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2010年8月の10件の記事

2010年8月 8日 (日)

富裕層減税は、財政悪化を招くだけでなく、経済的な効果薄い(ガイトナー米財務長官)

 日本での同じ問題点には、まだ何も手がつけられていません。

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米財務長官、富裕層減税の終了を主張
「経済効果薄く予定通りに」

(日経夕刊 2010.08.05)

 【ワシントン=御調昌邦】ガイトナー米財務長官はワシントン市内で4日講演し、財政再建などに向け「最善の方法は(所得の高い)上位2%の税率を1990年代の終わりの水準に戻すことだ」と述べ、富裕層を対象とした減税を今年末で予定通り終了すべきだと主張した。この減税は財政悪化を招くだけでなく、経済的な効果も薄いと強調した。

 一方で共和党はこの減税措置の継続を求めており、11月の中間選挙に向けた主要な争点の一つに浮上しつつある。

 焦点になっているのはブッシュ前政権が導入した大型減税の扱い。ガイトナー長官は世帯年収が25万ドル(約2200万円)以上の人などへの減税を終了させるべきだと主張する一方、中間層への減税は「景気回復を続けるうえで欠かせない」として、継続する必要があると主張した。

 この点に関して「米議会が上位2%への減税を延長するまで、中間層への減税を(決定しないで)人質にすべきだという人がいるが、これは誤りだ」と発言。政治的な取引の材料にすべきではないとの認識を示した。中間層への減税を延長しなければ「急激な増税になり、可処分所得が大きく下がる」と説明し、景気の低迷を招くと指摘した。

 富裕層減税を続ければ10年間で7000億ドルの資金を国債発行などで調達する必要があり、公的債務が持続不可能な水準に達すると警告した。

 共和党は富裕層への減税を終了すれば、中小経営者などが痛手を被って、企業の雇用を減らすと主張している。ガイトナー長官は「富裕層への減税終了で、影響を受ける中小企業のオーナーは3%未満」として、雇用への打撃はほとんどないと分析した。

2010年8月6日(金)「しんぶん赤旗」

米、金持ち優遇脱却へ
高所得減税延長せず
ブッシユ時代に開始 財務長官が言明

 【ワシントン=西村央】ガイトナー米財務長官は4日、ワシントン市内での演説で、今年末で期限切れとなるブッシュ政権時代に始められた年収25万ドル(約2200万円)以上の高額所得者減税について、財政難が続いているなかで「必要とする処方箋(せん)ではない」として、この措置を延長しないことを表明しました。

 オバマ政権が今年2月に発表した予算教書では、年収25万ドル以上の高額所得者への所得税減税の打ち切りを盛り込んでおり、ガイトナー氏のこの日の表明は、この方針に向けた政権の構えを重ねて示したものです。

 かつて米国では所得税の最高税率は70%でした(1981年まで)が、ブッシュ政権時代に2度にわたって高額所得者減税が実施されました。25万ドル以上の高額所得者の所得税率は2010年までを期限とし、35%にまで引き下げられていました。

 ガイトナー長官は、25万ドル以上という高額所得者は、全体の2%にすぎず、その平均所得は80万ドル(約6900万円)にも上っていると指摘。「約2%の最高額所得層の減税措置の延長は、政府にとって1年間で300億ドルもの借り入れを必要とすることになる」と述べました。

 そのうえで、同じ金額を中間層向けの減税や中小企業の投資促進に使用することが、景気回復により効果的であるとの議会調査局の提案には多くのエコノミストが賛同していると述べ、ブッシュ政権時代の金持ち優遇措置から脱却する必要性を強調しました。

"労働者の生活大事"
労組会合でオバマ氏

 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は4日、ワシントン市内で、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)の役員を前に演説し、「企業は、労働者にましな給料を支払い、まともな待遇をし、尊厳をもって対応してこそ、より強くなれる」と述べ、オバマ政権の労働政策への支持を訴えました。

 オバマ氏は、ブッシュ前政権が大企業優遇政策をとってきたことを批判する一方、長引く不況で労働者世帯が厳しい生活実態にあることを指摘。自身の政権発足後、医療保険制度改革などで、労働者の生活を重視する政策を採用してきたと強調しました。

 また、オバマ氏は、労働運動が労組結成や雇用者側との交渉をよりやりやすくすることを主眼とした「被雇用者自由選択法案」について、「法案を議会で通過させるのは、なかなか難しい課題だ。しかし、われわれは求め続ける」とのべ、法案の成立に向けて引き続き取り組む意向を表明しました。

