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2007年10月23日 (火)

テロ特措法の中心論点は「アフガニスタンの安定・テロ根絶に何が必要か」であって、国連決議の有無・解釈でもイラク戦転用でもない!

 今国会最大の焦点と言われ、今日から審議入りしたテロ特措法問題ですが、一体政府・与党は何を議論しているんでしょうか。また野党・民主党は何を議論しようとしているんでしょうか。さらにアメリカは何を言いたいんでしょうか。

 自民・公明が歴史的大敗を喫した7月29日後、8月・9月頃は小沢一郎・民主党代表の影響で「国連によるオーソライズ」が問題となり、9月・今月は「日本の給油した燃料のイラク戦転用」ばかりが騒がれているようです。

 しかし、アメリカが2001年10月7日に「自衛権の行使」として始めた対アフガニスタン報復戦争は、テロリストたるアルカイダを支援するタリバンを叩いて「テロを無くす」ためだったはずです。日本のテロ特措法はこの「テロを無くす」ことを応援するためだったはずです。

 ところがそれからの6年間、アフガニスタン国内ではもちろん、ヨーロッパでも中東でもアジアでもテロは増大し、拡散してきました。一時は掃討されたタリバンも今ではアフガニスタンの半分くらいを支配するほど盛り返してきました。アフガニスタン国内でも世界でもテロによって殺される一般市民は増大するばかりです。

 「テロを無くす」ために対アフガニスタン戦争を6年もやり続けているのに、結局「テロは増大」している訳です。

 これは言われるがままに対アフガニスタン戦争を応援し続ければ、つまりインド洋で給油活動を継続すれば、「国の国益、国際社会に対して果たすべき責任」になると言って済ませている場合ではないということでしょう。

 「テロを無くす」ためにどうすべきか、もう1度真剣に議論すべきだということではないでしょうか。

 この対アフガニスタン戦争はアメリカ軍の作戦名で「不朽の自由作戦」(Operation Enduring Freedom / OEF)です。日本が応援してきたのはまさにこのOEFです。また与党提出の新法によって応援しようとしているのもこのOEFです。政府・与党は新法ではこのOEFの中の海上阻止活動(Maritime Interdiction Operation / MIO)に限定するから問題ないと言っています。

 そして確かに、18日に発表されたアメリカ国防総省の声明は、「日本からの給油を受けたすべての米国艦船は、OEFを支援するために日本からの給油を受けたことを確認した(The U.S. Government has confirmed to the GOJ that every U.S. ship that received Japanese fuel in the U.S. Central Command (CENTCOM) area of operations did so in support of OEF)」、「米国政府は、日本がOEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に、誠実に従ってきた(The U.S. Government believes that it has faithfully complied with its agreement with the GOJ to provide fuel only to ships involved in OEF)」、「日本が供給した燃料はすべて、OEFに参加した艦船が消費したと説明することができる(The entire Japanese contribution can be accounted for by fuel used by ships engaged in Operation Enduring Freedom)」と述べて、日本の給油がOEFのためであることを真正面から認めています。

 他方、アメリカはこの声明で「艦船は複数の任務に就くこともある(ships may be engaged in multiple missions)」とも述べています。日本政府が新法で給油はOEF-MIOに限定すると書いても、アメリカは給油を受けた艦船を他の任務に就かせるということです。

 この声明を聞いた石破茂防衛相は「唯一の同盟国である米国の表明を信頼するのは当然、政府としてあるべきこと」と述べたそうですが、その通り信じるべきです。確かにこれが事実でしょうから。

 しかし、だからこそ、論点は「OEFの支援の是非」になるはずです。OEFを続けてアフガニスタンを空爆し何の罪もない一般市民を巻き添えで殺害することの是非、そのためにアメリカなどに抵抗するタリバン・アルカイダにアフガニスタン人が共感することの是非、そのためにアフガニスタンでも世界でもテロがどんどん増大していることの是非等々が論じられるべきなのです。

