●リニア口実の巨大開発で、住民のコミュニティーや歴史ある町並み、都営住宅を壊すな (しんぶん赤旗・首都圏版 2014年9月3日付掲載)
リニア新幹線の始発駅とされる品川駅は港区ですが、隣接する品川区でも、リニアを口実した大型開発が狙われています。それが品川区が6月に発表した「品川駅南地区まちづくりビジョン」です。
対象地域となる北品川の共産党支部・後援会は、まだこれが民間レベルの「構想」の段階から、地域のニュースで連続追求し世論を作り、街壊しの暴走に一定の歯止めをかけてきました。
当初の「構想」では、「リニア新幹線品川駅の『南口』を誘致」し、「品川駅の南の玄関口にふさわしいまちづくり」をと述べ、国際オフィスビル、レストラン、映画館、ショッピングモール、ホテル建設を想定。さらに「東京都用地の再編・活用」と明記し、北品川の都営住宅が開発種地として狙われる危険な状況がありました。
党は、守る会などとも協力し、「大型開発から都営住宅を守れ」住民集会を開催。足の悪い高齢者が多い中、会場のシルバーセンターに29人が参加しました。それを力に、13年5月には「北品川・東品川の都営住宅の耐震化を。再開発から守り存続を。区内の都営住宅の増設を」と、署名1173名分を都議会に陳情しました。陳情は共産党以外の反対で不採択になったものの、耐震改修後、引き続き都営住宅を使用するとの都の考えが示されました。「構想」は区長に提出され、区の「まちづくりビジョン」となりましたが、露骨に都営住宅を開発種地に、という記述はさすがに見当たらなくなったのは、世論と運動が押している一つのあらわれではないかと思います。
もう一つの問題点は、リニア事業そのものが地域に与える影響です。地下トンネルの東京部分は品川区内の立坑から掘り始めるとされ、そこは区立小中一貫校の品川学園のグラウンドから線路を挟んですぐ隣にあたります。工事中の膨大なダンプ車両走行による排ガスや安全性の問題、供用後は非常口・換気口、変電施設になりますので、微気圧波などの周辺地域への影響も未知数です。具体的な影響を調査した上で、関係者との懇談・連携がこれからの課題になっています。
北品川は、旧東海道・品川宿があり、お祭りも盛ん。東海道は当時の道幅がそのまま残り、商店街を形成。迷路のような路地には、井戸もたくさん残っています。「味噌汁が冷めない距離」で、住民同士のコミュニティーが息づく、人情味あふれるまちです。ところが、このところ商店街を歩く人通りは閑散とし、廃業・閉店が相次いでいます。中高層のマンション建設も進み、町並みが壊されつつあります。今回のリニアを口実とした巨大開発のようなやり方は、まちの魅力をそこない、住民コミュニティーを壊し、真に必要な住民の命を救う防災対策、住宅の耐震化などは置き去りにされます。住民発意の本当の意味でのまちづくりとは何か、みんなで考えていく必要があります。
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