女性自衛官・人権裁判、防衛省に控訴断念と自衛隊改善を求める

 防衛省は、この期に及んでも反省していません。職場における犯罪行為は許さないという、こんなあまりにも基本的な問題で、なぜ逃げの対応を取るのでしょう。

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2010年8月7日(土)「しんぶん赤旗」

元女性自衛官の人権裁判勝訴
防衛省に控訴断念求める

 北海道の自衛隊基地内で女性自衛官(当時20歳)が上司から性的暴力を受けた事件で、国に損害賠償を命じる判決を札幌地裁で勝ち取った原告の元女性自衛官が6日、防衛省に控訴断念と「女性自衛官を人間として認め、私と同じつらく、苦しい目にあわなくてすむよう改善してほしい」と要請しました。

 要請は「女性自衛官の人権裁判を支援する会」がよびかけ、日本共産党の紙智子参院議員、福島瑞穂社民党参院議員が同席、中江公人防衛事務次官が応対しました。

 原告は「3年3カ月は長く、つらかった。(自衛隊は)裁判でちゃんと答弁もせずに、誠意を感じられず、残念な思いをした」「上司に退職強要され、裁判を起こすしかなかった」とこみ上げる怒りをこらえきれず泣いて訴えました。

 裁判中からも現職自衛官から同じような苦しみを打ち明けられたことをあげ、「私もこれ以上、裁判で苦しみたくない、自衛隊は判決を受け止め、自衛隊で働く人たちのためにも改善してほしい」と力を込めました。

 中江次官は「判決を重く受け止め、検討していきたい」とのべるものの、謝罪の言葉はありませんでした。

 同次官が今後の対応としてセクシュアルハラスメント防止教育にふれた際、原告は「事件後、セクハラ防止講座に私は加害者と同席させられた。あまりに社会常識とかけ離れている」と訴えました。

 紙議員は「判決は、退職を強要した自衛隊への審判でもある。きちっと受け止めて改善することが重要であり、控訴を断念すべきだ」と強調しました。

2010年8月 7日 (土)

「成長戦略」の帰結は、投資家だけが潤う異常な日本

 経済欄のコラム「清流濁流」の文章です。端的、簡潔な文章が気に入ったので、クリップさせてもらいます。

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2010年8月6日(金)「しんぶん赤旗」

清流濁流
「成長戦略」の狙い

 弱体政権の下で財界主導の「成長戦略」が始動しています。菅直人首相は、消費税増税は「唐突」だったと陳謝したものの撤回はせず、一方、法人税は「主要国並みに引き下げる」ことをすでに閣議で決定しています。しかし、その先に見えるのは、国民は重税にあえぎ、投資家だけが潤う異常な日本です。

 財界は、「日本の企業は法人税率が高すぎて競争力を喪失している、だから減税が必要だ」といいますが、この主張には根拠がありません。日本の貿易収支は歴史的な円高下でも輸出超過になっています。競争力を喪失していれば輸出超過にはなりません。

 減税は日本の対内直接投資を増やすためにも必要といいますが、外資はすでにシンガポールなど日本以外のアジアに向かっています。それは言葉の壁や通信、交通などの総合的なインフラ要因によるもので、法人税率を引き下げれば止まるものではありません。

 他方、消費税を上げても大企業は一円も負担せず、輸出企業は消費税免除に加え、仕入れにかかわる税額が還付されます。さらに、福祉目的税化すれば企業は社会保障負担を免除され、反対に国民は社会保障切り下げか消費税率引き上げかの過酷な選択を強いられます。

 法人税減税と消費税増税で浮いた企業のお金はほとんどが配当に回るとみられます。それが当初の狙いだからです。「福祉のため」といいながら、弱者を犠牲にして投資家を優遇するデタラメ「成長戦略」を絶対に許してはなりません。(沢庵)

2010年8月 5日 (木)

陸上自衛隊、訓練死、事件の真相・自衛隊の責任を求めて提訴

 自衛隊は、なぜ被害者第一の立場に立てないのでしょうか。それが、被害あった場合の鉄則のはずです。自衛隊であれ、企業であれ、何であれ、その無責任を見過ごしたくありません。

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2010年8月4日(水)「しんぶん赤旗」

“訓練死 陸自に責任”
札幌地裁 両親、究明求め提訴

 2006年に札幌市の陸上自衛隊真駒内駐屯地での訓練中に島袋英吉さん(当時20歳)が死亡した問題をめぐって3日、両親が国を相手取り真相究明と自衛隊の責任、4600万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁におこしました。

 訴状によると、島袋さんは同年11月21日、同駐屯地西体育館において素手で敵を殺傷することを目的とした総合格闘技「徒手格闘」の訓練を3等陸曹の指導のもと、陸士長と行った際、島袋さんが首投げによって背中から落下し、後頭部を強打。翌日、急性硬膜下血腫で死亡しました。

 この日、投げ技から倒して胴を突く訓練を繰り返し、7回目で島袋さんは投げ返され、疲労と倒れた衝撃によって苦痛の表情を浮かべたにもかかわらず、訓練を続行、8回目で後頭部を強打しました。島袋さんの胴着は、襟元から胴のあたりまで血で染まっていたといいます。

 家族が疑念を抱いているのは死因です。あばら骨が3本折れていたほか、歯が折れ、顔が腫れ上がっていたそうです。

 提訴後の記者会見で佐藤博文弁護士は、島袋さんの損傷の状態から、「強力な外力が加えられており、いじめやしごきの可能性もある」と指摘。「訓練のあり方に根本的に問題がある。隊員の安全確保と二度と同じ問題を起こさせないことが家族の願いです」と代弁しました。

 家族は涙ながらに会見に応じ、父親の勉さん(50)は、「3年間、家族は暗い闇を歩いてきたような心境です。ただ、真実を知りたい。英吉の命の証しを残すために」と強調しました。

解説
隠蔽体質 今こそ正せ

 自衛官の死亡事件の多くは遺族が納得できないまま「事故」として処理されています。しかも外部から遮断された「実力組織」という条件を利用した事実の隠蔽(いんぺい)が常とう手段となっています。

 自衛官の命を奪った徒手格闘訓練事故は「投げ技」などで、強力な敵を素手で制圧することを目的にしたものです。被害者の隊員は、徒手格闘の基本的な訓練もうけずに、危険な技をかけられたのです。

 自衛隊は、部隊の調査報告書で指導教官の技量不十分、死亡した隊員のれん度未習熟段階での訓練の実施、疲労度など体調把握不十分なままの訓練の継続をあげています。しかし、肝心な経過と原因にはまったく口を閉ざしたままです。

 自衛隊にとって訓練の実態を隠す背景があります。陸自第11師団が作成した報告書「徒手格闘訓練に対する師団の取り組み」のなかで、こう記されています。

 「不審船事案、9・11同時多発テロ、イラクへの派遣などを契機とした近接戦闘能力向上の必要性増大を受け、部隊における格闘訓練は活発化(した)」

 真駒内の部隊は自衛隊初のイラク派兵部隊です。事件の真相解明、自衛隊の安全配慮義務違反の責任は厳しく問われなければなりません。(山本眞直)

2010年8月3日(火)「しんぶん赤旗」

「息子は自衛隊に殺された」
徒手格闘訓練 真実を知りたい
隠蔽に怒りと疑問 きょう遺族が提訴

 息子は自衛隊に殺された、いったい何があったんだ―。陸上自衛隊真駒内駐屯地(札幌市)で、徒手格闘訓練中に20歳の隊員が死亡した事件の真相と自衛隊の責任を求めて3日、隊員の父親らが国家賠償訴訟を札幌地方裁判所に起こします。1日たりとも消えない遺族の悲しみと怒りは―。(山本眞直)

陸自真駒内駐屯地

 2006年11月21日午後2時すぎ。島袋英吉さん=当時(20)=が徒手格闘訓練中にけがをした、との連絡が沖縄県の父親、島袋勉さんの携帯電話に入りました。

 勉さんは同日夜、那覇空港から千歳行きの飛行機に飛び乗りました。英吉さんと双子の弟で、千葉県の陸上自衛隊松戸駐屯地に勤務する恵祐さんも北海道に飛びました。

 英吉さんは翌22日午後2時すぎに死亡しました。徒手格闘訓練中に相手に投げられ、板張りの床に後頭部を強打したことによる急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血などによる死亡とされました。

突然の死に

 息子の突然の死に、勉さんは沸きあがる怒りと疑問を抑えることができませんでした。「英吉は小さなときから運動音痴だったので、音楽が好きだった。だから戦闘部隊ではない輸送隊を選択した。メールでいつも様子を知らせてきたが、徒手訓練のことなどは一言もなかった」と悔しさをにじませます。