 ところが、あろうことか福田康夫首相は16日、この点を真正面から問題にした日本共産党の小池晃参議院議員の質問にキレてしまったそうです。言うに事欠いて「いくら議論したって賛成とは言わないんでしょ。結局、そうなんでしょ」。

 短いからこれを伝える日経新聞17日朝刊の記事を引用しておきましょう。

短気の虫 お目覚め?
首相、答弁で声荒らげる

 「いくら議論したって賛成とは言わないんでしょ。結局、そうなんでしょ」。就任以来、低姿勢が売り物の福田康夫首相が16日の参院予算委員会では珍しく声を荒らげた。燃料転用疑惑をただす共産党の小池晃氏のしつこさに辛抱できなくなったようだ。

 政府・与党内の見方は「本来の短気が顔をのぞかせた」「下手に出るのは民主党相手だけ」などというもの。本人は記者団に「低姿勢ですよ、あくまでも。これで低姿勢じゃないって言うんだったらちょっとおかしい」と不満そうだった。

 小池さんの質問は「燃料転用疑惑をただす」ものでなく、「OEFの支援の是非」を問うものですから、この記事は国会での議論を偽るものですが、しかし、福田さんがこの質問でキレるということは、「OEFの支援の是非」を議論したくないということに他なりません。訊かれたくないことをしつこく訊かれたからキレた訳です。

 政治家たる者問題から逃げてはなりません。この国会では、「OEF支援の是非」こそが議論されなければなりません。報道もそこに焦点を当てるべきです。

 テロ事件はアメリカの9・11だけでなく日本でも起きました。1995年3月20日、オウム真理教が東京でサリンを撒きました。このときも「テロを無くす」ために、アメリカ軍が東京を始めとする日本中を空爆すべきだったのでしょうか。実際には日本は警察と司法で対応しました。ブッシュ大統領のアメリカと違って日本は愚かだったのでしょうか?

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 アメリカの声明、21日の志位和夫・日本共産党委員長の記者会見、小池氏の質問を引用しておきます。

プレスリリース

 この米国大使館プレスリリースは2007年10月19日に発表されました。

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

「不朽の自由作戦」に日本が供給する燃料の使用について

米国国防総省報道発表

2007年10月18日、ワシントンD.C.

 2001年12月以降、国際社会のテロに対する取り組みの一環として、日本政府は「不朽の自由作戦(OEF)」に参加する米国海軍および有志連合諸国の艦船に給油を行ってきた。これらの艦船は、OEFへの支援を含む指令のもとに活動していた。米国政府は、日本政府に対し、米国中央軍(CENTCOM)の作戦海域内において日本からの給油を受けたすべての米国艦船は、OEFを支援するために日本からの給油を受けたことを確認した。

日本が補給した燃料の追跡について

 日本が補給した燃料を、米国艦船に給油された時点から消費されるまで、任務ごとに追跡することは、以下の理由により複雑な作業となる。

  • 海上自衛隊が米国などの有志連合艦船に補給した燃料を、ほかの燃料と分けて、別のタンクに貯蔵することは行っていない。日本が補給した燃料は、その艦船の積載燃料の一部となり、ほかから補給された燃料と混ざる。
  • 海上自衛隊の燃料がまず別の補給艦に給油され、そこからほかの艦船に給油されることは、海軍作戦行動においては一般的であり、その場合、用途を説明する作業はさらに複雑になる。
  • 加えて、艦船は複数の任務に就くこともある。

 米国政府は、日本がOEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に、誠実に従ってきたと考えており、提供している情報がこれを裏付けるものと考える。

