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2008年10月 2日 (木)

ドイツ地方選での左翼党の前進―ヨーロッパでも続く「新自由主義」の危機

2008022607_03_0_2  2005年9月18日のドイツ総選挙で大躍進し(2006年11月14日の記事)、2007年6月16日に2党が合同して正式に発足した左翼党(2007年6月18日の記事)が、それに先立つ同年5月13日のブレーメンの市議会選挙(2007年7月9日の記事)を皮切りに、その後の地方選でも前進を続けています。

 そこに現れている民意は、雇用の不安定化・社会保障の縮小・貧困の増大・格差の拡大をもたらす「新自由主義」的政策の拒絶と言うべきでしょう。保守政党や中道右派と言われる政党が実行したものであれ、社民党などの中道左派と言われる政党が実行したものであれ、「新自由主義」的政策は国民の生活を困難にするものでしかありません。延いては資本主義であることを前提にしても国民経済の基盤を破壊するものです。

 国民が「新自由主義」に抵抗し、それを克服していくのは必然です。

 日本においても、小泉政権が急速に進めた「構造改革」という「新自由主義」政策は、今や立ち往生の状態にあります。安倍・福田氏は、従って政権を投げ出し、麻生首相も立ち往生しながらも彼独特の強引さで突破しようという意志を露わにしています。他方、それに対抗して政権奪取を狙う民主党も、「構造改革」「新自由主義」を真正面から批判し放棄することはできません。

 民意が自民党から離れながらも、今一つ民主党に結集しない所以(ゆえん)でしょう。

 「新自由主義」を克服する政策と、それを実行する主体たる政党こそが求められています。

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 ドイツの地方選に関する一連の記事をクリップしておきます。

2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」

ドイツ 2州議会選挙
メルケル与党、後退
左翼党が躍進 初議席

2008012907_01_0  ドイツのヘッセン州(人口約六百十万人)とニーダーザクセン州(人口約七百九十万人)の二つの州で州議会選挙の投開票が二十七日行われ、メルケル首相の与党、キリスト教民主同盟(CDU)が両州ともに後退しました。特にヘッセン州では州政府の維持が危ぶまれる事実上の敗北に追い込まれました。左翼党は、得票率が5%以上なければ議席を得られない条項を乗り越え、両州で初めて議席を獲得しました。左翼党が選挙で旧西独部の州議会に議席を獲得したのは昨年五月のブレーメン市(州と同格)に次いで三州目です。

 今回の州議選は二〇〇九年秋に予定される連邦議会選挙までの最大の地方選挙。国政で社会民主党(SPD)と連立を組んでいるメルケル首相は、連邦議会選挙までの一年半余り難しい政権運営を迫られそうです。

 ニーダーザクセン州の暫定開票結果では、CDUが得票率で前回より5・8ポイント減らしたものの42・5%を維持し、0・1ポイント減で8・2%の自由民主党(FDP)との州政府連立維持が確実になりました。SPDは3・1ポイント減の30・3%、90年連合・緑の党は8・0%。左翼党は前回より6・6ポイント増の7・1%と大躍進を果たしました。

 ヘッセン州の暫定結果ではSPDが前回より7・6ポイント伸ばし得票率36・7%となり、前回より12ポイントも減らしたCDUの36・8%と並びました。FDPは1・5ポイント増の9・4%、緑の党は2・6ポイント減の7・5%。左翼党は5・1%(前回立候補せず)を得ました。

 ドイツの州議会選挙は小選挙区比例代表併用制で行われ、全議席は最終的に比例投票での得票率により比例配分されます。

「全域に影響」 左翼党議員団長

 ドイツの左翼党の連邦議会議員団長のギジ氏は、ヘッセン州とニーダーザクセン州での初の議席獲得を受けて二十七日夜、ベルリンで「根強い反共主義を破った」と語りました。

 ギジ団長は、民主的社会主義党時代に旧西独地域で足場を築けなかったことを振り返り、「われわれはもはや旧東独地域だけの党ではない」と述べ、ドイツ全域に影響を広げていることを強調しました。

 同氏は「この影響はドイツだけにとどまらず、欧州全域にまで広がる」と欧州左翼党の核となっている同党の躍進の影響を指摘しました。

 ギジ団長はSPDとの協調について、SPDが構造改革路線「アジェンダ二〇一〇」や労働市場改革政策「ハルツIV」(長期失業者の失業扶助給付の引き下げ政策)などを根本的に変えることを条件に、「将来的には協力できる。そうすればドイツの新しいプロジェクトが開けてくる」と語りました。

