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2008年9月の21件の記事

2008年9月30日 (火)

アメリカ下院が金融安定化法案を否決したのはそんなに間違ったことか?

20080930e  29日、ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が777ドルという史上最大の下げ幅を記録したそうですが、その原因はアメリカ下院が同日、不良資産の買い取りを柱とした金融安定化法案を否決したことだそうです。

 今の金融危機は緊急に解決されなければならないものですから、この法案に反対した議員は、自分の目先の利益のためにこの危機解決に背を向けたものとして、市場やマスコミなどから強く批判されています。

 この法案に反対した議員は、共和党では7割近く(賛成65人、反対133人)、民主党では4割(賛成140人、反対95人)いたそうですが、その賛成・反対の内実は以下のようなもののようです。

(日経 2008.09.30.夕刊2面から)

 (ポールソン米財務長官は)法案を巡る議会との協議では「金融不安に歯止めをかけないと、自動車ローンや教育ローンの貸し渋りが広がる」と説明。税金投入は金融安定を通じて、住宅ローンの借り手保護や実体経済の下支えを狙うのが目的と繰り返した。だが、自らが証券大手ゴールドマン・サックス出身だけに「税金で仲間を助けるのか」との疑念を拡大。金融の安定が経済社会の土台であることへの理解は深まらなかった。

 下院共和党で指導部に造反したのは市場原理を重視し、税金投入に反対する保守派。「民主党のペロシ下院議長の指導力不足だ」(カンター下院議員)と、公的資金ありきの法案協議に批判のトーンを高める。一方、下院民主党の造反議員は「ウォール街ではなく、普通の国民の救済が必要」として中堅層向けの景気対策を主張。同じ造反組でも、公的資金を巡る共和、民主両党議員の主張は真っ向から対立している。

 またこの議員の行動を支えるアメリカ国民の反応は、以下のようなもののようです。

米金融機関救済
米市民、賛否が交錯

「税金で救いたくない」
「他に選択肢ないから」

(日経 2008.09.30.夕刊)

 米金融安定化法案が議会で否決された二十九日、街頭の市民は政治への不信感とともに、政府が金融機関を救済することへの根強い抵抗感をあらわにした。

 「実はちょっとハッピーなんだ。へまをしたウォール街の連中を我々の税金で救いたくはないからね」。ニュージャージー州在住の保険会社社員、マイケル・クレイマー氏(26)は、法案否決を歓迎した。

 コネティカット州の中堅企業役員、エド・シー氏(49)も政府救済には反対の立場。「民主、共和両党は何も決められず、互いに非難ばかりしている。政治には失望した」と不満げだ。

 ニューヨークの男性ミュージシャン(50)は「議会は法案を通過させるべきだった」と語る。ただし、法案支持の理由は「金融機関のために自分の金をつぎ込みたくはないが、危機を乗り切るのに他に選択肢はなさそうだから……」。

 ラジオ局に勤める年配の女性は「株価が下がり、401k(確定拠出年金)がどうなるか心配。何十年も働いてきたのに、いつ引退できるか分からなくなってきた」と不安を口にした。

(ニューヨーク=中前博之)

 アメリカ政府や賛成した議員、市場関係者やマスコミの主張では、上記引用中の「金融の安定が経済社会の土台であることへの理解は深まらなかった」という書き方にも滲(にじ)んでいるように、国民の不合理な意識(感情論)とそれに迎合する議員が金融危機を深めたということのようですが、上記に引用したような反対派議員の主張やアメリカ国民の意識は、そんなにおかしいものなのでしょうか?

 僕にはそれらの主張の方が合理性あるものに思えてなりません。この合理的な主張を生かした危機対策が求められているのだと思います。

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ドイツ、フランスでの金融資本主義規制の動き―改めて強まる自公政権退場!の思い

 昨日所信表明演説をやった麻生太郎首相とは危機感が違います。真剣さが違います。こんな所からも改めて自公政権退場!の感を強くします。

 サルコジ大統領は、アメリカやイギリス、日本なんて資本主義でも市場経済でもないと言ってるのと同じことで、いかにもこの人らしい独自の考え方を開陳しているように思えますが、割と面白い言い回し・視点だと思います。

