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2008年9月23日 (火)

国民の現実を見てない麻生太郎・自民党新総裁―後期高齢者医療制度・消費税

 盛り上がりを欠いたまま終わった自民党新総裁選び。誰もが予想した通り麻生太郎氏が選ばれました。20日には舛添要一厚生労働相が後期高齢者医療制度の見直しを表明して21日付日経社説でも「総裁選をにらんだすり寄りとみられても仕方がない」と批判されました。

 さて新総裁となった麻生氏、就任の記者会見でこの後期高齢者医療制度の見直しについて訊かれましたが、結局は政府の説明不足で国民が感情的に反発しているだけという認識のようです。しかも、この制度で7割の人が保険料負担が軽くなっているなどという厚生労働省の恣意的な説明をそのまま引いてこの制度を続けることを表明しました。

消費税上げ議論、3年凍結=食品は非課税も-麻生自民新総裁会見
(時事通信電子版 2008/09/22-20:36)

 自民党の麻生太郎新総裁は22日夕、党本部で就任の記者会見を行い、消費税について「景気がそこそこ良くなるまで3年くらいかかる。増税を考えるのはそれから先だ」と述べ、税率引き上げの議論を最低3年は凍結すべきだとの考えを明らかにした。

 麻生氏はまた「いきなり10%に上げるのかというのが率直な実感だ」と述べ、段階的に10%に引き上げるのが望ましいとの考えを表明。同時に「食べる物はゼロでもいい。税率は2種類あっていい」と述べ、食料品を非課税とする可能性にも言及した。

 また、後期高齢者医療制度に関し、麻生氏は「(導入を決める時に)年齢で区切るのは難しい(と感じた)」と明かした上で、「真剣に分かりやすい説明を時間をかけてやる」と強調。さらに「民主党は廃止しろと言うが、7割の人(の保険料)が安くなっている」と、廃止に否定的な考えを示した。

 しかしこの制度は、厚労省の担当者が「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自らの感覚で感じとっていただくものだ」と述べ、また自民党の西島英利参院議員が2006年の国会で、後期高齢者には「積極的な医療よりは『みとり』の医療を中心にした新しい診療報酬体系をつくっていけば、それに対してまさしく医療費の適正化が行われる」と述べた通り、医療費の「適正化」、つまりは医療費の抑制を目的として導入されたものです。実際にも、厚労省はこの制度の導入などにより、75歳以上にかかる医療費を2015年度に2兆円、25年度に5兆円抑制できると試算しています。

 有り体に言えば、人は75にもなれば、碌な労働力もなく社会の役にも立たないのだから、そのような者に医療費を掛けるのは無駄遣いであり、死ぬに任せておけばよい、これが後期高齢者医療制度の本質です。これが人間らしい考え方と言えるでしょうか。怒り反発するのが当たり前です。これに対して説明不足だなどと言うのは、ごまかし方が足りなかったと言っているに等しいものです。

 無駄遣いを言うなら、年間5兆円にも上る軍事費をまずやり玉に挙げるべきでしょう。条約上の義務でもないのにアメリカ軍へは「思いやり予算」として年間2,500億円も出しています。これに対して、社会保障費はさしたる根拠もなく機械的に毎年2,200億円ずつ削っています。実際、今度の総裁選に立候補した与謝野馨氏は、最近の雑誌で、「率直に申し上げて、2,200億円というのは紙の上で『エイヤ!』と切ったもので、実証的に検証した数字ではない」と述べています。

 さらに、アフガニスタンの給油活動にはこれまでに1,500億円も使っています。

 加えて、政党助成金に毎年320億円。こういう無駄遣いをこそまず削るべきでしょう。

 消費税に関して言えば、社会保障の財源として、消費税しかないように考えること自体が間違いです。こういう恥ずべき考え方を就任の記者会見で滔々と述べること自体が、政治家失格と言うべきでしょう。

 なぜ19兆円の利益(1990年度)を33兆円(2006年度)へと1.7倍に伸ばしている大企業の税金が横ばいのままでいいのでしょうか。トヨタ自動車に至っては、ほぼ同じ時期に2.2倍に伸ばしているのに税金は0.8倍へと減っているのです。また大銀行大手13社を見てみると3兆円近くの利益を上げながら税金は1,200億円にもならないのです。税率わずか4%!

