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2007年11月 6日 (火)

東中野修道氏「の解釈はおよそ妥当ではなく学問研究の成果に値しない」―東京地裁2007年11月2日・三代川三千代裁判長

 当然の判決です。この期に及んで控訴を考えるなぞ、学者どころか卑劣極まりない犯罪者と言うべきです。遅くなりましたが記事をクリップしておきます。

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南京大虐殺本「被害者と別人」 名誉棄損認定 東京地裁(朝日電子版 2007年11月02日22時48分)

 いわゆる「南京大虐殺」の生き残りとして体験を語り続けている中国人の女性を「生き残った少女とは別人だ」と指摘した書籍「『南京虐殺』の徹底検証」をめぐる訴訟で、東京地裁(三代川三千代裁判長)は2日、書籍が女性の名誉を傷つけたと認め、著者の東中野修道・亜細亜大学教授(60)と出版社「展転社」(東京都文京区)に対し、慰謝料など計350万円を女性に支払うよう命じる判決を言い渡した。

 訴えていたのは、中国・南京市に住む夏淑琴さん(78)。8歳だった37年12月、自宅に押し入った日本兵に両親ら7人を殺され、自身も銃剣で刺されたという。

 判決などによると、事件翌年に米国人牧師が現地で撮影した16ミリフィルムがあり、解説文の中に「8歳の少女」が登場する。東中野教授はこの解説文を検証して、著書で「『8歳の少女』と夏淑琴は別人で、事実を語っていない」という趣旨の指摘をした。

 三代川裁判長は、解説文中の「銃剣で突かれた」という意味の英語を東中野教授が「銃剣で突き殺された」と訳したために別人と誤って解釈したと認定。「通常の研究者であれば矛盾を認識するはずで、原資料の解釈はおよそ妥当ではなく学問研究の成果に値しない」とし、教授の指摘は「真実であるとする理由がない」と判断した。

 展転社によると同書は約8000部発行。別の出版社が英語版、中国語版も発行しているため、判決は東中野教授に、さらに翻訳版の分として50万円の支払いを命じた。

 判決後に記者会見した夏さんは「南京虐殺から70年を前にして記念すべき日で、亡くなった同胞にも一つの弔いになった。真実を述べる機会はそんなに多くない。これからも史実を語り続けたい」と語った。東中野教授は「非常に心外だ。控訴する方針だ」とのコメントを出した。

2007年11月3日(土)「しんぶん赤旗」

南京大虐殺生存者が勝訴
東京地裁 “ニセ被害者”は名誉棄損

 日中戦争中の一九三七年に日本軍が起こした南京大虐殺で生き延びた中国人女性が、ニセ被害者と決めつけられ、名誉を傷つけられたと訴えている問題で、東京地裁(三代川三千代裁判長)は二日、「原告の名誉を棄損し、名誉感情を著しく侵害」したとして、被告に四百万円の支払いを命じました。

 訴えていたのは当時、家族七人を殺され、自身も銃剣で刺された夏淑琴さん(78)。夏さんを「南京大虐殺のニセ証言者」とした東中野修道・亜細亜大学教授と出版社の展転社(東京都)に千五百万円の損害賠償などを求めていました。

 東中野教授は著書『「南京虐殺」の徹底検証』のなかで、「銃剣で刺した」と訳すべき英語を「銃剣で突き殺した」と誤訳。“夏淑琴さんにあたる八歳の少女は殺されて存在しないはず”と主張していました。

 判決は、普通の読者であれば、夏さんが虚偽の証言をしていると理解するであろうとの見方を示し、「原告はいわゆる南京事件の生存被害者として広く知られた人物であるから、(著書の記述は)原告の名誉を棄損するものであり、原告の名誉感情を著しく侵害する」と判断しました。

 英語の誤訳について、「解釈はおよそ妥当なものとはいえず、学問研究の成果に値しない」と批判しました。

 記者会見で原告側弁護団は「(南京大虐殺の)否定派の代表的な論客である東中野氏に対し、裁判所が断を下したといえる」と評価しました。

“歴史の事実語る” 原告

 「やったー」「学者の研究態度のあり方に踏み込む画期的な判決だ」―。二日、南京大虐殺・夏さん名誉棄損裁判判決で、原告団「勝訴」の旗が掲げられた東京地裁門前は、約六十人の支援者の歓声に包まれました。

 その場で急きょ行われた報告会では、「南京への道・史実を守る会」の会員は「ほぼ全面勝利の内容です。うれしい。感無量です。少しでも(歴史の事実を)埋め合わせることができました。支援する人の苦労が報われた感じです」と、判決への確信を語りました。

 判決後の記者会見で、原告の夏淑琴さんは「来月は事件が起きてから七十年。本当に私にとって記念すべき年になりました。なくなった身内や家族に、このうれしい知らせを伝えたい」と喜びを語りました。一方で「これからも歴史の事実を語り続けなければならない」と、法廷で被告の東中野修道亜細亜大学教授と、一回も対決できなかったことに無念さをにじませました。

2007年11月4日(日)「しんぶん赤旗」

南京事件70年 勝訴受け集会
史実は勝つ
原告・夏さんら 改ざん許さない

 南京大虐殺の被害者で前日の東京地裁で名誉棄損の勝訴判決を勝ち取った原告の夏淑琴(かしゅくきん)さん(78)を迎え、「南京事件から七十年―史実は勝つ!」と題した集会が三日、東京都江東区で開かれました。約五十人の参加者はこれまでの運動を確信にし、歴史の改ざんを許さない決意を新たにしました。主催は「南京への道・史実を守る会」。

 日本軍による南京大虐殺で家族七人が殺された夏さんは「ずっと悲しみを背負ってきた」と話しました。被告の東中野修道・亜細亜大学教授の著書のなかで、ニセ被害者とされたことを知ったときは、あまり気にしなかったといいます。しかし、「死んだ家族を思い出すと怒りを禁じえなかった。私は自分の口で多くの人に体験を伝えようと思った」とのべました。

 夏さんは「(裁判で)残念だったことは私をひぼう・中傷してきた東中野氏に最後まで会えなかったことだ」と繰り返し語り、出廷しなかった同氏を批判しました。最後に「これからは戦争のない世界を求めたい。日中友好であることが私の願いです」とのべました。

 中国の談臻(だんしん)弁護士は「日本の右翼は歴史を改ざんし続け、いつか葬ることができると思っているかもしれない。しかし、それは日本の民衆を葬ることになる」とのべ、「歴史にきちんと直面し、清算することは日本の利益にかなうことだと信じる」と語りました。

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