映画「孔雀-我が家の風景-」
先日テレビでやっていたので見ました。なかなか引きつけられる作品でした。
チャン・チンチュー演じるカオ・ウェイホンの人物像に興味を引かれました。心に屈託を抱えながら、それを打開しようとするのだけど、なかなかうまくいかない。しかし、あきらめない。そう受け取れました。落下傘部隊に惹き付けられるのが彼女の心を象徴しているようですし、自転車でパラシュートを引きずる場面は思わず笑ってしまいましたが、印象的です。
ウェイホンの弟のウェイチャンが最初は一番素直そうに描いてありますが、実は心に大きな負担を感じていて結局身を持ち崩してしまいます。脳に障害のある兄ウェイクオは家族にとって大きな負担でしたが、屋台で成功したのでしょう、最後には家族で一番裕福になったようです。人生の皮肉を垣間見せます。
舞台は中国のどこにでもあるような地方都市なのでしょう。風景と映像が何か美しく印象的です。
ネット上で見た解説によれば、文化大革命が終わった1977年から80年代初頭が描かれた時代のようです(毛沢東が亡くなったのは1976年9月9日)。とすれば登場した3兄弟はほぼ僕と同世代です。でも映画を見ただけでは、僕には文革が背景にあることを感じ取れませんでした。
僕の人物に対する興味の持ち方のせいでしょうが、映画は3人それぞれを比較的対等に描いてありますが、ウェイホンを軸に描いて欲しいと思いました。
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» mini review 07033「孔雀 我が家の風景」★★★★★★★★★☆ [サーカスな日々]
カテゴリ
: ドラマ
製作年
: 2006年
製作国
: 中国
時間
: 136分
公開日
: 2007-02-17〜
監督
: クー・チャンウェイ
出演
: チャン・チンチュー、ファン・リー、ルゥ・ユウライ
1977年、文化大革命が終わり、中国は新しい時代の幕開けを迎えた。だが、地方の小さな町に家族と暮らすフェイウォンには退屈な工場での仕事があるだけで、心を躍らせるようなことは何も無かった。両親は知的障害のある兄ウェイクオを... 続き
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