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2008年9月29日(月)「しんぶん赤旗」

金融資本主義の規制を

世界規模の対策提案
独財務相

 【ロンドン=岡崎衆史】ベルリンからの報道によると、ドイツのシュタインブリュック財務相は二十五日、金融危機について連邦議会(下院)で発言し、危機の影響で金融システムの多極化が進むと予想しました。さらに、米国の自由放任型の金融システムを酷評し、世界規模での空売りの禁止など危機再発防止のための具体策を提案しました。

 同財務相は「米国は世界の金融体制の中で、超大国の地位を失うだろう。世界の金融体制はより多極化することになる」と発言。さらに、ドルが準備通貨としての機能を失うわけではないとしながらも、「円やユーロ、元によって補われることになる」「今後十年の間に、四つの主要通貨を用いるようになる」と述べ、ドルの地位が相対的に低下するとも予測しました。

 シュタインブリュック財務相は金融危機について、「とりわけ、米国の問題」とし、「規制が極めて不十分なこの体制は、米国の金融市場に甚大な打撃を与え、他の世界にも深刻な影響をもたらした」と批判。米英両国の金融機関が異常な利益と超高額の報酬を特徴としていることについても、「ニューヨーク、ワシントン、ロンドンの投資銀行家、政治家はこれらを手放そうとしない」と非難しました。

 同財務相は、投機的空売りの禁止、失策を犯した個人に責任を取らせるためのルールづくり、銀行の資本金の増額など、危機再発を防ぐために世界規模での対策を提案しました。

市場万能主義を批判
仏大統領

 【パリ=山田芳進】サルコジ仏大統領は二十五日、南仏トゥーロンで演説し、現在の金融危機を引き起こした「責任者」を見つけ出し、少なくとも財政的に「罰を与えるべきだ」との考えを示しました。

 サルコジ氏は、市場万能主義を掲げる金融資本主義を「資本主義でも、市場経済でもない」と批判。その上で、市場経済とは「発展、社会、万人のために規制された市場のこと」であり、資本主義とは短期的(な利益の追求)ではなく「長期的な成長」だと主張しました。

 同氏は、資本主義においては投機家ではなく企業家や労働の対価が優先されるべきだとして、無責任ではなく「個人の責任や倫理」が求められるものだと主張。現在の金融危機は「資本主義の危機ではない。資本主義の根本的価値からかけ離れたシステムの危機だ」と述べ、資本主義そのものは擁護しました。

 また、大企業経営者や大株主が高額の報酬を得ていることに対して、「多くの乱用や汚職が見られる」と指摘。世間に受け入れられる慣行を業界が自らつくることができないのなら、「法による規制を年内に導入して解決を図る」と述べました。
一方でサルコジ氏は、金融危機を「改革」推進の契機とみなし、公共部門において来年度三万六百人をリストラする方針を確認しました。

イスラエルがアメリカ軍ミサイル防衛システムを配備

 記事をクリップしておきます。

 ミサイル防衛システムが純粋に防衛目的のものではなく、攻撃をより確実に行うものであることが明からさまに語られています。

 イスラエルが真剣にイラン攻撃を狙っていることも改めて分かります。

 また、アメリカ軍が初めてイスラエルに恒久的に駐留することになるのも注目点だと思います。

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2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」

米軍ミサイル防衛システム
イスラエルが配備

 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍が米軍の支援を受け、ミサイル防衛のための早期警戒レーダーシステムを同国に配備したことが明らかになりました。イスラエル紙ハーレツニ十八日付が伝えました。

 同紙によると、同システムの配備は、今年七月にイスラエルのバラク国防相とアシュケナジ軍参謀総長らが米国を訪問した際に合意。二十七日までにイスラエル南部のネゲブ砂漠のネバティブ空軍基地に資材が移送されたといいます。

 米欧州軍の支援要員百二十人が常駐することになります。米軍がイスラエルに恒久的に駐留するのは初めてのことです。

 今回の措置についてハーレツ紙は、イランからのミサイル攻撃を想定したものだと解説。「レーダーシステムの配備は、米・イスラエル軍がイランを攻撃した場合、イランからの反撃に対するイスラエルの防衛力を高めることになる」と指摘しています。

 イスラエルがブッシュ米政権に対して、イランの核施設への攻撃承認やバンカーバスター(レーザー誘導地中貫通爆弾)の売却を要求し、拒否されたとの報道もあります。早期警戒レーダーシステムの配備は、これらの代償措置とも見られています。

