたそうです。

 防衛省も、不十分ながら一定の対応に乗り出さざるを得なくなったようです。

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 これを伝えるしんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

2008年1月26日(土)「しんぶん赤旗」

自衛隊セクハラ
懲戒検討で内部調査
防衛省回答 原告ら厳正処分要求

 二〇〇六年九月におきた女性自衛官に対する上司による暴行、強制わいせつとその後の退職強要事件で国を相手に損害賠償訴訟を起こしている現職自衛官の原告代理人と支援者らは二十五日、防衛省にたいし、加害隊員と上司の厳正な処分、自衛隊でのセクハラ被害の実態調査や再発防止策の確実な実行を申し入れました。

 申し入れたのは原告代理人代表の佐藤博文弁護士と女性自衛官の人権裁判を支援する会の関係者ら十三人。日本共産党の紙智子参院議員が同席しました。

 応対した同省人事教育局の森佳美服務管理官らは加害隊員の懲戒処分について自衛隊内部での調査に着手し、各部隊にセクハラ相談員を男女複数配置していること、セクハラ被害調査のアンケートを実施し結果を本年度中に公表すると回答しました。

 しかし原告代理人や支援者らが強く求めている事件のあった基地司令が面会をなぜ拒否するのかについては理由を明らかにしませんでした。

 要請後、参院議員会館で開いた院内集会で佐藤弁護士らは、昨年末に札幌地検が示した加害隊員への不起訴処分に対し、二十三日に検察審査会に起訴を求めて申し立てたことを報告。加害者の厳正な処分と実効性のある再発防止を実施させるためにも、訴訟とともに国会での追及、世論を広げる取り組みの重要性を強調しました。

2007年12月30日 (日)

女性自衛官事件訴訟、加害者が不起訴処分に

 少し遅れましたが、この27日、札幌地方検察庁はこの事件の加害者を不起訴処分としました。

 この事件に関しては、自衛隊は当初から組織的に犯罪を隠蔽しようとして悪辣な行為を繰り返しており、地検の不起訴処分はこの隠蔽行為に追随・加担するものです。自衛隊が組織的に行った隠蔽行為が功を奏したということでしょう。

 AMLのメーリングリストに情報が流され(ここ)、「転送歓迎」とあるので、以下に投稿の内容(新聞記事、弁護団声明、「支援する会」声明)を引用しておきます。「支援する会」のブログにも情報があります(ここ)。

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2007年6月16日 (土)

女性自衛官人権訴訟、家族が「嫌がらせ間題調査を」と防衛省に要請

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2007年6月16日(土)「しんぶん赤旗」

嫌がらせ間題調査を
女性自衛官家族 防衛省に要請

 北海道の航空自衛隊基地での暴行・強制わいせつとその後の上司による退職強要で、国を相手に損害賠償訴訟を起こした被害者の女性自衛官(21)の家族と代理人、支援者らが15日、東京都市ヶ谷の防衛省に対し提訴への報復的措置ともとれる数かずの嫌がらせ問題の実態調査、関係者の処分と再発防止などでの緊急申し入れを行いました。

 申し入れ内容は、①提訴(5月8日)直後から、普段は物置としている部屋に勤務変更を命じ(未実施)②事件発生の1週間前の昨年9月2日に起きた加害者の勤務室における夜勤中の飲酒問題で、原告にかかわる一部だけを問題にした事情聴取が行われている③任意の調査にもかかわらず、取り調べや供述拒否の告知もせず、時には勤務時間外に行われている―など。

 航空幕僚監部に申し入れ書を提出した原告の父親(48)は、「(基地で)どういうことがあったかきちんと確かめてほしい」などと訴えました。

 代理人の佐藤博文弁護士は「これまで面談を求めてきたが、当該基地は『上の方(市ケ谷)と協議して』といい、防衛省は『基地が対応すること』と無責任な対応で、ことの重大性を認識していない」と防衛省の姿勢を批判しました。