全体的な消費量

 日本の燃料供給量を上回る量の燃料が、OEFの任務のために消費された。日本が供給した燃料はすべて、OEFに参加した艦船が消費したと説明することができる。

  • 日本の海上自衛隊の補給艦によるすべての給油活動は、日本がOEFの支援活動を行うと設定した海域内で行われており、同海域はその全域が米国のOEF作戦海域に含まれている。また、海上自衛官が給油任務の割り当てについて米国側要員と緊密に連携し、適切な任務を行う艦船のみが日本から給油を受けることを確保することができた。
  • 日本による米国海軍艦船への給油開始からイラク戦争開戦の前月末までの期間に当たる2001年12月から2003年2月末まで、海上自衛隊は、米国など有志連合艦船に対し、約7400万ガロン(74,115,281ガロン=実数、2億8052万6340リットル)の燃料を供給した。これは1カ月当たり約500万ガロン(4,941,018ガロン=同、1870万3790リットル)に相当する。同期間中にCENTCOM作戦海域内において有志連合艦船が消費した燃料の総量は、約4億ガロン(378,963,102ガロン=同、14億3453万3748リットル)であった。これは1カ月当たり約2500万ガロン(25,264,207ガロン=同、9563万5583リットル)に相当する。従って、海上自衛隊が供給した燃料は、この15カ月間の有志連合艦船による消費燃料の総量の19.6%を占めた。
  • これに続く55カ月間のデータによれば、海上自衛隊はこの期間中、OEFに参加する有志連合艦船に対し、約5300万ガロン(52,811,768ガロン=実数、1億9991万4617リットル)の燃料を供給した。これは1カ月当たり約96万ガロン(960,214ガロン=同、363万4811リットル)に相当する。同期間中、CENTCOM作戦海域内で有志連合艦船が消費した燃料の総量は約7億2800万ガロン(728,334,096ガロン=同、27億5704万8997リットル)であった。これは1カ月当たり約1322万ガロン(13,242,438ガロン=同、5012万8164リットル)に相当する。海上自衛隊が供給した燃料は、同期間中の有志連合艦船による消費燃料の総量の7.3パーセントを占めた。

PRESS RELEASE
October 19, 2007

Use of Japanese Fuel Provided to Operation Enduring Freedom (Department of Defense; Washington, DC; October 18, 2007)

Since December 2001, as part of the international effort against terrorism, the Government of Japan (GOJ) has been providing fuel to U.S. Navy and other coalition ships engaged in Operation Enduring Freedom (OEF). These ships were operating under instructions that included support to OEF. The U.S. Government has confirmed to the GOJ that every U.S. ship that received Japanese fuel in the U.S. Central Command (CENTCOM) area of operations did so in support of OEF.

Tracking Japanese Fuel

Tracking Japanese fuel on a mission-by-mission basis from the time it enters a U.S. naval vessel until the time it is consumed is complicated for the following reasons:

  • Fuel provided by the Japan Maritime Self-Defense Force (JMSDF) to U.S. and other coalition ships is not segregated and maintained in a separate tank. Rather, this fuel becomes part of the vessel's total fuel supply and is co-mingled with fuel from other sources.
  • The accounting process is further complicated if the JMSDF fuel is transferred first to another oiler and then to a second ship, which is a common practice in naval operations.
  • Additionally, ships may be engaged in multiple missions.

The U.S. Government believes that it has faithfully complied with its agreement with the GOJ to provide fuel only to ships involved in OEF. We believe the information provided confirms that analysis.

Overall Consumption

More fuel was consumed on OEF missions than the amount of fuel Japan contributed. The entire Japanese contribution can be accounted for by fuel used by ships engaged in Operation Enduring Freedom.