 勉さんと恵祐さんは自衛隊側に「なぜ畳ではなく床でやったのか、教官は何をしていたのか、安全管理はどうしていたのか」など疑問をぶつけました。警務隊や部隊関係者は多くを語らず、口から出るのは「わかりました」の言葉だけでした。

 勉さんは、以前から息子のメールに「いじめ」を受けていることを感じさせるものがあっただけに、訓練事故死に強い不信の念を持ちました。

本当の軍隊

 勉さんは言います。

 「北海道を離れるまで、ホテルや行く先々には上官が遺族を監視するようにつききりでした。真駒内の自衛隊は全国の部隊に先駆けてイラクに海外派兵の第1陣として送り出された精鋭部隊で、その部隊内の不祥事を徹底的に隠蔽(いんぺい)しようとする対応に、ここは本当の軍隊なんだと実感しました」

 自衛隊の対応は不自然さが目立ちました。

 「事故については口をつぐみながら、遺族へのご機嫌とりと問題を大きくさせない"配慮"が見えみえだった」と勉さん。その最たるものが死亡から2年たった08年春に陸上自衛隊幕僚監部から届いた、福田康夫首相名による「桜を見る会」招待状。受付番号は「1」でした。

 弟の恵祐さんは、兄の葬儀で、自らの葬送ラッパで兄を送り、自衛隊を退職しました。

 恵祐さんは言います。

 「兄は事故死ではない、殺されたも同然です。裁判で真相を明らかにしたい」

2010年8月 3日 (火)

比例定数80削減は、民主党独裁が狙い

 国会議員がそんなに無駄なら、国会議員をゼロにすればいい、つまりは、国会そのものを廃止してしまえばいい。

 論理的に考えるならこうなるはずですが、民主党はそうは言いません。衆議院480議席のうちのたったの80議席を削ると言うだけです。しかも、多い方の小選挙区300議席ではなく、それより少ない比例選挙区180議席の方から先に削ろうと言います。

 こう言うのは、残したい議席があるからでしょう。それは、自分達の議席です。

 結局、民主党がまじめに追求しているのは、財政再建などではなく、事実上の民主党独裁政治だということになります。

 こんな党利党略でしかないものを、「財政再建」だの、「まず政治家が痛みを分かつ」だの、恩着せがましく偉そうに言わないで欲しいものです。

 昨年8月30日の衆院小選挙区では、ほぼ半分の票が指標となっていることは、5月31日の記事を参照。全議席が小選挙区になるとどうなるかは、今年5月6日のイギリス総選挙の結果に関する5月30日の記事を参照。

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2010年8月1日(日)「しんぶん赤旗」

比例定数80削減で…
民主42%の得票で68%の議席
少数政党締め出す恐れ

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 菅直人首相が枝野幸男民主党幹事長らに「8月中に民主党内でとりまとめ、年内の与野党合意」を指示した国会議員の定数削減問題。衆院で比例定数を80、参院では40程度減らそうという内容です。比例定数削減はどのような事態を生み出すのでしょうか。

 いま衆院の総定数は480議席です。このうち、300議席は定数1の小選挙区で選び、残りの180議席を全国を11に分けた比例ブロックで選びます。

 民主党案はこの比例部分を80削減し、定数100にしようというもの。各ブロックの定数は四国で6→3、北海道で8→4、中国で11→6、北陸信越で11→6など大幅に減り、民意を正確に議席に反映する比例代表制の長所が大きく損なわれ、大政党に有利な仕組みに“変質”してしまいます。総定数に対する小選挙区の比重は62・5%から75%に一挙に高まり、これまで比例代表で議席を得ていた少数政党が締め出されるおそれがあります。

 民主党が主張する比例定数80削減がいかに民意を切り捨てることになるか。2009年総選挙結果で試算するとその害悪が浮かび上がります。

 民主党は比例代表42・41%の得票率で、小選挙区も含め衆院議席の68・50%を占め、1党だけで3分の2以上の議席を得ることになります。自民党の議席占有率は比例得票率とほぼ同じ。一方、日本共産党はじめ、ほかの党は30・86%の比例得票率を得ながら、議席はわずか8%に押し込められます。

