アメリカにとっての中国、日本、ヨーロッパ-外交問題評議会会員への世論調査
少し古くなりましたが、興味深いデータです。各紙の記事をクリップしておきます。
2009年12月7日(月)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=小林俊哉】米国の外交専門家の間で、この10年間で米国の指導力が低下したとみる一方、中国を「脅威」ではなく「協力相手」とみる傾向が強まっていることが、このほど発表された調査で明らかになりました。
同調査は、米有力シンクタンク・外交問題評議会(CFR)の会員約600人を対象に、同会と世論調査機関ピュー・リサーチセンターが共同で10~11月に実施したものです。
10年前と比較して「世界のリーダーとしての米国の役割」が低下したと回答したのは44%で過去最高。「唯一の軍事超大国の地位を維持すべきか」との問いに、「同盟国との関係を損なってでも維持すべきだ」と答えたのは26%、「同盟国との関係を損なわない限り、維持すべきだ」が21%、維持できなくても構わないとの回答が43%でした。
一方で、中国を「大きな脅威」とみる専門家は21%で、4年前と比べておよそ半減。逆に「将来、さらに重要になる同盟国あるいはパートナー」(複数回答)のトップに挙がったのは中国で58%、4年前の31%から跳ね上がりました。第2位はインドで55%、3位はブラジルで37%でした。
逆に、「将来重要性が落ちる同盟国、パートナー」として挙がった上位3カ国は、フランス18%、英国17%、日本16%でした。
CFRは、1921年に設立されたニューヨークに本部を置く超党派の外交シンクタンク。米政府の政策決定に影響力を持つと言われます。
将来重要な国、中国トップ=日本は6位に転落-米調査
(時事通信 2009/12/04-17:24)【ワシントン時事】米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが外交専門家を対象に行った調査によると、米国にとって将来より重要になる同盟国・友好国に中国を挙げる回答が4年前の調査の3位からトップに躍り出た。対照的に日本は2位から6位に転落した。同センターが3日、調査結果を公表した。
それによると、「より重要になる国」は、中国(58%)に続き、インド(55%)、ブラジル(37%)、欧州連合(EU=19%)、ロシア(17%)、日本(16%)の順。2005年の調査では、インド(43%)、日本(32%)、中国(31%)、英国(27%)だった。
一方、「重要性が低下する同盟国・友好国」のトップはフランス(18%)で、英国(17%)、日本(16%)が続く。ただ、一般の米国民の間で日英両国に対する好感度は高く、今回の調査でも、カナダの84%に次ぎ、英国77%、日本67%となった。
さらに、一般国民が考える「世界最大の経済大国」は、中国が44%で米国の27%を引き離して1位となった。日本は13%で3位だった。
調査は10月から11月にかけ、シンクタンク「外交評議会」のメンバーと一般国民を対象にそれぞれ行われた。
米の重要な同盟国 「日本」半減、16%に 外交専門家調査
(日経 2009年12月06日 22:46)【ワシントン支局】米民間調査団体ピュー・リサーチ・センターが有力シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」の会員を対象に実施した世論調査で、日本が米国にとってより重要な同盟国になると考えている人は16%にとどまり、2005年の調査時に比べ半減したことが分かった。逆に重要性が低下すると予測した人は7%から16%と倍増している。
調査は10月2日から11月16日にかけて会員642人を対象に電話とインターネットで実施した。中国が将来的により重要な同盟国になると答えた人が05年より27ポイント増えて58%と最も多く、インドの55%、ブラジルの37%と続いた。
また一般の国民を対象に実施した世論調査では、中国を世界第一の経済大国とみる人が44%に上り、米国の27%を上回った。世界のリーダーとしての米国の役割が「低下している」と考える人は41%と過去最高を記録。「米国は他国に構わず自国のことだけを考えるべきだ」との意見を持つ人も49%で最高となり、米国民に「孤立主義」の傾向が強まっていることが浮き彫りになった。
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