  • All refueling by JMSDF oilers occurred within the area that Japan established for its operations in support of OEF, an area that is entirely within the U.S. OEF area of operations. Additionally, JMSDF personnel worked closely with U.S. personnel in assigning refueling missions and were able to ensure that only ships conducting appropriate missions received Japanese fuel.
  • From December 2001 through February 2003, the period from the initial Japanese provision of fuel to U.S. Navy vessels through the last full month prior to the start of the war in Iraq, the JMSDF provided approximately 74,000,000 (74,115,281) gallons (280,526,340 liters) of fuel to U.S. and other coalition vessels, or approximately 5,000,000 (4,941,018) gallons (18,703,790 liters) of fuel per month. During the same period, the total fuel consumption by coalition ships in the U.S. Central Command (CENTCOM) area of operations was approximately 400,000,000 (378,963,102) gallons (1,434,533,748 liters), or approximately 25,000,000 (25,264,207) gallons (95,635,583 liters) per month. Thus, fuel provided by the JMSDF accounted for 19.6% of the total amount of fuel consumed by coalition vessels during this 15-month period.
  • Data for the subsequent 55-month period shows that the JMSDF provided approximately 53,000,000 (52,811,768) gallons (199,914,617 liters) of fuel to OEF coalition vessels during this time, or approximately 960,000 (960,214) gallons (3,634,811 liters) per month. Total fuel consumption during this same period by coalition ships in the CENTCOM area of operations was approximately 728,000,000 (728,334,096) gallons (2,757,048,997 liters), or approximately 13,200,000 (13,242,438) gallons (50,128,164 liters) per month. Thus, fuel from the JMSDF accounted for 7.3% of the total amount of fuel consumed by coalition vessels during this period.

2007年10月22日(月)「しんぶん赤旗」

テロ根絶に何が必要か
実情ふまえ真剣な議論を
新テロ特措法案国会本格論戦へ
志位委員長が会見

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 日本共産党の志位和夫委員長は二十一日、遊説先の長崎市で記者会見し、今週から始まる新テロ特措法案をめぐる本格的な国会論戦について党の基本的立場をのべました。

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軍需産業めぐる政官財癒着にメスを

 志位氏は、「この問題を考えるさいには、アフガニスタンの情勢を安定させる、テロを根絶する、そのために何が求められているか、日本は何をなすべきか、その根本からの議論がなによりも大切です」と強調しました。

 この六年間、テロにたいして報復戦争で対応したことが、軍事攻撃とテロの拡大という悪循環をつくり出し、この路線がゆきづまったというところにいまのアフガンの情勢の特徴があります。

 志位氏は、アフガニスタンのカルザイ政権自身が、武装勢力との政治的な対話による和平を追求する方向にかじを切り替えていることを指摘。「報復戦争をやめ、政治的交渉による和平を追求する。それと一体になってこそ、貧困、かんばつ対策などの民生支援も実効あるものになる。そういう環境をつくる外交努力こそいま日本はやるべきです。政治的解決の最大の障害になっている報復戦争への支援は中止すべきです」とのべました。

 政府・与党の議論の特徴について「アフガンの現状にたいする認識もなければ、テロをどうやったら根絶できるのかという真剣な吟味も対応もない。海上自衛隊の派兵、報復戦争への軍事支援にしがみつくというこの一点だけの議論だ」と批判しました。

 志位氏は、守屋武昌前防衛事務次官のゴルフ接待など軍需産業をめぐる政官財の癒着の問題についても言及。

 志位氏は、防衛省が次期輸送機CXのエンジンをゼネラル・エレクトリック(GE)社から購入するさい、守屋氏が接待をうけた業者を輸入代理店におしたという報道に言及し、「さまざまな接待の見返りに防衛政策をゆがめていたのではないかというきわめて深刻な疑惑が提起されている。守屋前次官の証人喚問は当然だ。この疑惑の究明をわきにおいて新テロ特措法案審議だけをすすめることは許されない。疑惑究明の道すじをつけることは最優先の課題だ」と強調しました。

 また、自衛隊の装備・弾薬・燃料などを受注している軍需企業が自民党に行った献金は防衛省との契約額上位十五社の合計で、一億八千六百九十万円(二〇〇六年度)で、十五社の契約額の合計は九千七十六億円となることを紹介。「巨大な癒着の構図だ。守屋氏の問題も含めて軍需産業をめぐる政官財の癒着の構造全体に徹底的にメスをいれることが必要だ」とのべました。

原爆症認定基準抜本的見直しを
志位委員長が強調

 厚生労働省が見直しを進めている原爆症認定基準について地元記者から問われた志位氏は「“被爆者が実際に体験し、現に身体に起こっている疾病・障害の事実を重視して放射線起因性を判断すべき”という立場で、認定基準を抜本的に見直すべきだ」との考えを強調しました。