2008年9月28日 (日)

映画「イヴォンヌの香り」

 パトリス・ルコント監督。

 あまり期待せずに見たのですが、意外にもグイと惹き付けられてしまいました。始まりのレマン湖の湖面の映像と流れる音楽にまず惹かれ、以後展開されるレマン湖畔の避暑地の美しい風景、主人公の男女2人の洒落ていて官能的な人物描写、それに絡む初老のゲイの医者を含めた3人の謎めいた人物描写、これらにグイグイ惹き付けられて行きました。

 男性の愛が頂点へと高まる中、女性の叔父によって女性の現実が暴かれ、男性の現実の愛に応えられない女性の裏切りが描かれます。望む愛を得られないゲイの医者は苦悩ないし諦めの中で自殺します。夢のような愛の美しさと喜びと共に、それだけでは成就できない現実の愛の困難を、抽象的・象徴的にテンポ良く美しく描いた作品と言えばいいのでしょうか。

 かなり気に入りました。

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2008年9月27日 (土)

小泉元首相が政界引退―見える「構造改革」路線の凋落

 小泉純一郎元首相が次期衆院選には出馬せず政界を引退することを表明したそうです。このニュース自体はどうでもいいことですが、マスコミに現れた世間の受け止め方には注目すべきものがあるように思いました。

 東京・神田神保町で古書店を営む男性(63)「定職のないフリーターや高齢者が生活のために本を売りにくる。こんなことは今までなかったよ」。「どれだけ日本を悪くしたか。引退は遅すぎるくらいだ」。

 同じく神保町で帰宅途中の東京都江戸川区のデザイナー(44)「壊すだけ壊し、道半ばで放り投げた感じ」。

 東京・西新宿のオフィス街で家路を急ぐ練馬区の会社員(50)「彼が首相時代にやったことのツケが今、全部回ってきてるじゃないの。医療費の負担増もそう」。

 同じく西新宿で立川市の会社員(50)「構造改革で生活は楽にならなかった。何をしてくれたのかしら。国民は浮かれすぎた」。

 東京・赤坂で港区の大学生(19)「人気はあったけど、政治家としての中身が今は何もない。辞めるべきだ」。

 大阪・ミナミの繁華街で知人を待っていた大阪市淀川区の飲食店従業員の女性(40)「良かった。あの人が今の日本を悪くした」。

 大阪市天王寺区の建築業の男性(54)「小泉首相時代に格差が広がり、庶民はしんどい思いをしている」。

 小泉元首相が実行した「構造改革」路線に対するこのような評価はついこの間までは聞かれなかったように思います。それが今はこのようにマスコミにも現れる訳ですから、ここにも「構造改革」が誤った政策であることの証明があると改めて思いました。

 実際、「構造改革」と称してやられたことは、派遣労働の自由化に象徴されるような「切り捨て自由の不安定雇用の増加」、医療・介護・年金などのどの分野にも現れているような「社会保障の切り捨て」、定率減税の廃止や保険料の値上げによる「庶民増税・負担増加」、他方で様々な減税による「大企業・大資産家の減税」といったことでした。纏(まと)めれば、「国民の税金・負担を増加させることによって、大企業の税金・負担を減少させる」という極めて単純な政策だったのです。その結果、国民1人1人の生活と人生がとてつもない困難を抱え込むことになり、しかも、そればかりでなくアメリカの経済が傾けばそれに連動して傾いてしまうような極めて弱い経済体質が作られてしまいました。

 「構造改革」が誤った政策であることは明白だと言うべきです。

 ところが、今朝の日経に依れば、麻生太郎首相は29日に予定されている所信表明演説で、(1)当面は景気対策(2)中期的には財政再建(3)中長期的には改革による経済成長、という3段階で日本経済の立て直しの取り組むことを表明するそうです。中長期的には「構造改革」を推進すると言うのです。言い換えれば、中長期的には「国民の生活をさらに困難なものにすることによって、大企業の利益を増やす」という政策を実行するということです。

 大企業には当たり前の責任を果たさせ、国民生活の負担と困難を減らし、家計・内需の増大を通じて強靱な日本経済を作り上げていくようにする以外に道はありません。

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 最初の引用の元になった毎日と朝日の記事を引用しておきます。

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2008年9月25日 (木)

