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2008年3月13日 (木)

映画「傷跡」

 クシシュトフ・キェシロフスキ監督。監督初の長編劇場用映画。1976年制作。

 ソ連とそれに追随する者達の抑圧下にあったポーランドを舞台に描かれた映画。自らの出身地である地方都市に作られる大規模な工場の監督官に任命された誠実な人物を描きます。誠実であるが故にその地の住民の意見を聞こうとし、テレビの取材にも応じたりしますが、それが時の体制・権力者の意に沿わない結果を生み、結局監督官の地位を追われ隠退生活に入ります。私生活においては妻や娘との軋轢を最初からずっと抱えたまま解決できません。

 体制批判と言うよりは、体制の中で良心を守ろうとする人間の葛藤を描きます。もちろん、体制が問題の原因である以上、それを否定しない主人公に救いはありません。しかし、ここで描かれる主人公の葛藤は、良心を捨てきれない多くの人が人生・生活の中で体験することです。従って、興味深い。

 撮影はスワヴォミル・イジャック氏が担当しています。道理で独特の魅力的な映像を見せてくれます。この人が同じく撮影を担当した「殺人に関する短いフィルム」、「ふたりのベロニカ」、「トリコロール/青の愛」、そしてこの「傷跡」、どれも映像そのものが強烈に魅力的です。

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