 原爆症認定をめぐる問題では、申請を却下された被爆者が国の却下処分取り消しなどを求めた集団訴訟で、今年七月までに原告側の主張を認める判決が六地裁で相次いで出されました。

 志位氏は党としても十八日、厚生労働省に申し入れを行い被爆者の願いに応える抜本的な基準の見直しを提起したことを紹介。「自民党、民主党、それぞれ見直しの方向で動き出している。何としても前向きの結論を出して抜本見直しをしたい。被爆者の方は高齢化が進んでいるから一刻も早く新しい基準をつくらせたい」とのべました。

2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」

参院予算委 小池議員の総括質問(大要)
米艦への給油は空爆支援

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 日本共産党の小池晃政策委員長が十六日の参院予算委員会で行った総括質問(大要)を紹介します。

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テロを根絶するには

小池 戦争でテロはなくならず事態は悪化
外相 アフガンの暴力事件は前年比20%増
小池 日本が米艦に給油。その艦載機がアフガン攻撃 

 小池晃議員 テロ特措法にかかわってお聞きをします。

 テロはもちろん許されません。日本共産党は、一般市民を犠牲にするテロにも反対ですし、報復戦争に対しても反対であります。テロ根絶のためには国際的な司法や警察の力、世論と共同行動の発展が重要であり、テロの土壌である貧困や教育の解決にこそ力を注ぐべきだと考えます。

 最初に、外務大臣、アフガニスタンの治安情勢に関して、今年九月の国連事務総長報告IIのBの7の部分を紹介してください。

 高村正彦外相 そのまま読ませていただきます。

 反乱事案及びテロリストによる暴力の割合は、二〇〇六年と比較して少なくとも20%高くなっており、二〇〇六年の月平均事件数四百二十五件と比較して、二〇〇七年はこれまで月平均五百四十八件を記録している。

 二〇〇六年の全自爆テロ発生件数百二十三件に比較し、二〇〇七年はこれまで百件を超えている。全自爆攻撃の76%はアフガニスタンの治安部隊及び国際軍事部隊をねらったものである一方、犠牲者の多くは付近にいた民間人であった。

 二〇〇七年一月一日から八月三十一日までに百四十三名の民間人が自爆攻撃により死亡した。

 自爆攻撃は、学生、学校の攻撃、公務員、年長者、宗教者の暗殺、警察に対する攻撃等を伴い、正統政府の組織設立を妨害し、アフガニスタン政府の権威と能力に対する一般の信頼を揺るがせるために計画的かつ計算された努力という形で発生してきている。

 小池 私は、六年前、報復戦争開始直後にアフガン国境の近くまでまいりまして、米軍のクラスター爆弾で傷付いた親子に会いました。干ばつと飢餓で苦しむ人々の実態も見ました。肉親を殺された方は、「私たちはタリバンでも何でもない。アメリカはテロリストをねらっているというけれども、結果として普通の市民が殺されている。こんなことをすれば、怒りを呼び起こしてテロを増やすだけじゃないか。こういったことはますますアフガンを危険にする。やめてくれ」と口々にそう言っていました。

 総理に基本的な事実の認識をお聞きしたい。

 総理はテロ特措法制定時の国会審議の中でも、テロを根絶するためだ、絶滅するためだと、そう繰り返しおっしゃっていた。その後六年間の事実を見れば、戦争ではテロはなくならない、むしろ事態を悪化させているということじゃないですか。

 福田康夫首相 いまだ解決していないということは、これは残念なことでありますけれども、しかしアフガニスタンの社会は随分変わっているんですね。タリバンが支配していたときには、女性は外にも行けなかったんですよ。そのように抑圧された状態の中で、もう誠にひどい状況の中で国民は生活しておった。今、女性も権利を回復して、男と同じようにどこでも行ける、そしてどのような活動もできる。そういうことを考えると、やっぱり随分変わった、それは良く変わったという部分も大いにあるんだということを私は評価したいと思っております。

 小池 しかし、そのタリバンが今やアフガン国土の半分以上を実効支配する、こういう事態に立ち至っているわけですよ。こういう現実に正面から向き合わなければいけないと思います。

