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2007年11月20日 (火)

「小選挙区制」=「二大政党制」から「新中選挙区制」=「一大連立政党制」へ?

 現在の衆議院議員選挙における小選挙区比例代表並立制は、1996年10月20日の総選挙から実施されました。1980年代末から自民党政治の衰えが顕著になる中、1991年に提案され、曲折を経て1994年に成立しました。

 「政権交代可能な二大政党づくり」を建前として制定されたのです。

 ところが、「二大政党」の1つたる民主党が7月29日の参院選で第1党となり、いよいよ「政権交代」によって「小選挙区制」の「建前」が現実のものになりそうになった今、今度は「小選挙区制」に代えて新しい「中選挙区制」が提案され始めました。

 すなわち、「政権交代可能な二大政党づくり」という建前は、「建前」とは言っても「基本的な方針」ではなく「表向きの方針」に過ぎなかった本当は「政権交代」なぞ目指してなかったということです。実際、森喜朗元首相は19日付の日経新聞に掲載されたインタビューで以下のように答えています。

―大連立構想の中で中選挙区制の復活という話もあったのですか。

 「当然あったと思う。今の選挙制度は中間的にやったことで、いろんな矛盾を解決していない。完全な二大政党制に集約していけば公明党や共産党などはどうなるのか。国民のために必要、ということなら中選挙区制じゃないとおかしい。小沢さんも突き詰めるとそういう(選挙制度の)問題になるという理解はあった」

 では、「小選挙区制」の「建前」ではなく「実際の結果」は何か。

 直近の衆院選たる2005年9月11日の総選挙では、小選挙区において自民党は48%の得票で73%の議席を得ました。その一方で少数政党は議席から排除されました。例えば、日本共産党は7.3%の得票で議席は0%でした。実際の民意は48:7なのに、国会の議席では73:0とされたのです。

 同じ総選挙の比例代表では、自民党の得票は38.2%、日本共産党の得票は小選挙区と同じ7.3%でした。比例代表に現れた実際の民意は38:7だということになります。衆院の480議席全部をこの割合で分けると、自民党183議席、日本共産党35議席となります。

 ところが、現在の小選挙区比例代表並立制では小選挙区300議席、比例代表180議席ですから、結局、自民党296議席、日本共産党9議席となりました。

 要するに、比例代表選挙に現れた実際の民意通りの議席配分では、自民党は183議席に過ぎないのに、小選挙区制があるために296議席を獲得し、ざっと実力の1.6倍の議席に人為的に増やされ、他方、日本共産党は、民意通りでは35議席配分されるはずなのに、小選挙区制があるために9議席しか獲得できず、実力の0.26倍の議席に人為的に減らされているのです。

 こうして、結局、一方で自民党の実際の得票・民意にそぐわない大勝利という結果を認め、他方で「政権交代」が実現しそうになったらそれを阻むという行動から見えてくる、「小選挙区制」の「本当の狙い」は、要するに自民党政治の延命、これに尽きるのではないでしょうか。

 この「小選挙区制」についてはもう少し考えてみたいと思っています。

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コメント

>「小選挙区制」の「本当の狙い」は、要するに自民党政治の延命

これによって、改憲・恒久法の制定・消費税増税などの「憲法9条と25条の危機」を進行させてはならないと思います。選挙制度改正、それから政党助成金の廃止などが課題となってきていますね。

 野沢さん、こんにちは。

 参院選で示された世論に逆らおうと相手も必死ですね。国民も日本共産党も頑張りどころです。

小選挙区制と二大政党制、政権交代との関係については、「政治改革論議」の当時から、俗論が広まっていました。故石川真澄氏らの批判も虚しく、小選挙区比例代表並立制が導入されてしまったわけです。

小選挙区制であれば完全な二大政党制になるわけでもなく、二大政党制であれば政権交代が促されるという保証もありません。
各国の選挙制度史が実証しています。

2005郵政選挙の結果がよく示しているように、政権交代を可能にするどころか、逆に阻害するのが小選挙区制です。野党全体が支持率、得票率で与党を上回っても、議席数で負けることがあるのだから、当然です。

政権交代党と自負する民主党が小選挙区制を支持していることには、致命的な矛盾があるのです。

そこを、有権者は指摘する必要があるでしょう。関連記事のトラックバックを数件お送りしました。お読みいただけると幸いです。

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