安藤たい作ニュース74号「区民の暮らし守る区政へ転換を/25日から定例議会スタート、来月6日からは決算審議が始まります」

Andounews0074    「安藤たい作ニュース74号」(PDF)

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やはり何も見えてない麻生太郎新首相

 昨日麻生太郎氏が新たな首相に選ばれ組閣しました。確か安倍晋三氏のときにも言われた「お友達内閣」に似てます。

 とりあえずの正直な感想として、1つには、どうも今の自民党が置かれている危機的状況が分かってないから、こういうおめでたいことができるのでしょうか。

 もう1つは、日本の侵略戦争は正しかったと言い張っている人達には、狭い世界しかないのでしょうか。

 何だか哀れな気すらして来るほど、今国民に降り掛かっている問題に無感覚な選任だと思います。

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2008年9月24日 (水)

映画「ヘヴン」

 トム・ティクヴァ監督。クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピエシェヴィッチ脚本。

 クシシュトフ・キェシロフスキ氏の遺稿脚本を映画化したものだそうなのでそのうち見ようと思ってましたが、たまたまテレビ放映されたので見ました。

 ご本人が監督した訳ではないのであまり期待してませんでしたが、割といい作品でした。当たり前ですが、ストーリーとテーマはいかにもキェシロフスキさんらしいもので気に入りました。人生を終える覚悟で復讐を遂げようとする女性(ケイト・ブランシェット)を、彼女に愛を感じた男性(ジョヴァンニ・リビージ)が手伝ってその復讐を遂げさせ、またその男性の彼女への一途な愛が彼女を救済すると言えばいいのでしょうか。

 ケイト・ブランシェットさんとジョヴァンニ・リビージさんが演技を見せてくれます。また映像も、前半のトリノの街も独特の雰囲気ですが、後半のトスカーナ地方の風景が素晴らしいものでした。

 ただ、やはりご本人が監督したものとは違う訳で、そこに今一つの物足りなさを感じたのかもしれません。

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2008年9月23日 (火)

国民の現実を見てない麻生太郎・自民党新総裁―後期高齢者医療制度・消費税

 盛り上がりを欠いたまま終わった自民党新総裁選び。誰もが予想した通り麻生太郎氏が選ばれました。20日には舛添要一厚生労働相が後期高齢者医療制度の見直しを表明して21日付日経社説でも「総裁選をにらんだすり寄りとみられても仕方がない」と批判されました。

 さて新総裁となった麻生氏、就任の記者会見でこの後期高齢者医療制度の見直しについて訊かれましたが、結局は政府の説明不足で国民が感情的に反発しているだけという認識のようです。しかも、この制度で7割の人が保険料負担が軽くなっているなどという厚生労働省の恣意的な説明をそのまま引いてこの制度を続けることを表明しました。

消費税上げ議論、3年凍結=食品は非課税も-麻生自民新総裁会見
(時事通信電子版 2008/09/22-20:36)

 自民党の麻生太郎新総裁は22日夕、党本部で就任の記者会見を行い、消費税について「景気がそこそこ良くなるまで3年くらいかかる。増税を考えるのはそれから先だ」と述べ、税率引き上げの議論を最低3年は凍結すべきだとの考えを明らかにした。

 麻生氏はまた「いきなり10%に上げるのかというのが率直な実感だ」と述べ、段階的に10%に引き上げるのが望ましいとの考えを表明。同時に「食べる物はゼロでもいい。税率は2種類あっていい」と述べ、食料品を非課税とする可能性にも言及した。

 また、後期高齢者医療制度に関し、麻生氏は「(導入を決める時に)年齢で区切るのは難しい(と感じた)」と明かした上で、「真剣に分かりやすい説明を時間をかけてやる」と強調。さらに「民主党は廃止しろと言うが、7割の人(の保険料)が安くなっている」と、廃止に否定的な考えを示した。

 しかしこの制度は、厚労省の担当者が「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自らの感覚で感じとっていただくものだ」と述べ、また自民党の西島英利参院議員が2006年の国会で、後期高齢者には「積極的な医療よりは『みとり』の医療を中心にした新しい診療報酬体系をつくっていけば、それに対してまさしく医療費の適正化が行われる」と述べた通り、医療費の「適正化」、つまりは医療費の抑制を目的として導入されたものです。実際にも、厚労省はこの制度の導入などにより、75歳以上にかかる医療費を2015年度に2兆円、25年度に5兆円抑制できると試算しています。