 払うべき者が払ってないのです。大企業に限って脱税を合法化しているようなものです。これを野放しにして財政が成り立つ訳ありません。

 麻生氏が政治家としてまた首相としてやっていきたいのなら、日本と日本国民の現実を見てそれに向き合うことから始めなければなりません。

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 麻生氏の記者会見の後期高齢者医療制度と消費税の部分を毎日新聞電子版から全文引用しておきます。その主張内容と共にその人となりを窺うこともできますね。

 ◇後期高齢者医療制度「説明に時間を」
(毎日新聞電子版 2008年9月22日)

  昨日(21日)のテレビ番組で、後期高齢者医療制度の見直しについて言及された。75歳という区切りの見直しについても触れたが、具体的な制度設計があればお聞かせください。

 僕は、基本的には、そもそも(制度が)できた経緯というのをよく知らないんですが、この話は政調会長のときにいくつかの話があったあれの一連のずーっと関連で見直す、5年後ねという話もあったが、あのときには市町村がやることになっていて、この説明はオレが言っても分からないぐらいだから、なかなか分からないよとこんなのと。従ってこの話は誰がしてくれるのか、現場の人たちに誰が説明するの、と聞いたら市町村でやるという話だったのが、いつのまにか広域連合ということになって、説明がはなはだ不十分のままばーんと出て。何となく説明不足、加えて結構難しい。

 あれ1回読んですぐ分かるようになってないね。あなた読んだことあるか知らないけど、IQどれだけ高いか知らないけど、なかなか難しいよ、あの文章は。おれ正直言って2回読んだんだ、あれ。それでちょっと待てと、これなかなか分かんないんじゃないかと。制度自体がまるまる悪いというわけでないが、これはなかなか理解がされないのではないか、従って5年あるということで説明はきちんとすること、と言ったんだけど、外務大臣やら何やらやっている間に何となく説明をする人たちが実は説明をしていない。した所もあるのだそうだけど、説明をしていないところの方が多い。従って何となく、いかにもいかにも、天引きっていえばよーく説明をきけば理解できないことはないけど、ある日突然に自分の分だけカネが引かれた、ということになりかねない。会社の社員の組合費だってチェックオフであらかじめ天引きされているだろ。あれ、組合が組合費を集めたらどれくらい集められるかって。オレぜひ聞いてみたいと思ったことが社長のときにあるんだけど。コスト削減という点でいえば天引きって分かりやすいし、しかし、いざ引かれる側にしてみれば、説明不足で引かれればいかがなものか。これが二つ目。

 三つ目はね、あのとき確か言ったのは、75(歳)っていうけどね、と、確かあの人はお役人にも説明したと思うんだけど。当時確か、相沢英之(衆院議員)、80いくつの人がだよ、どう考えたってオレより元気と。少なくともそばにいた誰かをつかまえて、「アンタより相沢さんの方が年が17、8上だけど、どう考えたって相沢英之の方が元気」と言った。その例を引いて。年齢で切っちゃうのはいかがなものかいなと。従ってこれはどちらを取るにしても少なくとも年齢である日一定で切るということになると、組合、いわゆる会社でいう厚生年金に入っていたり、いろんな年金の切り方のところで。夫婦でだんなははずれていて、奥さんだけ残る、とか、いろんな形になるんで。これは年齢で切っても難しいし、また、切りようによっては、今度は夫婦でやっているところは夫婦の間でミシンの糸が入るのかというのがいろんな表現になってくるんで。これはきちんとした説明をするということが必要なんじゃないかという、いろんな話をした記憶はある。従って今少なくとも説明不足で一挙に来ていますから、そのうえで強行した方がいいというところを、きちんと分かりやすい説明ができるように、少し時間をかけた方がいいのではないか、と。

 何となく、「直ちに廃止」と民主党の方は言っておられるそうですが、廃止してもいいですよ。廃止したらその代わり、今7割の人が安くなっていますからね、前より。知らないでしょう、知っている人はほとんどいませんから。7割の人は安くなっているんですよ、その人が元に戻るというのは高くなるんですよ。そしたらその70%の人にとっては「なんだ」ということになるんですよ。だからそこらのところもよーく知った上で話をしないと異様に話が混乱をするということだと思いますんで、こういったことには、受給する人の感情論に十分に配慮したということをしないと、このままただただ制度として理屈としては分かったとしても感情論としてなかなか納得しにくいということになるのではないか、これが私が言った話です。