民主単独で「再議決」可能

 比例定数80削減によって民主党単独で3分の2以上の議席を占める―これは何を意味するのでしょうか。

 先の参院選結果、野党が参院で過半数を占め、衆院では民主党など与党が過半数を維持する与野党逆転となっています。

 菅首相が「与野党が合意をしなければ法案が通らない、政策が実行できない」(7月30日の記者会見)と述べたように、政府・与党提出の法案が衆院で与党の賛成多数で可決できても、参院で野党が反対すれば法案は成立しません。ところが、図下のように、参院で否決されても、衆院で3分の2以上で再議決し、成立させることができます。(憲法59条)

 07年の参院選で過半数割れとなった当時の自民・公明の与党は参院で法案が行き詰まると次々再議決を使い、海外での自衛隊の武力行使に道を開く「海賊対処」派兵法や新テロ特措法、大企業優遇減税を優先する租税特措法などの成立を強行してきました。民主党の3分の2以上の議席占有は、参院で法案が否決されても、同党単独で再議決が強行できることになります。まさに「一党独裁」です。

ドイツ検察、ナチス絶滅収容所の元看守(88歳)を起訴

 戦争犯罪者の責任追及は、こうでなくちゃいけないと思いました。

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2010年8月1日(日)「しんぶん赤旗」

独検察 ”必ずナチ裁く”
絶滅収容所元看守 起訴
ユダヤ人43万人虐殺関与

 ドイツ西部ドルトムントの検察局は7月29日、ポーランドのルブリン近郊に1942年から43年まであったナチスのベルジェツ絶滅収容所のザムエル・クンツ元看守(88)を起訴したことを明らかにしました。ユダヤ人43万人の虐殺に関与し、自らも10人を射殺した容疑。ロイター通信が伝えました。

 クンツ被告が42年当時に21歳未満だったことから、裁判はボン近郊の裁判所の少年部で行われる見込みですが、開始時期は明らかにされていません。

 同被告の容疑事実は、ユダヤ人2万7900人の殺害に関与したとして昨年ミュンヘンで始まった元収容所看守ジョン・デムヤンユク被告にかかわる捜査のなかで明らかになったもの。クンツ被告はウクライナ生まれのデムヤンユクと同じく、旧ソ連地域の出身で、赤軍従軍をへて、ドイツ軍の捕虜になった後にナチス収容所の看守になりました。

 クンツ被告は、ナチス犯罪者を追及しているサイモン・ウィーゼンタール・センターのナチス戦犯リストの3番目に挙げられています。同センターのナチス追及チーム主任のエフィライム・ツロフ氏は「起訴は、犯罪者を必ず裁判に引き出すという力強いメッセージだ」と述べました。

 第2次世界大戦後、クンツ被告はドイツで公務員となりました。ドイツ当局がナチス追及の対象を高官に限定したことから「ドイツ国内でレーダー網をかい潜っていた」(ツロフ氏)といいます。

 クンツ被告の裁判では、これまで明らかになっていなかったベルツェク絶滅収容所についての真相解明が期待されています。

 絶滅収容所 ナチス・ドイツがユダヤ人などの組織的大量殺りくを目的に利用した収容所。ナチス政権初期に、政治囚などに強制労働を行わせる目的で主にドイツ国内につくった強制収容所とは異なります。ナチスは1942年1月、「ユダヤ人問題の最終解決」方針を決定し、ユダヤ人殺りくのためにポーランドのアウシュビッツなどにガス室を備えた絶滅収容所を設置。ユダヤ人や少数民族ロマ、ソ連兵捕虜など数百万人が犠牲になりました。

2010年8月 2日 (月)

女性自衛官が勝訴(札幌地裁・橋詰均裁判長)

 何とも嬉しい判決です。

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2010年7月30日(金)「しんぶん赤旗」

女性元自衛官が勝訴
札幌地裁 基地内の性的暴力・退職強要を認定

 北海道の自衛隊基地内で女性自衛官(当時20歳)が性的暴力を受けた事件で、札幌地裁(橋詰均裁判長)は29日、国に損害賠償を命じる判決を出しました。原告弁護団は「国が否認していた性暴力の事実を認め、自衛隊の事後の対応の法的責任を認めた画期的な判断」とのコメントを出しました。

 原告は、夜勤中の男性自衛官から基地内の一室で性的暴力を受け、その後、職場監督者が適切な対応を怠った上に退職を強要したと、国に慰謝料の支払いを求めて提訴。裁判所は原告の主張を全面的に認め、580万円の損害賠償を命じました。

