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2009年2月 1日 (日)

映画「トゥヤーの結婚」

 ワン・チュアンアン監督。

 生活の中での事故により下半身不随となった夫と2人の子供を養う、中国は内モンゴル自治区に住む女性が、自らもそれに近い状態に陥ったため、家族4人が生きていく労働力を得るべく、愛する夫と離婚して新たに結婚するという道を選ぶ中で展開される物語。

 本人と社会の貧しさの中で、主人公トゥヤーが家族への愛を貫こうとして引き受けてしまう苦難を描いています。以前、中国南部の奥地で今も残るある少数民族の一妻多夫制のドキュメンタリーを見ましたが、それも貧しさ故の制度でした。1つの家族を1人の夫の労働力では支えられないが故の一妻多夫制なのです。本作もこれとは事情が異なりますが、類似の問題だと思います。

 男女の愛情、その結果としての結婚と家族は、当然生きること、従って生活することを前提にしますから、極端に貧しい国と地域ではこういうことが問題になりますし、ここまでの貧しさは基本的にないといってよいであろう日本でも、別の形でこの愛情と生活が問題になるのだと思います。そういう意味では他人事ではありません。

 こういう苦難の中で、トゥヤーとその家族、また幾人かの求婚者達の人柄が露わになり試されて行きます。落ち着くべき所に事態は進んで行きますが、それは一直線ではないし、ゆっくりとでしかありません。しかも苦難そのものが解決する訳でもありません。人間は完全なものではないからでもありますが、貧しさは個人の努力によって解決できるものではないからだと思います。

 苦難を真正面から描くと共に、その中に垣間見える様々な形のささやかな希望をも描き、とても良い作品だと思いました。

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