ドイツ検察、ナチス絶滅収容所の元看守(88歳)を起訴
戦争犯罪者の責任追及は、こうでなくちゃいけないと思いました。
2010年8月1日(日)「しんぶん赤旗」
独検察 ”必ずナチ裁く”
絶滅収容所元看守 起訴
ユダヤ人43万人虐殺関与ドイツ西部ドルトムントの検察局は7月29日、ポーランドのルブリン近郊に1942年から43年まであったナチスのベルジェツ絶滅収容所のザムエル・クンツ元看守(88)を起訴したことを明らかにしました。ユダヤ人43万人の虐殺に関与し、自らも10人を射殺した容疑。ロイター通信が伝えました。
クンツ被告が42年当時に21歳未満だったことから、裁判はボン近郊の裁判所の少年部で行われる見込みですが、開始時期は明らかにされていません。
同被告の容疑事実は、ユダヤ人2万7900人の殺害に関与したとして昨年ミュンヘンで始まった元収容所看守ジョン・デムヤンユク被告にかかわる捜査のなかで明らかになったもの。クンツ被告はウクライナ生まれのデムヤンユクと同じく、旧ソ連地域の出身で、赤軍従軍をへて、ドイツ軍の捕虜になった後にナチス収容所の看守になりました。
クンツ被告は、ナチス犯罪者を追及しているサイモン・ウィーゼンタール・センターのナチス戦犯リストの3番目に挙げられています。同センターのナチス追及チーム主任のエフィライム・ツロフ氏は「起訴は、犯罪者を必ず裁判に引き出すという力強いメッセージだ」と述べました。
第2次世界大戦後、クンツ被告はドイツで公務員となりました。ドイツ当局がナチス追及の対象を高官に限定したことから「ドイツ国内でレーダー網をかい潜っていた」(ツロフ氏)といいます。
クンツ被告の裁判では、これまで明らかになっていなかったベルツェク絶滅収容所についての真相解明が期待されています。
絶滅収容所 ナチス・ドイツがユダヤ人などの組織的大量殺りくを目的に利用した収容所。ナチス政権初期に、政治囚などに強制労働を行わせる目的で主にドイツ国内につくった強制収容所とは異なります。ナチスは1942年1月、「ユダヤ人問題の最終解決」方針を決定し、ユダヤ人殺りくのためにポーランドのアウシュビッツなどにガス室を備えた絶滅収容所を設置。ユダヤ人や少数民族ロマ、ソ連兵捕虜など数百万人が犠牲になりました。
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