 有り体に言えば、人は75にもなれば、碌な労働力もなく社会の役にも立たないのだから、そのような者に医療費を掛けるのは無駄遣いであり、死ぬに任せておけばよい、これが後期高齢者医療制度の本質です。これが人間らしい考え方と言えるでしょうか。怒り反発するのが当たり前です。これに対して説明不足だなどと言うのは、ごまかし方が足りなかったと言っているに等しいものです。

 無駄遣いを言うなら、年間5兆円にも上る軍事費をまずやり玉に挙げるべきでしょう。条約上の義務でもないのにアメリカ軍へは「思いやり予算」として年間2,500億円も出しています。これに対して、社会保障費はさしたる根拠もなく機械的に毎年2,200億円ずつ削っています。実際、今度の総裁選に立候補した与謝野馨氏は、最近の雑誌で、「率直に申し上げて、2,200億円というのは紙の上で『エイヤ!』と切ったもので、実証的に検証した数字ではない」と述べています。

 さらに、アフガニスタンの給油活動にはこれまでに1,500億円も使っています。

 加えて、政党助成金に毎年320億円。こういう無駄遣いをこそまず削るべきでしょう。

 消費税に関して言えば、社会保障の財源として、消費税しかないように考えること自体が間違いです。こういう恥ずべき考え方を就任の記者会見で滔々と述べること自体が、政治家失格と言うべきでしょう。

 なぜ19兆円の利益(1990年度)を33兆円(2006年度)へと1.7倍に伸ばしている大企業の税金が横ばいのままでいいのでしょうか。トヨタ自動車に至っては、ほぼ同じ時期に2.2倍に伸ばしているのに税金は0.8倍へと減っているのです。また大銀行大手13社を見てみると3兆円近くの利益を上げながら税金は1,200億円にもならないのです。税率わずか4%!

 払うべき者が払ってないのです。大企業に限って脱税を合法化しているようなものです。これを野放しにして財政が成り立つ訳ありません。

 麻生氏が政治家としてまた首相としてやっていきたいのなら、日本と日本国民の現実を見てそれに向き合うことから始めなければなりません。

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 麻生氏の記者会見の後期高齢者医療制度と消費税の部分を毎日新聞電子版から全文引用しておきます。その主張内容と共にその人となりを窺うこともできますね。

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2008年9月22日 (月)

映画「接続 ザ・コンタクト」

 チャン・ユニョン監督。

 これもチャン・ドヨンさん目当てで見た作品。古い恋で傷を抱えた2人がネットのチャットで知り合い、気持ちを深め合って最後には出会うというよくある物語ですが、なかなかしゃれた撮り方をしており、また2人の屈託のある様子が割とよく描かれていて、とてもいい作品でした。男役のハン・ソッキュさんはもちろん、女役のチョン・ドヨンさんがとてもいい雰囲気を出してます。この人は、「シークレット・サンシャイン」でもそうでしたが、何か割り切れないものを抱えながら生きている役が一番いいかもしれません。もう11年も前の作品ですが、お勧めです。

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2008年9月19日 (金)

黄昏時の「新自由主義」に終焉を―友寄英隆「『新自由主義』の黄昏」、「グリーンスパン回顧録とドル離れ」

 久方振りの友寄英隆さんの「経済時評」の引用です。今の僕の認識・気持ちにピッタリ来るものがあったので。

 1つは、ヘッジファンド(プラチナムグローブアセットマネージメント)のマイロン・ショールズ会長の講演を引きながら、「新自由主義」派の経済学には、現実に起こっている矛盾や危機の原因を探求する思考のチャンネルがない、社会科学としての方法が欠如していると述べている点です。

 僕は経済学をきちんと勉強している訳ではないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、1979年にサッチャー首相が登場し、1981年にレーガン大統領が登場したときには、何て馬鹿馬鹿しい経済政策を、どうしてこうも自信ありげに言えるのかと素朴に思ったものです。そこには知性・理性の欠落しか感じ取れなかったのです。そのような政策を世界に冠たるイギリス・アメリカの政治家のトップが堂々と口にするのは、途方もない腐敗・堕落としか思えませんでした。このような経済と政治は長続きしないだろうとも思いました。