 国側は、「合意のうえでの行為」と事実を否定しましたが、裁判所は暴行の事実を認めるとともに、その後、部隊の監督者が、婦人科を受診することを困難にし、加害者の男性自衛官をその後も基地内にとどまらせ、原告に退職強要した事実などを国の違法行為と認定しました。

 判決の朗読を終えた橋詰裁判長が閉廷を宣言すると、傍聴席からいっせいに拍手が起き、原告席に座っていた原告女性は涙を流しながら、深々と頭を下げました。

 判決後、原告の女性は、「全国で助けを求めている自衛官がたくさんいることは事実です。私を支えてくれた人たちに最上級の感謝を伝えたいと思います」とのコメントを出しました。

「勝ったよ」父にメール

 「私の訴えを裁判所が認めてくれた。言ってきたことが間違いではなかったとわかり、感動しました」―。

 判決で流した涙の理由を記者団から間われた原告女性は、かみしめるように答えました。記者団とのやりとりで終始、原告女性は硬い表情を見せ、3年3カ月という長く苦しい裁判闘争を物語っていました。

 「何度も体調が悪くなり、地獄でした」。不眠や食欲低下、頭痛に悩まされる毎日。自衛隊は、提訴した翌日に女性を使用されていない物置に配置転換し、その後も訓練からの除外や聞こえよがしに非難するなど、数々の嫌がらせをおこないました。

 原告女性は、「生きていくための仕事だったし、私はやめる理由はないと思った」と述べ、自衛官として現役を続けながら裁判をたたかった理由を語りました。2年の任期が切れた昨年、自衛隊は理由を明らかにしないで再任を拒否。退職に追い込まれました。このときが一番つらかったといいます。

 判決の後、父親に「勝ったよ」とメールすると、「『うれしすぎて気絶しそうだ』と返事がありました」と顔をほごろばせた原告女性は、「国は判決の意味を理解してほしい。これ以上裁判をしたくない。控訴してほしくないと強く思います」と強調。

 原告女性の勇気ある行動に励まされ、同様の被害にあっている全国の女性自衛官から相談が殺到しています。「特殊な訓練を受けていても自衛官も同じ人間。市民として人権が保障される組織になってほしい。もうこれ以上、同じ思いをする人は必要ありません」

解説
人権侵害 隊内まん延

 判決は、「裁判は暗闇の中の一条の光だった」という原告の性の尊厳、人権の回復を求めた訴えに、応えたものです。

 2007年5月8日の提訴から3年余、この間の原告のたたかいは壮絶なものでした。自衛隊は上司による性暴力の被害者である原告の保護・援助を怠ったばかりか、逆に退職を強要しました。判決は、性暴力と退職の強要を国家賠償法違反の行為と断罪しました。

 自衛隊でまん延するいじめ、暴力、セクシユアルハラスメントなどの人権侵害、多発する自殺は、その多くが原因や真相が究明されないまま内部処理というかたちで隠ぺいされてきました。

 こうした事件の背景として共通して指摘されるのが、自衛隊の変容です。

 自衛隊は「国際貢献」が本来任務となり、米軍と連携した「海外任務」が地球規模で拡大し、日常化しています。

 それにあわせるように隊内で声高に叫ばれているのが「精強な自衛隊」「所命必遂」といった精神論。そのもとでまかり通っているのが、現場の実情を無視した上意下達、上司や隊員による私的制裁(リンチ)、性的無軌道の黙認です。自衛隊の警察組織である警務隊による人権侵害の強引な捜査も広がっています。

 自衛隊には今回の判決を重く受げ止め、人権侵害事件の一つひとつについて原因究明と責任の明確化、再発防止のための対策の確立が求められています。(山本眞直)

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ドイツ軍需企業が、ギリシャ・ポルトガルを食い物にする

 ギリシャがヨーロッパ最大の武器輸入国で、軍事予算もGDP比で2.8%でEUトップだということを初めて知りました。

 こういう実態を見ると、財政危機という結果を見て騒ぐだけでは、何も見てないに等しいのであって、問題は何も解決しないということがよく分かります。

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2010年7月28日(水)「しんぶん赤旗」

潜水艦売りつけ わいろ疑惑
独軍需企業が食い物
金融危機のギリシャ・ポルトガル

 金融危機が深刻化するギリシャとポルトガルで、ドイツの軍需企業がわいろを使い、巨額の潜水艦の購入をさせていた疑惑が深まり、3国の検察当局が捜査を開始しています。(片岡正明)

