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2007年12月 3日 (月)

生活保護・生活扶助基準を切り下げて貧困拡大を図る厚労省

 前の記事で書いたように(12月1日)、11月28日、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護との整合性に配慮する」との文言を加えるだけで、最低賃金法が日本共産党の7名の参院議員以外の全議員の賛成で成立しました。

 その賛成の不見識が早速明らかになりました。厚労省が設置した「生活扶助基準に関する検討会」(樋口美雄座長)が、11月30日、生活保護の生活扶助基準を切り下げることを求める報告書をまとめたのです。具体的には、生活扶助基準を「国民の消費水準」から「低所得世帯の消費実態」に引き下げることを求めました。

 生活保護法は、「日本国憲法25条に規定する理念に基づき」「国が生活に困窮するすべての国民に対し」「その最低限度の生活を保障する」ことを目的としています(同法1条)。

 従って、今回の報告は、その時々の「低所得世帯の消費実態」こそが、「憲法25条の理念に基づく最低限度の生活」だと認定したことになります。

 さらに従って、改定最低賃金法により、その時々の「低所得世帯の消費実態」との「整合性に配慮」して最低賃金が決定されることになります。

 結局、その時々の「低所得世帯の消費実態」を作り出している「その時々の給料・収入」こそが、「最低賃金」であり、「生活扶助基準」であり、「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)だということになりますから、「その時々の給料・収入」が国の政治によって上がることは絶対にないことになります。

 すなわち、生活に困った国民は暴動を起こせと言っているに等しい

 国民に暴動を扇動するとは、樋口美雄氏を始めとする学者さんも、この報告を「きちんと受け止め、第一歩としてこれをもとに作業していきたい」と述べる舛添要一厚労相も、稀代の大馬鹿者と言う以外無いでしょう。

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 これを伝えるしんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

2007年12月1日(土)「しんぶん赤旗」

生活保護 減額狙う
来年度予算 厚労相が検討表明

 生活保護のうち食費、被服費、光熱水費などにあたる生活扶助基準の見直しのために厚生労働省が設置した「生活扶助基準に関する検討会」(樋口美雄座長)は十一月三十日、報告書をまとめました。低所得の夫婦と子一人の世帯や単身世帯(六十歳以上)の生活扶助費に相当する支出額が生活扶助基準より低い、などとする内容です。

 同日の記者会見で舛添要一厚労相は「きちんと受け止め、第一歩としてこれをもとに作業していきたい」とのべ、二〇〇八年度予算で生活扶助基準引き下げを検討する姿勢を示しました。厚労相の態度表明に「生活扶助より低い生活をしている低所得層の引き上げこそ求められているのに本末転倒だ」と批判の声が上がっています。

 生活扶助基準は、国民の消費水準との比較で決められてきました。ところが検討会では「低所得世帯の消費実態を踏まえた見直しを行う」(二〇〇六年度骨太方針)などをもとに、低所得層との比較を問題にしてきました。夫婦と子一人の低所得世帯の生活扶助に相当する支出額は月十四万八千七百八十一円で扶助基準より千六百二十七円低いとしました。また単身世帯(六十歳以上)は、同六万二千八百三十一円で八千三百七十八円安いとしました。

 この低所得層は、金澤誠一佛教大学教授の試算によると、生活扶助基準を大幅に下回る生活を余儀なくされていました。この層より生活扶助が高いといって切り下げることは、貧困への「底抜け」を招くものです。

 また報告書は、地域における生活様式や生活水準における「地域差が縮小している傾向にある」と指摘。級地制度の見直しにもつながりかねないものです。

 生活保護制度の根幹にかかわる扶助基準の見直しを審議会ではなく、「検討会」での短時間での議論と結論をもとに実施に移そうとしていることについて、「手続き的に不備がある。凍結すべきだ」との声があがっています。

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