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2008年1月10日 (木)

沖縄戦自決「軍強制」問題、教科書執筆者が引き続き検定意見の撤回を求め、今後も訂正申請

 懇談会の声明通り、「検定意見の撤回」がない限り「記述の回復」もあり得ません。

 検定意見の撤回を求めつつ訂正申請を繰り返していくことも必要です。今のままでは事実が偽られたままであることに変わりはありませんから。

 また、検定意見の撤回がないままでは、次には日本軍による沖縄住民の虐殺まで偽られるであろうことは必定でしょう。

 犯罪者達の責任逃れを許してならないのは、薬害肝炎の問題でも、一般の殺人でも、また従軍慰安婦や南京大虐殺でも、何でも変わりません。

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 各紙の記事を引用しておきます。

2008年1月10日(木)「しんぶん赤旗」

沖縄戦自決「軍強制」
記述回復まで頑張る
教科書執筆者が懇談会

 沖縄戦「集団自決」の教科書検定問題で、社会科教科書の執筆者らは九日、第四回懇談会を東京都内で開き、訂正申請の結果は「記述回復とはいえない」とする声明を出しました。検定意見と「日本軍強制」の記述を認めないことに固執した文部科学省に対する取り組みを総括し、今後、他団体と協力していく方針を確認しました。

 声明は、軍の強制を認めず、軍の責任をあいまいにした訂正申請の結果は「記述の回復とはいえないもの」であり「執筆者としてとうてい納得できるものではない」と批判。訂正申請の審議過程にも多くの不明点があったと指摘しています。

 今後も検定意見の撤回を求めていくことや、次年度以降の訂正申請でも引き続き記述の回復・改善を目指していくことを強調しています。

 石山久男・歴史教育者協議会会長は、今回の教科書は次回の検定まで六年間使われることを指摘。「記述回復まで毎年、訂正申請を出し続けることが必要」だとのべました。高嶋欣伸琉球大学教授は「訂正申請を出すことは世論の喚起につながる」と申請の意義を語りました。

 俵義文・子どもと教科書全国ネット21事務局長は「検定意見を撤回しなければ、次は日本軍による住民虐殺も事実ではないとして教科書から消し去る策動が始まることは明らかだ」とのべました。

軍強制明記へ11月再申請/執筆者ら活動継続
意見撤回求め声明
(沖縄タイムス 2008年1月10日(木) 朝刊 1面)

 【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する教科書検定問題で、教科書会社の執筆者や編集者らでつくる「社会科教科書執筆者懇談会」は九日、都内で第四回会合を開き、検定意見の撤回と「日本軍の強制」記述の明記などを求める声明を発表し、活動を継続する方針で一致した。教科書に「軍強制」を明記するため九月にも会合を開き、十一月をめどに再度の訂正申請を目指す。

 今後は名称を社会科教科書懇談会に変更し、教育関係者や市民に広く門戸を開いて存続する。

 声明では、文部科学省が昨年十二月に承認した教科書会社六社の訂正申請について「軍の強制を認めず責任をあいまいにしており、執筆者として到底、納得できない」「検定意見撤回が重要であることがあらためて示された」などとした。

 声明には教科書検定制度の改善要望も盛り込み(1)教科書調査官、教科用図書検定調査審議会(検定審)委員の人選の透明化(2)検定審の審議公開―などを求めている。

 出席者からは「検定制度を段階的に廃止する必要がある」「検定審が記述を認めない場合、学術的根拠を口頭ではなく明文化するべきだ」などの声が挙がり、声明に反映させることにした。

 二〇〇六年度検定で「集団自決」の記述に検定意見が付された五社のうち、四社の執筆者、編集者ら十五人が参加した。

 懇談会は昨年九月の初会合以降、各社の訂正申請に向けた情報交換や認識共有の場として機能してきた。参加した複数の執筆者が訂正申請前に記者会見して記述の内容を明らかにするなど、検定審議の密室性に一石を投じる役割も果たした。

 懇談会呼び掛け人で歴史教育者協議会の石山久男委員長(実教出版執筆者)は会合終了後、「これまでの取り組みの経過をまとめ、今後の課題の方向性も見えた。懇談会の活動継続の足がかりになる」と述べた。

検定教科書執筆者 撤回へ活動継続(琉球新報 2008.01.10)

 【東京】高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題で教科書出版社の訂正申請が承認されたことを受け、社会科教科書執筆者懇談会は9日夜、東京都豊島区の勤労福祉会館で4回目の会合を開いた。今後の取り組みについて議論した結果、検定意見の撤回や今回の訂正申請の審議やり直し、沖縄戦の記述回復・改善などを求めて活動を継続することを確認した。また検定制度の段階的廃止なども求めていく。文部科学省に対する訂正申請は毎年行えるため、訂正申請の再提出を目指して各社で対応を検討し、秋ごろに懇談会の次回会合を開催する予定。

 執筆者らはこれまでの検定問題の取り組みを総括し「検定意見と矛盾しない範囲内での記述しか認められていない。検定意見が撤回されない限り、訂正申請によって問題が正しく解決されるとは考えられない」との考えで一致した。

 教科用図書検定調査審議会が訂正申請審議に当たって記述の「指針」を提示したことについては「1つの歴史のとらえ方を執筆者に強制し『書かせる検定』を押しつけた。検定審、文科省の越権行為だ」と批判した。

 懇談会の世話人を務める石山久男歴史教育者協議会委員長は「本当は訂正申請の段階で懇談会を開き、執筆者で相談して対応を決めたかった。だが今日こうして残された課題や今後の方向性が確認できたことは良かった」と話した。会合には執筆者や編集者ら15人が参加した。

 社会科教科書執筆者懇談会の名称を社会科教科書懇談会に変更し、執筆者だけでなく一般人も含めた取り組みにすることも了承した。

(1/10 9:43)

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