 アメリカによるアフガン空爆、これがさらなるテロを引き起こして、外務省が退避勧告を出さざるを得ないような、そういう状況にまで追い込んでいるんだろうと思うんです。その空爆を日本は給油活動で支援をしてきたわけであります。

 外務大臣。衆議院の予算委員会で、米軍によるアフガンへのミサイル攻撃や空爆を日本は当初給油活動で支援していたが、今は行っていないとお答えになっています。間違いありませんか。

 外相 基本的に間違いないと思います。

 小池 これは米軍の強襲揚陸艦イオウジマであります(パネルを示す)。米軍の発表では、昨年九月四日と二十二日に日本の補給艦「ましゅう」からこのイオウジマに対して給油が行われ、この九月四日と二十二日の間にイオウジマの艦載機であるハリアーがアフガニスタンに対して百三十六回の攻撃飛行を行っています。これは間違いないですね。

 石破茂防衛相 お答えを申し上げます。

 二〇〇六年当時、テロ特措法に基づきましてインド洋に派遣されておりました海上自衛隊補給艦「ましゅう」は、同年九月四日及び九月二十二日に、アメリカ揚陸艦、今先生がご提示になりましたイオウジマに対しまして燃料補給を実施をいたしております。イオウジマへの補給はペルシャ湾外で行われております。これは、私どもの航泊記録等々確認をいたしまして、ペルシャ湾外で補給をしておるということでございます。

 なお、二〇〇六年九月二十六日のアメリカ海軍ホームページを見ますと、このハリアーは九月二十一日に最後となる百三十六回目の任務飛行をアフガニスタン上空で遂行し、「不朽の自由作戦」(OEF)を支援するため、短期間ではあるが生産的な任務を終えたというふうに記録があるとおりでございます。

 小池 まさに支援してきたわけですね、こういう活動を。

 それだけではない。今やってないと言うけれども、今年に入ってからも空爆支援をやっているんですよ。

 これは今年の二月十七日の、やはりアメリカ軍の発表している写真であります(パネルを示す)。これはアラビア海上の空母アイゼンハワー、ここから攻撃機スーパーホーネットが飛び立っております。その向こうに見えるこの小さな影は、トマホークミサイルをイラク戦争でも発射をしたイージスミサイル巡洋艦のアンツィオ。アンツィオに対して日本の補給艦「とわだ」が補給している姿が写っているんです。その後ろに護衛艦「まきなみ」が見えます。

 これは二月十七日です、今年。しかも、米軍の発表によれば、この二月十七日を挟む十四日間以上、アイゼンハワー空母打撃群はアフガニスタンの空爆をやっている。二百回以上の攻撃飛行を実施しているんですね。そして、その後、三月から四月にかけては、このアイゼンハワー空母打撃群はイラク空爆も行っていると米軍は発表しているんです。

 今年に入ってからも、こうした活動がずっと続いているわけじゃないですか。アフガン空爆、そして場合によってはイラク戦争の支援もいまだに続いている。このことを認めますか。

 防衛相 私どもが補給いたしました油はOEFの目的以外には使用されていないということでございます。それは交換公文、また現地におきます確認等々によりまして担保をされておるものでございますが、なお念のためアメリカからも資料を取り寄せまして、そのようなOEFの目的に使われたということを検証いたします作業を今、鋭意進めておるところでございます。

米軍の活動の実態

小池 アフガン・イラク・海洋作戦は一体。給油目的は限定できない
外相 新法は海上阻止活動への給油に限る
小池 何の担保もない、(米軍を)ただ信頼しろという話

 小池 OEFで使われるということは、アフガン空爆に使われているということなんですよ。それが市民を殺しているという事実があるわけですよ。

 今後その給油支援はOEF―MIO(海上阻止活動)に限定するというけれども、米軍の行動というのは、そういう形になっているんだろうか。

 米軍というのは、今この地域でイラク作戦(「イラクの自由作戦」=OIF)、アフガン作戦(OEF)そして海洋安全作戦(MSO)を一体の活動としてやっているわけです。

 例をお示ししたいと思うんですが、これは、先ほど紹介した強襲揚陸艦イオウジマを中心とするイオウジマ遠征打撃群の、この間の行動です。(パネルを示す)