 申し入れには日本共産党の紙智子参院議員と、社民党の福島みずほ、民主党の岡崎トミ子両参院議員の秘書が同行しました。

「支援する会」が署名活動開始へ

 「女性自衛官の人権裁判を支援する会」は同夜、渋谷区内で東京報告集会を開きました。自衛隊内でのセクシュアルハラスメントの実態、原告の人権回復に向けた支援について討論。公正・迅速な裁判を求める署名、原告への不利益な処遇の是正を求める防衛省への署名にとりくむことなどを申し合わせました。

2007年6月15日 (金)

女性自衛官人権訴訟、佐藤博文弁護士からの代理人就任のお願いと報告

 『非戦つうしん号外14』からの転載です。

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毛利正道   mouri-m at joy.ocn.ne.jp 
                 http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/
〒394-0028岡谷市本町2-6-47 信州しらかば法律事務所
tel0266-23-2270 fax0266-23-6642 携帯090-4096-7065
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全国の弁護士の皆様

 この件については、毎号の非戦つうしんニュースでお知らせしているとおりです。

 代理人の佐藤博文弁護士から、ぜひ全国の多くの弁護士から代理人に就任していただきたいとのお願いが発せられています。私も代理人になりました。

 御就任いただける方は、以下を、
 佐藤博文 [hirohumi at hg-law.jp]
 に、お送り下さい。よろしく。

00000000000000000000000000000000000000000000
女性自衛官人権訴訟の原告訴訟代理人に就任します
住所 〒
事務所名
電話・FAX
氏名
000000000000000000000000000000000000000000000

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 たくさんの人の支援と激励を受けて、原告は、元気にやっています。今週の週刊ポストの記事は、内容的にはちょっと問題ありですが、「目鼻だちがはっきりとした、田中麗奈を思わせる美人」と書かれたことに、本人は喜んでいました。(記者は、本人に会っていないのに!)

 全国の支援の力が、少しずつ状況を変えてきています。11日(月)に第1回弁論「原告の涙の意見陳述」のあった、その翌日12日付で、加害者が北海道の突端の基地に配転になり、いなくなりました。今日、本人が上司から報告を受けて分りました。大きな前進です。

 しかし、直接の加害者がいなくなっても、庇っていた上司や退職強要した上司がまだ皆いるわけで、彼女に対する嫌がらせがなくなったわけではありません。彼女を懲戒処分にしようとする攻撃、彼女の彼氏に対する攻撃もあります。彼女は日々、彼らと対峙し闘うことが、自らの人間性、性的尊厳をまもることですから、スキを見せない、すぐに反撃する、といった臨戦体制=緊張状態で日々の生活を送っています。

 とはいえ、原告は、これで安心して基地内を自由に行動出来ることになったわけで、「とてもすがすがしい気分です」と言っていました。

 明日は、市ヶ谷の航空幕僚監部に、弁護士2人、原告の父、支援の会、で面談要請に行きます。最初は、面談に応ぜず、正門から入れないという対応でしたが、国会議員の同行(女性議員連盟で動くことを期待したのですが、それは実現しませんでした)が実現したところ、面談に応じるということになりました。議員は、いまのところ紙智子(参・共産・本人と秘書)、福島瑞穂(参・社民党・秘書)、岡崎トミ子(民主・秘書)の各議員となっています。

 今後ともご支援よろしくお願いします。
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    弁護士 佐 藤 博 文

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女性自衛官人権訴訟、第1回口頭弁論での原告側代理人・佐藤博文の意見陳述

 『非戦つうしん号外14』からの転載です。

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平成19年(ワ)第1205号 損害賠償請求事件
原告  
被告  国

意見陳述

2007年6月11日
札幌地方裁判所 民事第3部2係 御中
原告訴訟代理人
弁護士 佐藤博文

 第1回弁論にあたり、弁護団として、本件事案の特徴並びに今後の審理への要望について述べます。

1.本件における強姦未遂、嫌がらせ、退職強要などの不法行為は、民間企業や一般の公務員職場でのセクハラ・パワハラ行為と本質的な違いがあります。裁判官には、まずこの点をよく理解していただきたい。

