世論は「二大政党制」を乗り越えて進もうとしている
前回得票(率) | 今回得票(率) | 増減 | |
自民党 | 16,797,687(30.0) | 16,544,698(28.1) | -252,989(-1.9) |
公明党 | 8,621,265(15.4) | 7,765,324(13.2) | -855,941(-2.2) |
民主党 | 21,137,458(37.8) | 23,256,242(39.5) | +2,118,784(+1.7) |
共産党 | 4,362,574(7.8) | 4,407,937(7.5) | +45,363(-0.3) |
社民党 | 2,990,665(5.3) | 2,634,716(4.5) | -355,949(-0.8) |
新党日本 | 1,770,697(3.0) | ||
国民新党 | 1,269,220(2.2) |
今回の参議院選挙の最大の特徴は、与党たる自民党が参議院第2党に転落し自公合わせた与党勢力が参議院の過半数を大きく割り込んだことにありました。選挙後の世論調査の結果にも表れているように、これは「自公政権による政治」を国民が拒絶したことを意味します。与党を拒絶した後の受け皿を民主党が担いましたが、民主党の政策が積極的に支持されたものでないことは衆目の一致する所です。
世論、すなわち国民意思が、財界によって仕掛けられている「保守二大政党制」を乗り越えて進もうとしている途上の一断面が参議院の構成に現れたと見るべきだと思います。民主党の議席のみが増え共産党・社民党は議席を減らした訳ですが、この点だけに着目するとこれからの変化を見誤ると思います。
「保守二大政党制づくり」に引きずられている世論の姿は、民主党の躍進という点に見られますが、それを乗り越えて進もうとしていることは、民主党の政策が積極的に支持されてないという観察や調査結果に表れています。また、上記表(比例の得票・率)のように民主党と並んで日本共産党がわずかながら票を伸ばしている点にも現れているような気がします。
「保守二大政党制」を乗り越えて進もうとしている世論と共に、その流れを促進していく理論と行動こそが求められていると思います。
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