 イオウジマ遠征打撃群は、昨年八月二十一日に作戦海域に入って、イラク、アフガン、そして海洋作戦、三つの任務をやるんだと発表しています。先ほど申し上げたように、九月四日に「ましゅう」が給油をしています。

 その後、アフガン南部の空爆で百三十六回出撃しています。

 その後、九月二十二日に再度「ましゅう」が給油をします。その後はイラク作戦に転じているんです。艦載機のハリアーがバスラ周辺のイギリス軍部隊の支援活動をやっています。十月中旬にはイオウジマに乗っていた海兵隊の地上戦闘部隊がイラク西部のアンバル州で活動している。そして、強襲部隊員の戦死もアメリカ軍は発表をしています。まさに、イラク作戦、アフガン作戦と、形を変えながら、そしてその間通じて海洋作戦を一貫してアメリカ軍はおこなっているわけですね。

 今、盛んに日本は海上阻止行動にだけ給油するんだとおっしゃるけれども、米軍というのはアフガン作戦、時にはイラク作戦、そして海洋作戦に従事しているとすれば、日本が給油した油は海上阻止行動だけにしか使わない、こんなことできるわけないじゃないかというふうに思うんですね。

 総理、こういう米軍の活動を見れば、自衛隊が現実に行っている、そしてこれから行うことになるのは、やはりアフガンの空爆ということになってくるし、それは民間人を殺し、憎しみと怒りから新たなテロを生む、こういう行動じゃないか。こういう空爆の支援を、これ以上自衛隊が行っていく、こんなことが許されるんだろうか、総理、はっきりお答えいただきたい。

 防衛相 委員はアメリカとの戦争に加担するものだということを強調しておっしゃりたいようでございますけれども、じゃ、今現在、回数において八割がアメリカ以外、量において七割がアメリカ以外ということを、どのようにお考えになるか。それは私は事実とは違うのだろうというふうに思っております。

 なお、このテロ特措法という法律は、これはアメリカのOEF、それは(安保理決議)一三六八によって自衛権というものも確認をされておる、そのことを排除しておる法律ではないということでございます。それは法律違反でも何でもございません。

 小池 今の大臣の答弁は、OEF、アフガン空爆を今後も支援するとはっきり言っているということじゃないですか。そういうことになるんですよ、この法律はOEFの支援を排除してないということになれば。

 総理、だから言っているんです。こういう活動を続ければ、必ず、それは海上阻止行動だけじゃない、アフガン空爆に日本が加担することになるでしょうと。そういうことをこの地域で続けることが許されるんですかということに正面からお答えをいただきたいと思います。

 外相 石破大臣が言っているのは、現行の法律はOEFを排除してないと。特に最初のころはまさにOEFでうんと使われたんですよ、油が。それがだんだんだんだん少なくなってきて、海上阻止活動に使われるようになって、現在は基本的にOEF―MIO(以外)には使われていないということを私が衆議院で申し上げた。そういう状況であるから、今度の新法はOEF―MIO、海上阻止活動に給油することに限ると、こういうことを申し上げているんです。

 小池 アメリカ軍の行動は、そんなことになっていないと私は申し上げているんです。この後も次から次へと形を変えてアメリカ軍は周辺海域に入っているんですよ。ボクサー遠征打撃群、バターン遠征打撃群、ステニス空母打撃群、そしてこの七月から八月にかけてもエンタープライズ空母打撃群がこの地域に入って、MSO、OEF、OIF、三つの任務をやっていると。アメリカ軍はそういう活動を今強化している。