  第1に、自衛隊は、わが国で最も徹底した上命下服の組織であり、21歳の原告は、階級的には一番下に属することです。誰からのどんなものであれ、それが命令や指示とされている限り、無条件に応えなければなりません。異議を唱えることは、それ自体が命令違反、重大な規律違反とされるのです。訴状および後述のとおり、原告がまがりなりに被害者として扱われたのは事件後僅かであって、部隊が加害者側を擁護し、原告の訴えを封ずる方針を決めたときから、彼女は部隊そのもの、特に上司たちと対峙し、たたかわざるをえませんでした。それがいかに困難で壮絶なものであったか、そこを理解していただきたい。

  第2に、上命下服には公私の区別もないということです。自衛隊の「服務指導書」によれば、服務指導の対象と範囲について、勤務に関する事項のほか、私生活に関する事項を含め、組織に影響するものはすべてを対象とする旨規定されています。公と私の峻別は近代市民社会自明の原理ですが、自衛隊には通用していないのです。

  これを助長しているのが、原告の職場環境、住居環境の異常さ、劣悪さです。自衛隊は、近時、女性を大量に採用していますが、施設が追いついていません。本件でも、原告は、庁舎の3階が宿舎とされ女性5人が相部屋生活をしています。2階が仕事場、1階が食堂です。階段1つで全部繋がっています。庁舎は大きくないので、入ればすぐに全体が見渡せるほどです。

  この1階と地階で仕事をしていたのが加害者であり、部隊はこの加害者を事件後9カ月にわたって移動させることなく、原告が毎日顔を合せざるをえない状態を放置し続けました。部隊が原告を庇うことが明確になってからは、原告に示威するがごとく歩いていることもありました。この非常識、この異常さ、それによる原告の苦痛を、よく理解していただきたい。

  このリアリティは、原告の主張及び証拠を理解するうえで決定的に重要なので、原告・弁護団としては、早い段階で現地・現場の検証をしていただくことを考えております。

  第3に、自衛隊は、完全なる男性社会だということです。彼女の所属基地は約180名中、女子は5名のみで、皆独身、21歳の原告が最年長です。家族や生まれ育った地域から遠く離れ、人里離れた山中で「密室」生活を送っています。近時自衛隊もカウンセラ-を置くようにしたとはいえ、その実態は原告が述べたように、特に若い女性たちにとっては何の役にも立たないものです。

2.次に述べたいことは、先ほど原告が意見陳述したとおり、本件提訴をしたその瞬間から、訴状で述べた事実をはるかに超える、凄まじい嫌がらせが行なわれていることです。弁護団は、これらについて追加主張する予定であり、請求の趣旨の拡張も検討しています。

(1) 有給休暇を取って提訴をしたその翌日、5月9日午前8時、原告がいつものとおり本部庶務の執務室で勤務を開始しようとしたら、上司から「今日から奥の部屋に行け」と言われました。「奥の部屋」とは、部屋に照明もついていない、普段は訓練の道具などを置いている、机も椅子もない部屋のことです。

    原告は、直ちに抗議しました。泣きながら弁護団にこの仕打ちを伝えてきました。部隊は、おそらく何の準備もなく命令を発したらしく、直ちに実行に移すことができず、棚上げ状態となりました。原告と弁護団、支援する会などの抗議の結果、5月23日の電話やりとりにより事実上撤回されたことを確認しましたが、解決までに2週間かかりました。

(2) 最近の問題は、原告に対する懲戒処分の脅しです。本訴訟を提起した原告に対し、加害者に対する処分と「差し違えてやる」と言わんばかりに、常軌を逸した取り調べが行なわれています。

    これには少し説明が必要です。

    訴状記載の昨年9月9日の強姦未遂事件は、加害者が夜勤の時に、男性隊員何人かで宴会をし、その結果加害者が泥酔した後に起きたものです。ところが、加害者はもとより、その引き金となった深夜の宴会に参加した隊員、そしてこれらの上司の責任が、9か月経った今日に至るまで、何一つ問われていません。正確には、事件直後に取り調べがいったんは始められたのですが、すぐ曖昧にされ放置されたのです。

