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2007年8月10日 (金)

テロ特措法延長をめぐって国民を恫喝する日経社説

 テロ特措法をめぐる問題で「花・髪切と思考の浮游空間」のこれお・ぷてらさんからTBを頂いた。「『読売』はジャーナリズムか。社説で『政権担当能力に疑問符』」と題する記事です。内容・リンク先共に有益ですので是非お読みください。

 さて、僕の手元にある日経新聞もやはり小沢氏を批判しています。テロ特措法は延長されなければならないというものです。理由は、アメリカのアフガニスタン侵略は国連安保理決議に基づくものだということと、この対アフガニスタン軍事行動にイスラム国たるパキスタンを引きずり込む上で日本の給油活動が不可欠だということです。

 これに対する批判は上記リンク先のこれお・ぷてらさんやゴンベイさんにお任せするとして、僕がここで問題にしたいのは、この社説の最後に「私たちはインド洋での活動の継続を必要と考えるが、民主党が延長反対を貫く場合には、参院で延長法案を早期に否決し、衆院が3分の2で再可決する時間を確保すべきだろう。そうでなければ、第1院に示された民意よりも第2院のそれが優先する結果になる」としている点です。

 この二院制・参議院をめぐる議論は今回の参院選挙以来またあれこれ論じられていますが、これが本当にうさんくさい。いずれ機会があればまとめて書きたい気がしているのですが、今回はこの日経社説に文句をつけるにとどめておきます。

 日本の二院制は、多様な民意をできるだけ忠実に国会に反映させて国民を「代表」する機関としての実態を持たせるためのものです(憲法43条1項)。そうやって国民代表制を満たしてこそ初めて「国権の最高機関」(41条)と言えるのです。任期、選挙制度、解散制度の有無を違えることによって(46条、47条)、選び方によって、また時によって様々である民意を、できるだけ国会に忠実に反映させようとしているのです。だからこそ余り強い優越性を衆議院に与えていないのです。多様な世論を忠実に反映させることによって慎重な審議をこそ求めていると言ってよいでしょう。

 最近の二院制・参議院に関する議論はこの点を何ら理解せず、アメリカと日本財界の意思だけを効率的に反映させていこうという政治的ご都合主義に基づくものと言わねばなりません。上記日経社説もそうです。

 しかも衆議院の意思だけが民意であり、参議院の意思なぞ強制的に踏みにじってしまえというもので、この度の参院選で示された民意をどうやっても踏みにじりたいという偏向した政治姿勢が露骨に表明されています。まさに「国民への恫喝」と言うべきでしょう。

 日経の同じ紙面では森喜朗元首相が、日経の「早ければ年内の衆院解散・総選挙があるとの見方も出ています」という問いかけに対し、「(任期は)あと2年間ある。解散は首相の大権で周囲がとやかく言うべきではないが、船長たるものは自滅して船が沈むようなことをやってはいけない」と答えています。

 これは今選挙をやれば自民党が負ける、つまりは今の衆院の構成は民意に反するものであるということを端無くも告白したものでしょう。

 アメリカや財界の意思によって世論を踏みにじるようなことをやってはなりません。

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コメント

ご紹介いただき、ありがとうございました。
TB&コメントがなかなかうまく通りません。

小沢氏の今回の対応は当然、思惑はありましょうが、この限りで評価すべきでしょう。ただ、言下に国連の決議しだいでは軍事行動も辞さないということを匂わせているようですね。
国会外での監視と行動が政治を動かすようにしないといけないですね。
では、また。

 わざわざご丁寧にありがとうございます。そうですね、なんと言っても世論の力次第で政治は動きますね。ブログなどの書き物の世界ではついついこれを忘れがちになります。気をつけねばなりません。

 いつも興味深い記事を読ませて頂いてます。今日も、今日のこれお・ぷてらさんの記事に関連して書こうかどうしようかと考えてました。

 何だか、ココログってTBが通りにくいんでしょうか。こちらからココログの方にTBをつけようとしてもなかなかつかないことがしばしばあります。

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階級的視点などという言葉があるが、人はそれぞれの立場や環境によってものの見方はちがう。メディアとて同じことだ。中立だとどんなに叫んでいても、たとえば政府与党に近いのか、遠いのかは相対的に決まってくる。朝日新聞と産経、読売を比較すれば、どちらが右寄りか、左寄りか、大方は一致するだろう。そこで考えたいのは、小沢氏がアメリカの要請を断ったことに関しての読売社説についてだ。ここでは2つの問題点をあげたい。その一つは、事実にもとづかない論説ということである。2つ目は、ときの権力を監視し、それが国民の利益に反し... [続きを読む]

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