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2009年10月24日 (土)

ドラマ「気骨の判決」

 良いドラマでした。主人公を演じた小林薫さんがとてもいい演技をしていると思いました。

 見ていて改めて思ったのは、戦前・戦争中というと、日本人の考えが、天皇・政府・日本軍の誘導した通りに一色に染め上げられていたものと思い込みがちですが、実はそうでもなく、それとは違った感じ方・考え方をしていた人々が思いの外いたのではないかということです。

 いつの時代にも時流というものがあり、それがどんなに作為的なものであっても、それに寄りかかることによって人はいっときではあっても安定した生活を獲得でき、だからこそ寄りかかり流される人々が一時的には多数派となります。しかし、それは人の自然の感覚が作り出したものではないですから、やはり時の強者が作り出した時流ではなく、それぞれの人の自然な感性が生み出した様々な感じ方・考え方があるんでしょうね。

 確かな理性に裏打ちされた、自然な感性の大切さを思わせられると共に、それは、ともすると一色に見えがちなあの時代にも、少なからぬ人々の中に生きて動いていたんだろうなと思いました。少数の特別な人々の中だけではなく、そこここに生きているごく普通の人々の中にあったんだろうと思います。誰の目にも見える形にはその瞬間はならなかっただけで、実際にはあったんだろうと思いました。そうであれば、あの時代よりも遙かに人の個性が尊重されている今にあっては、尚更そのはずですね。

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