 左翼党 二〇〇七年六月、旧東独政権党の流れをくむ民主的社会主義党(PDS)と旧西独部の労働組合活動家やSPD元党員らが結成した「労働と社会的公正のための選挙代案」(WASG)が合同して結成。党員数は現在、旧東独地域で五万人、旧西独地域で二万人。旧西独地域での党員を当面、三万人に増やすなどの党勢拡大の目標を掲げています。

解説
社会的公正に期待

 ドイツ連邦議会選挙を一年半余り後に控えて行われた二州議選には、最大の中間選挙として各党が総力を挙げました。昨年来、国政の争点として浮上してきた法定最低賃金確立などの「社会的公正」の問題が州議選でも一大争点となりました。

 ドイツでは約八十万人の派遣労働者や月四百ユーロ(約五万五千円)以下の収入しかない「ミニジョブ」労働者など不安定雇用が増加。長期失業者も「一ユーロジョブ」といわれる低賃金労働への就労を押しつけられています。

 正規雇用の労働者は社会保険費や税金、インフレを考慮すると「二十年前と給与が変わらない」(ビルト紙)一方で、経営者の数千万ユーロ単位の年収が大きな問題となっていました。

 社会民主党(SPD)は「州議会選挙を法定最低賃金制を導入する住民投票にしよう」と呼びかけ、最低賃金制の確立を求める街頭署名活動を積極的に展開しました。

 キリスト教民主同盟(CDU)は、「社会的公正」への対応が二州で割れました。ニーダーザクセン州のウルフ首相は最低賃金制度に理解を表明しました。ヘッセン州のコッホ首相は、移民犯罪者への刑罰強化を主張し、「社会的公正」にはほとんど触れずじまいでした。この差が選挙結果の違いになったと指摘されています。

 左翼党は最低賃金制を二〇〇五年の連邦議会選挙から争点としており、弱者の声を代表する党として支持を集め、「社会的公正」実現への努力を有権者から託された結果といえます。(片岡正明)

2008年2月26日(火)「しんぶん赤旗」

左翼党が議席獲得
旧西独地域ハンブルク 社会保障に期待
ドイツ

2008022607_03_0  ドイツのハンブルク特別市(州と同格、人口約百八十万人)議会選挙の投開票が二十四日行われ、メルケル首相の与党、キリスト教民主同盟(CDU)が後退する中、左翼党が比例議席獲得に必要な5%を超え、初議席を獲得しました。左翼党は旧西独地域の州・特別市議会選で四回連続の議席獲得。州・特別市レベルでは全ドイツで第三党となりました。

 ハンブルクからの報道によると、CDUが得票率で42・6%(定数百二十一議席中五十六議席)をあげ第一党にはとどまったものの前回より4・6ポイント減らし、過半数議席を維持できませんでした。CDUに対抗する社会民主党(SPD)の得票率は3・6ポイント増の34・1%(四十四議席)、90年連合・緑の党は2・7ポイント減らし9・6%(十三議席)。自由民主党(FDP)は得票率4・8%で議席を獲得できませんでした。

 これに対し、左翼党は今回が初めての同市議会選で6・4%(八議席)と躍進。旧西独地域の州・特別市での同党の議席獲得は、ブレーメン、ニーダーザクセン、ヘッセンに続くもの。同党が議席を持つ州(特別市を含む)はドイツ全十六州中十州、議席総数は百七十五議席となりました。

 ハンブルクでは景気対策と雇用創出の実績を訴えたCDUに対し、SPDは企業のもうけに応じた労働者への利益配分の増大、90年連合・緑の党は環境・教育問題を訴えました。左翼党は弱者のための政治への転換と社会的公正を訴えました。

 左翼党のバルチ幹事長は「ハンブルク選挙の勝利は左翼党の全国的な上昇傾向を確認するものだ。社会的公正、社会保障、教育の平等でわれわれに期待が寄せられた」と語りました。

2008年3月4日(火)「しんぶん赤旗」

ドイツ地方選挙
ミュンヘンとニュルンベルク
左翼党が初議席

 ドイツの南部バイエルン州で二日、いっせい地方自治体選挙が投開票され、州都ミュンヘン(人口約百三十万人、八十議席)と第二の都市ニュルンベルク(人口約五十万人、七十議席)で左翼党が初めて議席を獲得しました。これまでの旧西独地域で躍進をしてきた同党の勢いが確認された形です。

 左翼党は法定最低賃金八・五ユーロの確立、長期失業者の半強制的な格安労働の就労制度改革などの社会的公正を訴え、ミュンヘンで得票率3・6%(三議席)、ニュルンベルクで5%前後(三―四議席)を獲得しました。

 他方、バイエルン州政府与党として長期に君臨するキリスト教社会同盟(CSU)が、ミュンヘン、ニュルンベルクなどの大都市で大きく後退。逆に州政府野党の社会民主党(SPD)はミュンヘンで現状維持、ニュルンベルクでは票を伸ばし市与党の座を維持しました。