 しかし現実には、この政治と経済は世界を支配し、今も続いています。意外でした。しかし、ここに来てやっと、世界中で大きな抵抗を様々な形で受け始めました。

 一体なぜこんなにも長続きしているのか?僕には分かりません。

 しかし、ともかく、「新自由主義」がこんなにも世界を席巻しても、やはり僕は、この「新自由主義」には知性・理性の欠落と腐敗・堕落しか感じられないのです。今年の1月にはアラン・グリーンスパン氏(1987年~2006年のFRB議長)が日経に「私の履歴書」を書いていましたが、そこには観念的な意味での自由をキーワードとするイデオロギーしか感じられませんでした。コロンビア大学教授のジョセフ・E・スティグリッツ氏は「新自由主義的市場原理主義は、常にある特定の利益に奉仕する政治的学説である。それは、決して経済理論によって裏付けられたものではない」と述べているそうですが、まさにその通りだとしか思えません。

 2つ目は、それにも拘わらず、そう簡単にこの「新自由主義」が終焉を迎える訳ではないと述べている点です。「新自由主義」が主要な資本主義国の経済を支配し、その政治的支配層と深く結びついているからです。政治の中身を根本的に変革する活動の発展と結びついてのみ、この愚かなイデオロギーたる「新自由主義」に終焉を迎えさせることができるのではないでしょうか。同じく愚かなイデオロギーを体現してきたソ連を崩壊させたような、大きな政治変革活動が求められていると思います。

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 友寄さんの「経済時評」の中から、2008年9月17日付けの「『新自由主義』の黄昏」と、2007年11月30日付けの「グリーンスパン回顧録とドル離れ」を引用させてもらいます。

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2008年9月18日 (木)

安藤たい作ニュース73号「どの子も大切にされる教育を/『東京で30人学級を実現する品川連絡会』結成集会が開かれました」

Andounews0073    「安藤たい作ニュース73号」(PDF)

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2008年9月17日 (水)

映画「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956」

 クリスティナ・ゴダ監督。

 1956年のハンガリー事件を描いているというので見ました。オリンピック出場の水球選手と、ソ連によるハンガリー支配に抵抗する学生運動の中心人物たる女性との恋愛を軸に、ハンガリー事件とメルボルンの流血戦という史実を描いています。歴史的事実を忠実に描いてあると思われ、とても感動的な作品でした。

 今の目で見ると、抵抗する国民の、支配者たるソ連やハンガリー国内の権力者に対する見方や国際情勢の見方にかなりの甘さを感じざるを得ず、見ているこちらはある種の悔しさを禁じ得ないのですが、さしたる方針や理論がないにも拘わらずあれだけ多くのハンガリーの人達が立ち上がる所に、已むに已まれぬ思いが感じられ感動的です。

 ただ、いかにもハリウッド的と言うかアメリカ的と言うか、適切な言葉が思い浮かびませんが、そういった風な描き方がしてあって、当時のハンガリーやハンガリー人の状況や気持ちを描き切っているかと言うと、どうもそうではないだろうという疑念がぬぐえません。ソ連に対抗ないし対置するものと言えばアメリカないしアメリカ的自由だろうという単純化された先入観が制作者の側にあって、却ってリアリティーを削いでいるのではないかと思われてなりません。

 このような先入観にとらわれている限り、ソ連に対する批判も不正確なものとなり、従って極めて不十分なものになってしまうと思いますし、何よりもハンガリーないしハンガリー人そのもの、あるいはハンガリーの歴史そのものを歪めることになるような気がするのです。ソ連に対置すべきものは、アメリカではなくハンガリーであるはずです。

 「存在の耐えられない軽さ」のような駄作とまではもちろん思いませんが、残念な点でした。

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映画「初恋のアルバム -人魚姫のいた島-」

 パク・フンシク監督。

 これもチョン・ドヨンさん目当てで見た作品。彼女が娘とその母親の若いときの一人二役を演じているので、その演技が楽しめます。自分が嫌っている両親の若いときの恋愛の様を、タイム・スリップして見てしまうという筋立てで、心温まる作品になっています。