 米欧各紙の報道によると、疑惑をもたれているのは、独ティッセンクルップ社系列のHDW社が製造した214型ディーゼル潜水艦の購入です。ギリシャ経済が破たん寸前の今年3月に発表されたもので、購入代金として同国は同社に10億ユーロ(約1100億円)以上を支払うことになっています。

 この取引に、数百万ユーロのわいろがギリシャ政府関係者に支払われたとの疑惑がもたれています。わいろを支払ったとされるのは、産業向けプラント建設を専門とするドイツのフェロシュタール社。同社はこれまでもインドネシアやアフリカ諸国などでわいろを使ってきたことで知られ、今回の取引で、フィクサー役を担っていたとみられています。

 報道によるとHDW社は代金の5%を“手数料”としてフェロシュタール社に支払っていたといいます。

 人口1100万人にもかかわらずギリシャは欧州最大の武器輸入国で、軍事予算の対国内総生産(GDP)比率2・8%(2008年)は欧州連合(EU)でトップ。緊縮財政で国民に負担を押し付けながら、汚職がらみで軍事費が膨張したことに、国民の怒りは収まりません。

 ギリシャはフランスからもフリゲート艦6隻、救難用ヘリ15機を、米国からはF16戦闘機を十数機購入。ギリシャの警察当局は、過去10年間の武器取引に過大な支払いがなかったかどうか調査を始めました。

 同様の疑惑が、ポルトガルとHDW社の2004年の取引にも指摘されています。やはりフェロシュタール社がとりまとめた取引で、ポルトガルは214型潜水艦2隻を12億ユーロで購入。しかし、これは本来の代金に3400万ユーロが上乗せされた額だったといわれます。

 契約成立時に同国の首相だったのは、バローゾ欧州委員会委員長。当時の国防相が取調べを受けていますが、バローゾ氏は疑惑を否定しています。

2010年8月 1日 (日)

社民・辻本氏、社民党を離党

 先日の消費税増税を容認する発言(6月8日の記事)と並んで、ついに馬脚を露したなというのが、僕の感想です。

 同じく社民党の阿部知子政審会長も、消費税増税容認を明言してますが(7月5日の記事)、類似の思惑があるのでしょう。

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社民・辻元清美氏が離党の意向 27日に記者会見
(日経電子版 2010/7/26 23:56)

 社民党の辻元清美前国土交通副大臣=衆院大阪10区=は26日夜、重野安正幹事長に会い、離党する意向を伝えた。会談後、記者団に「私が色々悩んでいることもあり、そういうこと(離党)を含めて思いを伝えた」と述べ、27日に地元で記者会見する考えを示した。知名度の高い辻元氏の離党は社民党には打撃で、執行部は慰留する方針。

 辻元氏は同党が沖縄の米軍普天間基地の県内移設に反対して連立を離脱する際に慎重派だった。先の参院選で改選3議席を下回る2議席にとどまったことを機に、福島瑞穂党首ら執行部への不満も募らせていたという。

 辻元氏は1996年衆院選で初当選し、現在4期目。2002年に自身の秘書給与詐取疑惑で議員辞職。03年に詐欺容疑で逮捕され、04年に執行猶予付き有罪判決が確定した。05年衆院選で国政復帰、09年の政権交代で国交副大臣も務めた。

辻元氏が離党 社民、揺らぐ福島体制
一部に与党志向 くすぶる責任論

(日経電子版 2010/7/27 22:04)

 社民党の辻元清美前国土交通副大臣は27日、大阪市内で記者会見し、離党を正式に表明した。看板議員の一人を失った社民党の打撃は大きく、福島瑞穂党首ら執行部の刷新論もくすぶり始めた。与党復帰はあるのか、野党に徹するのか。各党は動向を注視している。

 辻元氏は27日の記者会見で「離党届を提出した。無所属議員として活動を始める」と表明した。理由は与党志向。「政権の外に出たら政策の実現が遠のくことも心配だった」と振り返った。

 福島、辻元両氏の間には感情的な対立もにじむ。2人は27日朝に参院議員宿舎で会談したが、辻元氏は記者会見で「数日前からお願いしていたが『時間がとれない』と今日になった」と不信感を示した。福島氏の政界入りを働きかけたのは当時の党首、土井たか子氏と自分だったとも主張した。

 辻元氏は無所属議員として民主党会派入りが取りざたされる。菅直人首相は同日夕、首相官邸で記者団に「大変有能な政治家とは思っている」と評価。仙谷由人官房長官も同日午後の記者会見で「可能性が非常にある政治家であると思うので、そういうポジションで頑張っていただければ」と誘い水を向けた。