 こういう三つの活動を一体としてやれば、油に色は付いていないんですよ、皆さんおっしゃるように。給油すればこの活動を支援することになるじゃないかと言っているんです。

 こういうことをこれ以上この地域で続けることを認めるのかどうか、これが今度の最大の問題じゃないですか。そのことに総理はどうお答えになるのかと私は聞いているんです。総理。だから何度も総理に聞いているんですから、これぐらい総理、答えてくださいよ。

 防衛相 委員がご議論として、アメリカに対する補給を除けというふうにご提案をされるのであれば、それはそれで傾聴するに値するお話なのかしれません。

 アメリカもきちんと国連によってそれこそオーソライズ(権限付与)されたOEFという任務に参加をしている、OEFにも多くの国が参加をしている、これがどうして委員がおっしゃるようにアメリカだけの戦いというふうな評価になるのか。私どもはそのようには考えておらないところでございます。

 小池 何か先入観でおっしゃるんですが、私はアメリカだけだとは言っていないですよ、一言も、この議論を通じて。しかし、OEFの活動の中心に座っているのはアメリカである、これは紛れもない事実だと思います。

 ですから、そういう活動に対して支援をすれば、テロを拡大する最大の原因になっているんじゃないかと。やはり空爆を日本が支援するということになるじゃないですか。それが憲法九条を持つ国として許されるのかということを私は総理にお聞きしているんです。はっきり答えていただきたい。総理、答えてください。

 外相 新しい法律は海上阻止活動にしか使えないようにしているので、アメリカを我々は信頼しておりますし、小池委員は全く信頼していない、無法国家だとおっしゃっているんだと思いますが、私はそういう見解を持っていないと、こういうことです。

日本の貢献のあり方

小池 報復戦争支援を続けることは許されない。自衛隊は撤退し、人道支援を

 小池 アメリカを信頼するで済む話じゃないでしょう。これだけ国の大問題になっているときに、信頼するの一言で何の担保もなく認める議論じゃないですよ。

 総理、お聞きしているんです。答えていただきたい。こういう形で支援を続けることが許されるのか、総理、答えてください。基本的な問題なんだから、総理、総理、答えてくださいよ。

 鴻池祥肇委員長 石破大臣。後に福田総理にお答えをいただきます。

 防衛相 総理から後でお答えをいただくと存じますが、私どもは、アメリカを盲信というんでしょうか、アメリカの言うことをそのまま信じているなどということを言ったことは一度もございません。

 首相 先ほど来から聞いておりまして、何で理解をするような努力をしてくださらないのかなと、こう思っています。

 見解の相違じゃないんですか、これはいくら議論したって賛成とは言わないんでしょう、結局。そうなんでしょう。私から申し上げれば、米軍のアフガン空爆を加担しているというのではありません、これはね。そして、テロリスト掃討にかかわる国際社会の協調行動を支援しているんだということで、これはもう外務大臣、防衛大臣が答弁していることでございます。

 小池 OEFを支援すると言っているんだから、これはアフガン空爆を支援するということなんですよ。こういう活動を続ければ、まさに海上行動だけじゃない、アフガン空爆を支援することになるでしょう。米軍の中で日本の給油というのは海上作戦だけにしか使っちゃいけない、そういう指示も出ているんですか。出ていないんですよ、そんな指示は。だから、何の担保もない、ただ信頼しろという話だけです。何の証拠もないじゃないですか。

 アフガンで今一番頑張って支援活動をやっている、井戸を掘り、水路を造って支援活動を続けている「ペシャワール会」の医師の中村哲さんは、こう言っているんです。「殺しながら助ける支援というのがあり得るのか。これまで現地が親日的であった歴史の根拠の一つは、日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。特措法延長で米国同盟軍とみなされれば、反日感情に火が付き、アフガンで活動する私たちの安全が脅かされるのは必至だ」と、こうおっしゃっているんです。

 憲法九条を持つ日本がこのアフガン空爆の支援を続ける、これは許されないことだというふうに思います。

 日本共産党は、テロ特措法の延長にも新法にももちろん反対であります。直ちにインド洋からも、そしてもちろんイラクからも撤退をして、アフガン国民の立場に立った人道支援に切り替えるべきだ。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

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