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2007年8月 1日 (水)

映画「TOKKO 特攻」(追加)

 ドキュメンタリーです。1967年生まれのリサ・モリモト監督の個人的で素朴な問題意識から出発し、その問題意識と格闘しながら作られているが故に、特攻とそれをもたらしたあの戦争の真実に迫っているものだと感じました。

 当時のフィルムと写真がふんだんに使われ、また生き残った特攻隊員たちの率直な証言から構成され、また特攻攻撃を受けた元アメリカ兵の率直な証言もあって、リアルで考えさせられます。

 アメリカには特攻が自殺願望のある狂人によるものだという理解が未だあるというのは、かえってこちらが驚いてしまいますし、また現代の自爆テロについても同様の狂人によるものという理解がなされているようなのは、特攻についても自爆テロについても真実が探られるべき必要性があることを思わせます。

 他方、日本においては、特攻は無私無欲の殉難者だという、当時の戦争と特攻を推進した責任者が作り出した政治的プロパガンダが未だに信仰されている以上、やはりこのような素朴な視点から真実が追究されることが必要で有意義なものです。

 映像も証言も貴重なもので、再度じっくり見たいと思わせられました。

 今回特に印象に残ったのは、江名武彦氏が、出撃時の事故で生き残り、再び出撃すべく基地に戻る途中、たまたま被爆翌日の広島を半日見て、戦争は絶対やってはダメだという趣旨の決意を持ったと言われていたことでした。憲法9条は多くの日本人のこのような体験と決意に支えられているのだと改めて思わされました。アメリカに強く要求されるがままに憲法9条を改定しようとすることは、このような多くの日本人の痛苦の実体験と決意を根本的に踏みにじるものなのだということを僕たちは理解しておかなければならないと思いました。

 また、浜園重義氏と中島一雄氏は、戦後警察予備隊から海上自衛隊まで勤め上げた方々ですが、出撃したとき目標のアメリカ艦隊に到達する直前にアメリカ軍戦闘機に発見されて空中戦となり、ぼろぼろになって帰還せざるを得なくなって引き返したそうです。浜園氏は撃墜されなかったのはアメリカ兵の故意によるものではないかと信じているそうです。この帰投の途中2人は出撃する陸軍特攻機とすれ違うのですが、中島氏はその時「引き返せ。どうせ目標の艦隊までたどり着けない」と言いたくて仕方なかったそうです。

 この中島氏は、「なぜ天皇はもっと早く戦争を終わらせる決断をしなかったのか」とも率直に語ります。

 上島武雄氏は、特攻の命令を受けてから実家に帰ったときに、どうしてもこのことを両親に言えなかったそうです。よほどこみ上げるものがあるのでしょう、このくだりだけ上島氏は日本語ではなく英語でインタビューに答えます。

 ともかく特攻と戦争の真実に迫ろうとして成功している映画でした。

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