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映画「スキャンダル」

 イ・ジェヨン監督。

 チョン・ドヨンさんが見たくて見た作品。日本公開のときはペ・ヨンジュン主演とか、官能的ということが強調されていたように思いますが、実際に見た印象は恋愛をテーマにした普通の映画というものでした。ペ・ヨンジュンさんは意外とお似合いの役だったように思います。僕自身の好みのストーリーでもテーマでもありませんが、意外と良くできた作品だと思いました。

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2008年9月11日 (木)

ロシアは、南オセチア・アブハジアの「独立」承認を撤回せよ

 グルジアに軍事侵攻したロシアは、グルジア領内からある程度軍隊を撤退し始めると共に、南オセチア・アブハジアというグルジア領内の2地域の「独立」を既成事実化し始めているようです。ロシアはこれら2地域との「外交関係」樹立の文書を交換し、友好協力・相互援助条約案で合意したそうです。

 しかし、ロシアの軍事侵攻はもちろん、2地域の「独立」の一方的承認は、主権・領土保全という国際法の原則に反するものです。とうてい許されるものではありません。

 しかも、ロシアのメドベージェフ大統領が、8月18日に、「(帝政)ロシア、ソ連、そして新生ロシアが自分から軍事攻撃を仕掛けた例は実際上ない」と演説して、帝政ロシアやスターリン以後のソ連が行った数々の領土膨張主義、軍事的覇権主義の歴史をゆがめ、美化していることを、合わせ考えると、これらのロシアの行動の危険性は極めて重大なものだと考えざるを得ません。

 ロシア軍のグルジアからの撤退はもちろん、2地域の「独立」承認を撤回させるべく、国際社会が力を合わせて行くことが強く求められています。

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 最近の新聞記事や、しんぶん赤旗の解説、日本共産党の志位委員長の発表した見解などを引用しておきます。

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2008年9月10日 (水)

「生活が苦しい」世帯、過去最多の57%、なのに、与党PTは「後期高齢者」、名称変更へ法改正検討

 とりあえず、ネットで目にした記事の引用だけ。

 「名称」でなくて、「中身」が問題でしょう?!普通の国民の中で、実際に何が問題になっているのか、自民・公明の与党は何も分かってない、このことを示す、たまたま目にした新聞記事です。

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「生活が苦しい」世帯、過去最多の57% 国民生活基礎調査
(日経電子版 2008.09.10 02時22分)

 厚生労働省は9日、2007年の国民生活基礎調査を発表した。暮らしの状況を総合的にみてどう感じるか聞いたところ「苦しい」と答えた世帯割合は57.2%と6年連続で過去最高を更新した。10年連続で回答の過半数を占めた。

 調査は無作為抽出した全国の世帯を対象に07年6月と7月に実施した。

 06年の1世帯当たり平均所得金額は前年と比べ0.5%増の566万8000円で2年ぶりに増加に転じた。1989年(566万7000円)とほぼ同じ額。65歳以上の高齢者のいる世帯は1925万9000と86年の調査開始以来初めて全世帯の40%に達した。一方で、子どものいる世帯は1249万5000と前年と比べ3.6%減少。全世帯に占める割合も26%と低下傾向が続いている。(02:22)

悪評「後期高齢者」、名称変更へ法改正検討 与党PT
(朝日電子版 2008年9月9日)

 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の見直しを進める自民・公明の与党プロジェクトチーム(PT)で9日、名称変更の議論が交わされた。当事者から評判の悪い「後期」を外すという意見や、名称そのものを変えるという案も出されたという。

 4月の制度開始時に福田首相の指示で急きょ、「長寿医療」との通称をつけたが、定着していない。PT座長の鈴木俊一・自民党社会保障制度調査会長は「後期高齢者という名称に、いまだに色々ご指摘がある」。名称変更には法律改正が必要だが、「(変更の)用意がある」と語り、次の臨時国会で改正法案の提出も視野に検討を続けるという。(中村靖三郎)

2008年9月 7日 (日)

映画「ハッピーエンド」

 チョン・ジウ監督。

 チョン・ドヨンさんの演技を見たくて見た作品。「我が心のオルガン」と同じ時期に撮られてる作品ですが、全く異なった彼女を見られます。

 ただ作品自体には今一つの感を持ちました。チョン・ドヨン演じる妻とチュ・ジンモ演じる恋人の不倫に夫のチェ・ミンシクが絡んでくるのですが、もう一つ描き切れてない気がしました。チェ・ミンシクさんが一番いい味を出してたかなあ。