    ところが、原告が本訴訟を提起してから、にわかに取り調べを再開し、上司が作成した調書への署名押印を強要してきました。しかし、その内容は、加害者の行為を対象にするだけで、その引き金となった深夜の宴会の経緯や実態、参加者などに触れず、結果的にはこれらを不問にする意図が明らかなものでした。

    さらに、それに止まらず、部隊は、本件事件発生の1週間前の9月2日、本件の加害者が夜勤のときに、ボイラー室で宴会があり、そこに原告が参加して飲酒していたとして、懲戒処分のための供述調書の作成を強要してきています。しかし、この取り調べは、加害者が原告の同意があったという「弁解」をし、その「証拠」として1週間前の夜勤のときも原告と一緒に飲んでいたと言ったことに始まるものでした。すなわち、加害者の弁解を裏付け、原告の「落ち度」を作出するものでした。しかも、原告は、このとき酒を飲んでいないのに飲んでいたとされ、後輩の女性隊員が加害者からの連絡で行ったのに原告が呼び出したとする内容の供述調書にされていました。かかる取り調べを、深夜1時頃に呼び出して行なうこともあった(昨年10月)という異常さでした。

    実は、夜勤中に飲酒・宴会し、女性隊員を呼び出して参加させることは、部署やメンバ-を問わず日常的に行われていました。本件事件を機に、かような実態こそ明らかにし、関係者及び責任者の厳格な処分と防止対策こそ行なうべきなのですが、部隊はかような事実を隠蔽しようとしたのです。

(3) 部隊は、提訴後、原告の取り調べを再開しました。弁護団は5月24日付要請書で「訴訟以外の行政処分等に関わる問題についても代理するので、今後、原告への聴取等の必要があれば当職らに連絡されたい」と通知し、6月5日付申入書では、この問題で群司令との面談を求めました。しかるに、部隊は、

    ① この間原告に行なった取調べについて原告代理人に一切連絡せず、
    ② 9月2日の件は、原告に懲戒という不利益処分を課すものなのに、取り調べが任意であることを告げず、業務命令として従わざるをえないように言って行い、
    ③ 9月9日の件の供述調書(こちらは原告が被害者)と同時並行=抱き合わせで行い、
    ④ 勤務時間外に呼び出して行い( 前述したとおり昨年10月には深夜1時頃からの取調べすらあった)、
    ⑤ しかも、取り調べを担当したのは、提訴後2チャンネル記事を原告や隊員の目に触れるように置いておいた上司(3尉)、昨年10月に深夜の取調べを行なった上司(1尉)らであり、公正かつ適正な取り調べができる者ではなく、
    ⑥ 6月6日の取り調べは、上司から渡された「答申書」(作成者は原告とされる)を原告に示し、内容が事実に反すると異議を述べているにもかかわらず、原告の署名押印を執拗に求める、
というものでした。

    弁護団は、6月7日、部隊に対して、適正手続に反する違法・不当な取り調べを直ちに中止するよう求めると同時に、もし原告の取り調べが必要ならば、代理人にその旨事前に連絡し、調整するよう通告しました。しかし、それでも部隊は、代理人の要請には応じない、代理人との面談にも一切応じない、という頑な態度であり、7日も翌8日も原告に対する取り調べ(彼らが作成した調書への署名押印の強要)を続けています。

3.このように、この間の部隊の対応は、一般社会の市民常識からすると、まるで鋼鉄の壁を相手にしている錯覚に陥ります。このような表現は、もしかすると褒め言葉になるのかもしれません。

  なお、この間国会でも、5月14日、24日、28日と、衆参の国会議員2名が3回にわたり、本件問題を取り上げましたが、それでも防衛省・自衛隊の対応に変化の兆しは見られません。

  弁護団は、被告代理人に対して、かような部隊の実態をよく把握し(基地の現場は、法務官や指定代理人に真実を話していない可能性があります)、原告に対してこれ以上違法な行為を重ねないよう、法治主義に基づく適切な指導をしていただきたいと考えます。

