新銀行東京問題、2009年都議選に向け石原・自民はともかく「知事の在任中はつぶせない」のみ狙う
昨日の日経夕刊があからさまに書いています。ただひたすら責任逃れ・責任転嫁の石原都知事、来年(2009年)都議選を石原与党で戦いたい自民。新銀行東京への400億円に上る追加出資は、ただこれだけのためだ、と。
私利私欲だけを求める石原都知事と、都議選に向けた党利党略だけの自民党。こんな者達の思い通りにさせる訳には行きません。
以下に19日付日経夕刊の論評を引用しておきます。赤字は引用者によります。
展望開けぬ新銀行東京
「石原後」の幕引き視野?(日経 2008.03.19.夕刊)経営難の新銀行東京(津島隆一代表執行役)に東京都が四百億円を追加出資する議案を巡る都議会の審議が後半戦に入った。都は増資による再建が「最も都民負担が少ない」と強調するが、延命後の展望は見えない。議会側も知事の責任追及には及び腰だ。
■■
「提案者として取るべき(責任)は都民に役に立つ銀行として再生させることだ」
石原慎太郎知事が就任後最大のピンチを迎えている。自ら設立を主導し、昨年春の三選時には「二年で立て直す」と公約した新銀行東京の行き詰まり。都議会では「追加出資はしない」とこれまで明言していた石原知事への批判が相次ぐが、知事は自らの発言など意に介する様子もない。
経営責任はトヨタ自動車出身の仁司泰正元代表ら旧経営陣に押し付け、一万三千社に上る取引先の支援を盾に突破する――。知事周辺と都の元局長が代表を務める新銀行が描く筋書きだ。
都議会では自民がこの案にいち早く乗った。本格審議が始まった十一日の予算特別委員会。「物書きで言葉を大事にする知事が苦渋の選択をした」。通り一遍の質疑を終えただけで自民は追加出資を容認した。
にらむのは来年夏の都議選だ。国会で与野党対立が激化するなかで、東京では石原与党の立場で戦う。自民党が賛成に回る理由はこの一点に尽きる。同じ与党の公明党は態度を決めていないが、都議会は仁司元代表の参考人招致すら見送る体たらくだ。
都が追加出資を迫られたのは新銀行の累積損失が膨らみ、監査法人から待ったがかかったためだ。増資しないと「来年度中に自己資本比率は(国内基準の)四%を割り込む」(佐藤広産業労働局長)。
しかし、再建計画をみる限り、知事が強調する「都民に役立つ銀行」にはなりそうにない。店舗を六カ所から一カ所に減らし、昨年九月末と比べて預金は二十分の一、貸出金は五分の一に削減する。地銀中位行の規模を目指した新銀行は地方の信用金庫並みに縮む。これでは取引先も切り捨てるしかないだろう。
再建ではなく、「将来の幕引きもにらんだ事実上の撤退案だ」とみる都幹部もいる。再建計画から浮かび上がるのは「知事の在任中はつぶせない」という点だけだ。
その縮小均衡路線すら危うい。新銀行の融資・保証先の四割強は赤字や債務超過の中小企業だ。新銀行の回収不能額はすでに三百億円近くに上るが、景気減速が鮮明になるなかで不良債権はさらに膨らむ可能性が高い。
■■
新銀行の津島代表は増資後に、外資系機関との提携に乗り出す意向を示している。しかし、いざとなると責任転嫁に走る「石原リスク」がこれだけあらわになると簡単ではないだろう。
開業時の役員の多くはすでに退任し、行員数もさらに四分の一に絞る。指揮官がいくら進軍ラッパを吹いてもこれでは現場は持つまい。撤退戦ほど難しいものはない。
(編集委員 谷隆徳)
« 新銀行東京問題、開業時の都議会各会派の加担と、現在の態度 | トップページ | 新銀行東京問題、今朝の日経もよく書いてる »
「政治4(東京都1)」カテゴリの記事
- 7・18 小池晃・日本共産党演説会 @ きゅりあん(2008.07.11)
- 新銀行東京問題、今朝の日経もよく書いてる(2008.03.20)
- 新銀行東京問題、2009年都議選に向け石原・自民はともかく「知事の在任中はつぶせない」のみ狙う(2008.03.20)
- 新銀行東京問題、開業時の都議会各会派の加担と、現在の態度(2008.03.18)
- 新銀行東京問題、自民・民主・公明は議会ルールを破ってまで石原都知事の肩を持つのか!(記事追加)(2008.03.14)
この記事へのコメントは終了しました。
« 新銀行東京問題、開業時の都議会各会派の加担と、現在の態度 | トップページ | 新銀行東京問題、今朝の日経もよく書いてる »
コメント