 今後の焦点は社民党の動向だ。又市征治副党首は24日、富山市内での県連会合で「人心一新して新しく党の執行体制をスタートさせたいと主張していく」と発言。参院選で改選3議席を2議席に減らした福島体制の責任論がくすぶる。

 自治労出身の又市氏は参院選後、参院議員会長と参院幹事長を兼ねた。日教組出身の民主党の輿石東参院議員会長とのパイプは太く、参院での野党共闘にも一線を画す。

 与党志向は又市氏に限らない。連立離脱には重野安正幹事長、阿部知子政審会長も慎重だった。照屋寛徳国対委員長ら沖縄出身議員は同調したものの、福島氏とは馬が合わない。福島氏は27日、記者団に「一丸となって元気な党をつくる」と意欲を示したが、微妙な人間関係が福島体制の維持に影を落としている。

民主党独裁を追求する民主党首脳陣の政治哲学

 民主党敗北の参院選。その根本的原因は、政治についてのこういう哲学にあるのでしょう。

 国民の意思に反する政治を実行するつもりがなければ、独裁政治なんて、あえて求める必要ありません。逆に独裁を正当化して追求しているのは、国民の意思に反する政治を実行しようとする強い決意の証拠なのだと思います。

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2010年7月27日(火)「しんぶん赤旗」

「独裁」容認、「貧乏人は麦を食え」
菅内閣3人組の危ない思想

 「菅直人内閣の重要政策決定を主導するトロイカ体制」(民主党衆院議員)といわれる菅首相、仙谷由人官房長官、玄葉光一郎内閣府特命相(民主党政調会長兼務)。その危うい政治思想に永田町の目が向けられています。

 ○…菅首相は今年春の国会審議で、憲法と議会制民主主義の原則とは異質の国会観を披露しました。「言葉が過ぎると気をつけなきゃいけませんが、議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだと思っているんです」(参院予算委3月16日)。

 菅首相は、著書『大臣』のなかでも立法府(国会)と行政府(内閣)が一体化し、内閣が優位に立つとする「国会内閣制」を主張しています。国会を国権の最高機関と位置づける憲法から見ると、与党の多数独裁を認める独特の憲法解釈です。

 ○…公務員制度改革担当で入閣した玄葉氏も「独裁」という言葉に抵抗感が薄いようです。茂木友三郎キッコーマン会長(21世紀臨調共同代表)との誌上対談で次のようなやりとりをしています。

 「茂木 政治形態でいちばんいいのは『ビナイン・ディクテーターシップ(優しい専制主義)』だという言う人が多かった…。

 玄葉 まったくおっしゃる通りで、私もそう思います。非常に賢くて、権力を抑制的に使う人が、独裁体制のもとでリーダーになったら、いちばんいいですよ」(『味の手帖』6月号)

 民主党が参院選で大敗した一因に、6月の首相交代後に慣例の衆参予算委開催を拒絶するなど民主党の強権的な国会運営がありました。数を頼みに強権政治へ暴走した背景に、政権を握った側の独裁は許されるという民主党首脳陣の安易な政治思想と関連付ける見方があります。

 ○…参院選で消費税増税を持ち出したのも、菅―仙谷―玄葉ライン。トロイカ体制をリードする仙谷氏は、自身が主催する21世紀改革研究会の発足講演(1998年12月11日)で語っています。

 「かつて『貧乏人は麦飯を食え』といった政治家がおりますけれど、今はそんな度胸のある政治家はありません。私はここまで(注・のどもとを指す)でかかっておりますが、次の選挙でもう一回落ちたらもう立ち上がれないと思っていますので、ちょっというのを控えています…」(仙谷由人『金融・経済危機、そして日本』)。「独裁」の裏腹としての国民軽視の思想がにじんでいます。

 仙谷氏が紹介するかつての政治家の発言とは、吉田茂内閣当時の池田勇人蔵相の国会答弁です。翌日の全国紙は「貧乏人は麦を食え」と伝え、当時の国民の憤激を呼びました。

 低所得層ほど負担が重い消費税増税は、「貧乏人こそ消費税を払え」といわんばかりの現代版「貧乏人麦飯」論です。

 ○…参院選で国民は民主党に単独過半数を与えませんでした。民主党政権がはらむ危険を鋭敏な感覚で拒否したといえるかもしれません。

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