以上

2007年6月14日 (木)

女性自衛官人権訴訟、第1回口頭弁論での原告側代理人・秀嶋ゆかりの意見陳述

 『非戦つうしん号外12』からの転載です。

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平成19年(ワ)第1205号 損害賠償請求事件
原告  
被告  国

意見陳述

2007年6月11日
札幌地方裁判所
民事第3部2係 御中
原告訴訟代理人
弁護士  秀嶋ゆかり

 第1回弁論にあたり、弁護団として、今後の審理への要望について、重ねて一言申し述べます。

1. 原告は、現在勤務を続けながら訴訟を遂行しているが、そのこと自体原告にとって大変な負担となっている。原告並びに佐藤代理人が述べたような嫌がらせやいじめというべき対応が日常的に、公私にわたって継続することを、想像していただきたい。

 セクシュアル・ハラスメントもパワー・ハラスメントも「密室」の中で起こることが特徴であるが、本件の場合、その密室性が顕著である点に大きな特徴がある。その密室性は、場所的・物理的な面とともに、自衛隊という組織の特性による。「軍事組織におけるセクハラとは、男性が女性を「性的対象物」とする加害行為であるだけでなく、被害にあった女性がそれを訴えた場合には、彼女が軍事組織に存在し続ける正当性をも剥奪することのできる加害行為なの」だ(佐藤文香「軍事組織とジェンダー」慶応義塾大学出版会266頁)と言われる所以である。

2. 防衛省の「セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する訓令」第3条は、人事院規則と同様に、「官房長等は、職員がその能率を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に関し、必要な措置を講ずるとともに、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。この場合において、セクシュアル・ハラスメントに対する苦情の申し出・・・その他セクシュアル・ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない」(改正後)と定めている。

 しかし、現在原告が受けている様々な被害は、「職員がその能率を十分に発揮できるような勤務環境を確保する」ものでないばかりでなく、セクシュアル・ハラスメントを訴え出た結果、退職強要に始まる著しい日常の不利益を受け続けており、被告側の原告への対応が、この規定に抵触していることは明白である。

3. 被告は、事実確認のため8月まで期日を延ばすよう求めているが、本件の審理は、原告の上記立場に照らし、できるだけ迅速かつ集中して行われる必要がある。事件が昨年9月に発生してから約9か月が経過している。原告は、当初職場内での対応を求めていたが、職場内で解決がはかられないばかりでなく、原告自身が職場から排除されるような様々な二次、三次被害が繰り返されたため、最終的に訴訟に踏み切らざるを得なかったのである。原告が最後の手段として訴訟にまで踏み切らざるを得なかった状況に十分配慮した、迅速かつ適正な訴訟審理が行われるよう強く要望する。

 とりわけ、原告への加害行為が今なお現在進行形で行われている事実に鑑みれば、本件の審理については、格段の配慮が求められる。この点への配慮を、貴裁判所のみならず、被告訴訟代理人に対し、特に強く求める次第である。

以上

2007年6月12日 (火)

女性自衛官人権訴訟、第1回口頭弁論で原告・女性自衛官本人が意見陳述(意見陳述全文追加)

 原告ご本人が法廷で気迫の訴えをし、傍聴席からはすすり泣きも聞こえ、最後には拍手がわき起こったそうです。

 これに対して、国側は請求棄却を求めたものの、その根拠を何ら示しませんでした。不真面目・不誠実な態度と言うべきです。

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 しんぶん赤旗と北海道新聞の記事を引用しておきます。

 訴状等へのリンクは以下の記事を参照

5月29日「セクハラ天国の自衛隊―女性自衛官の7.4%が強姦・強姦未遂、18.7%が性的関係強要の被害」

5月30日「女性自衛官人権訴訟、引き続き抗議と原告への激励を(弁護士・佐藤博文)」

 また、意見陳述の全文はAMLメーリングリストの以下の箇所で読めます。また、改行等を整理してここにも引用しておきます。

http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-June/013899.html

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