 それで今の舛添大臣の言った話になったと思うのですが、いずれにしても今のこの話をしただけで最低でも5、6分かかるんだよね。だからこの話はきちんと説明しないと何となく「姥(うば)捨て山」って、2秒(で批判)だから。これで、楢山節考の話を読んだことがあるのか、と言った人がいるけれども、楢山節考ってほとんど若い人は読んだことがない話。だけど、楢山節考にさかのぼってこの種の話をしてもらわないと「姥捨て山」などという言葉を安易に使ってもらうのは、はなはだ心外だと私自身は思ってますよ。しかし今こういうような話になっちゃって、何となく話が単純化されたことになってますけれども、それが非常な誤解を生んでいるということを考えた上でどうするかという話が私の申し上げた真意です。

 ◇消費税増税「まず景気対策」
(毎日新聞電子版 2008年9月22日)

 消費税のことについておうかがいします。総裁選の論戦の中で3年間は上げないという発言がありましたが、社会保障の財源のためにいつごろまでに消費税を上げるお考えなのか、議論を始めるのならタイミングや環境、状況をお考えなのか。具体的なパーセントや、どのようにお考えなのかをお聞かせ下さい。

 僕は、世の中が少子高齢化する中で、世界がというか、先進国というべきかな。先進国の中で消費税という例を引けば、付加価値税とかいろんな表現あるが、間接税の話をさせてもらうと、少子高齢化は、日本は65歳以上の高齢者の比率は全人口の22%です。その人口比からいきますと、15%以上、17%とかになっている北ヨーロッパ、ヨーロッパは総じて消費税、付加価値税は高い。19、20%はざらです。日本で考えるべきは、日本の国の形として、いま消費税について考えれば、福祉の度合い、負担の度合いを考えた場合、アメリカ型の少福祉少負担なのか、またヨーロッパ型の高福祉高負担なのか、選択しないといけないと思う。

 僕は形としては、日本の場合、中福祉中負担が国民の合意じゃないかと思っている。従って、小福祉中負担はできないので、必ず中福祉中負担のかなりの部分は間接税、消費税に頼らざるをえないと思っている。そういうことを考えていった場合、今の5%をどれくらい上げるか、いつ上げるのか。一番肝心なのは今、不景気だというのを忘れられてもらっては困る。財政再建は目的でありますが、手段です。財政再建をして、どうするかです。経済のパイを大きくしないで、財政再建をやった国はありません。必ず何らかの形で経済を大きくして財政再建をしていった。(という国は)アメリカほかいくつあります。

 日本においては目先は景気対策をしないと。消費税を仮に上げた場合、記憶はないかもしらんが、橋本内閣のときに消費税のとき3%から5%に上げて5兆円、社会福祉関係で4兆円の合計で9億円、大蔵資産では9兆円の増益になるはずだった。しかし結果はマイナス4兆円、前年度比マイナス4兆円です。プラスマイナス13兆円読み間違えた。予想屋としては最悪ですな。増えるはずがマイナスになった。

 今は、間違いなく景気対策をして、少なくとも名目経済成長が、2%のものが、3%いけば最高。これがある程度続いて、いわゆる経営者側が、金を借りて投資してもいいな、設備投資をしてもいいな、消費しても大丈夫だと、経営者とか消費者がなってからでないと、うかつに上げるとあのときの二の舞いになる。これが忘れてはいけない第1点です。

 僕はどれくらい上げればいいかといえば、簡単に10%というが、いきなり10%はどうか、というのが率直な実感です。食べ物が急激に上がっているのなら、食べ物はゼロでもいい。口に入る物はゼロでもいい。食料費だから。消費税は二つ、2種類あってもいい。おかしくないんじゃない。一般のものは10、こちらのものは5とか分ける。僕は、単純に分けたほうがいいと思う。

 景気がそこそこだなと思わせるころ。全治3年と表現したのだが。3か年くらいかかるのではないか。増税とかはそれから先ではないか。ルールでは、2020年、2015年だと書いてあると思うが、そのときくらいまでに10くらいに徐々に、毎年1ずつ上げるとか、3上げるとか、それは技術的な話だが、税調のプロに考えてもらえばよろしいのではないか。流れとしてはだいたい、そういった流れかなと思っています。

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