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映画「白いカラス」

 ロバート・ベントン監督。

 原題の「The Human Stain」に対して「白いカラス」という邦題は上手い。テーマも深刻です。でも、物足りない感じがしました。主人公のコールマン(アンソニー・ホプキンズ)については一通り描いてありますが、それでもまだ薄い感じがします。ましてや相手役のフォーニア(ニコール・キッドマン)やその元夫(エド・ハリス)になると、もっと薄い感じが否めませんでした。残念。いい映画ではあります。

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2008年9月 4日 (木)

安藤たい作ニュース72号「区民運動でついに特養ホーム増設が実現/品川区『特養ホーム整備を施設整備の柱の一つに』」

Andounews0072    「安藤たい作ニュース72号」(PDF)

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2008年9月 3日 (水)

福田首相が自ら辞任してまで証明して見せた、「構造改革・投機の自由・アメリカ追随の戦争による紛争解決路線」の誤り

 福田首相が突如辞任を表明しました。ご本人は違うと言い張っていますが、誰が見ても1年前の安倍前首相の政権投げ出しと同じです。

 単なる印象に過ぎないことを敢えて率直に言わせてもらえば、福田氏は安倍氏のような子供ではなく、確かに大人でした。安倍氏は、議論の余地なく明らかな侵略戦争をそうでないと言い張り、「美しい国」などという気持ちの悪いスローガンを得々と掲げるような、世間知らずの子供でした。大人がやるものである政治を、子供に任せるなどということが土台無理なことでした。政権を投げ出すのも当然の帰結です。

 しかし、福田氏はそのような子供ではありません。立派な大人でした。

 ところが、結果は2人とも全く同じです。政権を投げ捨てた。自ら望んで与えられた仕事を、途中で放り出してしまったのです。何とも無責任でお気楽な人生です。

 このように、安倍氏の場合は本人の幼児性に政権投げ出しの原因を求めることもできたのが福田氏の場合はできないとなれば、その原因は本人ではなく仕事そのものの中身、つまりはやろうとした政治の中身に求めざるを得ません。

 政治の中身と言うなら、まず第1に、日本ではこの間貧困が増えました。誰もが多かれ少なかれ問題視するほどに増えました。経済成長の足を引っ張るほどに家計は貧しいままです。原因は不安定雇用の増大です。社会保障費の自然増を毎年機械的に2,200億円ずつ削る政治がそれに追い打ちを掛けています。日本医師会がわざわざ新聞広告で反対するほどです。不安定雇用を増大させ、社会保障を減少させている政治は、「構造改革」と呼ばれる経済政策です。

 そもそも人が物を生産して経済活動を行うのは、人として生きていくためです。それが経済活動の根本的な存在理由です。従って、貧困を増やすような経済政策(政治)は、あれこれ言うまでもなく誤った政策です。

 ところが、福田氏はこの「構造改革」という政治を絶対に捨てようとはしませんでした。誤りであることが既に実証されている政治を続けようとしても、それが無理であることは明らかです。政治を投げ出さざるを得ない所以(ゆえん)です。

 第2に、このように貧困が増えている中で、物価の高騰が追い打ちを掛け始めました。巨額の投機活動を放置しているためです。白川方明日銀総裁は、昨日も、「新興国の高成長という世界経済の構造変化」に原油高の原因を求める講演をしたようですが、投機マネーを原因から落とすのは政治的発言と言うべきでしょう。

 福田氏も白川氏同様投機マネーを野放しのままにしようとしました。これも無理な政治と言うべきです。無理なことを続けようとしても投げ出さざるを得ないのです。

 第3に、アメリカが行うアフガニスタン戦争への給油支援を続けようとしました。アフガニスタンとアメリカの行う戦争をリアルに見ないままアメリカに軍事的に追随するからです。アフガニスタンの現実が求めているのは、戦争ではなく、政治的・外交的な和平プロセスですし、貧困や飢餓をなくす民生支援です。これはこの間のアフガニスタンの政治家の発言からも明らかです。

 福田氏はこの点でも無理な政治を続けようとしていた訳です。

 こうして、このような3つの政治にこだわる限り、結局は政治を投げ捨てる以外に道はなく、逆に言えば、このような政治が誤りであることを、政権の投げ出しという形で証明して見せたのが、今回の福田氏の辞任なのではないでしょうか。

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