2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」

独バイエルン州議会選挙
保守与党が歴史的大敗
社民党も最悪結果

2008093007_02_0  ドイツ南部のバイエルン州(人口約千二百五十万人)で二十八日、州議会選挙(定数百八十七)の投開票が行われ、一九六二年以来単独過半数を維持してきた与党キリスト教社会同盟(CSU)が半数を下回り、歴史的な大敗を喫しました。

 CSUはメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組む政党。二〇〇九年の連邦議会選挙を前にしてのCSUの大敗は、メルケル首相にとっても大きな打撃です。中央政府でCSU・CDUと大連立を組んでいる二大政党の一つ、社会民主党(SPD)も同州議選で史上最悪の結果となり、二大政党後退の結果となりました。

 暫定公式結果によると、CSUは得票率43・4%(前回比17・3ポイント減)で前回より三十二議席減らす九十二議席の大敗北。SPDも前回から得票率をさらに1ポイント減らして18・6%、議席は二議席後退して三十九議席となりました。

 CSUの長期政権にはシュトイバー前州首相の権威主義的政治姿勢、教育・福祉政策に批判が集中。昨年から有力政治家の離党が相次ぎました。

 今回の選挙で躍進したのが小政党。CSU指導部に反旗を翻して離党した政治家が合流した「自由な有権者」が得票率10・2%、二十一議席で初めて議席を獲得。自由民主党も8%、十六議席で十四年ぶりに議席を回復しました。緑の党も得票率で1・7ポイント伸ばし9・4%、十九議席を得ました。

 旧西独の州議会選挙で連続して議席を獲得している左翼党は得票率4・3%で前回ゼロから大きく伸ばしたものの、5%条項に一歩届かず、議席は得られませんでした。

 今回の選挙で、メルケル首相やミュンテフェリングSPD党首代理が選挙応援に駆け付け必死にてこ入れを図りましたが、有権者は国政与党の二大政党に背を向けました。

 ドイツの保守政党、CSU・CDU バイエルン州を基盤とするキリスト教社会同盟(CSU)とそれ以外の十五州を基盤とするキリスト教民主同盟(CDU)は連邦議会で保守の統一会派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を組んでいます。両党は国政レベルでは一つの政党のようにみなされることが多く、メルケル政権与党の二大政党という場合、CDU・CSUと社会民主党(SPD)を差します。

2008年10月1日(水)「しんぶん赤旗」

独ブランデンブルク州地方選
左翼党 25%得票
国政与党と肩並べる
他州の州都で党員市長も

2008100107_02_0  ドイツのブランデンブルク州(人口二百五十万人)で九月二十八日、いっせい地方自治体選挙が行われ、貧困層の救済やアフガニスタンからのドイツ軍撤退を訴える左翼党が伸びました。また同日行われたメクレンブルク・フォアポンメル州の州都シュウェリン市の市長選では、州都の市長としては全国で初めて同党の党員(アンゲリカ・グラムコウ氏)が当選しました。

 独第一公共テレビ(ARD)の発表によると、ブランデンブルク州全体の集計で、社会民主党(SPD)が前回(二〇〇三年)の得票率22・6%から25・8%に支持を伸ばし第一党を確保しました。前回、民主的社会主義党(PDS)としてたたかった左翼党は0・5ポイント伸ばし、得票率24・7%を得、SPDとほぼ肩を並べました。キリスト教民主同盟(CDU)は5・7ポイント減らし、19・8%でした。

 同州の州都ポツダムの市議会では左翼党が得票率31%でSPDの27・1%を上回りました。また、フランクフルト・アンデアオーデルでは左翼党が得票率37・4%を獲得し、SPD(20・8%)とCDU(17・7%)に大差をつけました。コトブスではSPDが28・6%と左翼党の26・9%を小差で上回りました。

 ドイツでは連邦議会選挙を一年後に控え、国政でのCDUとSPDによる大連立政権への批判が高まっています。ブランデンブルク州でも連立を組む両党の選挙結果に注目が集まりました。CDUは大きく後退。SPDも微増はしたものの、前々回の一九九八年に得た得票率38・9%からは大きく後退したままです。

 これに対し、左翼党は「貧困層から富裕層へお金を再分配するのでなく、富裕層から貧困層へ再分配するよう政治の方向を変えよう」と訴え、都市部で票を伸ばしました。

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 こんにちは。伊東です。 昨日の夜の記事で、社会人野球に関する記事はすべて書き終えました。 人の名前の間違いなどで少し直す部分はありますが、伝えたい事は何とか伝えきりました。そういや明日から日本選手権東北予選ですね。まだ試合の残っているチームの皆さん、...... [続きを読む]

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