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2007年7月 3日 (火)

パレスチナ統一政府崩壊(8)パレスチナの結束求めるアラブ諸国、ハマス孤立策を取るアメリカ・イスラエル

 しんぶん赤旗のカイロ特派員・松本眞志さんが、6月25日の4カ国首脳会議を中心に、最近のパレスチナ情勢について論説を書いています。

 この会議で「イスラエルがファタハを支援してハマスを孤立させる案を示したのに対して、エジプトとヨルダン、パレスチナは全面的には同意せず、中東和平の障害となっている諸課題の解決を提起して、イスラエルのハマス孤立策に便乗する姿勢を避けました」と指摘した上で、「周辺国や国際社会が内部対立に付け込むような形で『解決』をはかろうとすれば、分裂と対立を拡大させ、いっそうの混乱に導くことになる」と結論づけています。

 また、アメリカ・イスラエルのハマス孤立策がハマス政権成立以来一貫したもので、欧州諸国とともにパレスチナの経済封鎖をしてきたと指摘して、英紙フィナンシャル・タイムズ6月16日付が「ハマスに非現実的な条件を押しつけて制裁を科し、ファタハの軍事部門を支援してパレスチナに人道的危機と暴力をもたらした」と批判しているのを引用しています。

 今日のパレスチナ問題の根源たるイスラエルのパレスチナ侵略・占領政策をこそ止めさせなければなりません。

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2007年7月3日(火)「しんぶん赤旗」

分裂したパレスチナ
アラブ諸国が結束求める
米国・イスラエルはハマス孤立策

 エジプトのシャルムエルシェイクで先ごろ、エジプト、ヨルダン、イスラエルの首脳とパレスチナ自治政府のアッバス議長による四者会談が開かれました。会議はアッバス議長派のファタハとイスラム,抵抗勢力ハマスに分裂しているパレスチナ問題を話し合いました。この席でイスラエルがファタハを支援してハマスを孤立させる案を示したのに対して、エジプトとヨルダン、パレスチナは全面的には同意せず、中東和平の障害となっている諸課題の解決を提起して、イスラエルのハマス孤立策に便乗する姿勢を避けました。

両派の分裂を促す

 イスラエルのオルメルト首相が提示したのは、イスラエルがパレスチナ当局に代わって徴収している税金を、ファタハ中心の非常事態内閣にのみ引き渡し、拘束されているパレスチナ人のうちファタハ系の捕虜を釈放するというもの。ファタハにテコ入れし、ハマスを孤立させ、両派の分裂を促して占領政策を有利にすすめる意図を示したものといわれています。

 米・イスラエルのハマス孤立化政策は、ハマスが昨年一月に選挙で多数を得て政権に就いた直後から一貫していました。ハマスがイスラエルの承認を拒否していることを理由に、米・イスラエルは、欧州諸国とともに経済封鎖を実施。イスラエルは、代理徴収税のパレスチナヘの返還だけでなく、ハマスの閣僚との接触をいっさい拒否する姿勢を示しました。

 こうしたブッシュ政権の対応について、英紙フィナンシャル・タイムズ六月十六日付は「ハマスに非現実的な条件を押しつけて制裁を科し、ファタハの軍事部門を支援してパレスチナに人道的危機と暴力をもたらした」と批判しました。

 内部抗争で、ハマスが六月十四日にガザ地区を武力制圧したとき、米・イスラエル両国は迅速に対応しました。新内閣発足前の十六日に、オルメルト首相は「(ハマスのいない)パレスチナ政権とは共同できる」と発言し、ファタハ支持を表明。イスラエル駐在のウォレス米総領事も、新政権への直接支援に言及しました。十九日にオルメルト首相とブッシュ米大統領は会談で、ファタハ支持とハマス孤立化の方針を確認しています。

平和語り戦争行為

 イスラエルは四者会議を前後して、ガザ地区でハマスやイスラム聖戦などを標的に軍事作戦を展開し、現在でも継続しています。平和を語りながらの戦争行為に、アラブのメディアは「平和の希望を打ち砕き、今日のパレスチナ人の苦難を生み出した侵略政策の継続を示した」と非難しています(エジプト紙アルゴムフリア二十六日付)。

 ハマスとファタハは、政治見解の違いを抱えつつも、パレスチナ住民の内紛の克服を求める声に応えて、今年二月にサウジアラビアのメッカで政府樹立に合意し、三月に統一政府を成立させました。それを一挙に台なしにする最近の事態のなかで、エジプトとヨルダンは新政権を歓迎しつつも、対話を通じたパレスチナ人の結束の必要を強調しています。

 サウジアラビアは新政権への対応に慎重な姿勢をとり、統一政府の基礎となったメッカ合意に立ち戻って両派が争いをやめることを訴えています。

 周辺国や国際社会が内部対立に付け込むような形で「解決」をはかろうとすれば、分裂と対立を拡大させ、いっそうの混乱に導くことになるといえます。

(カイロ=松本眞志)

2007年7月3日(火)「しんぶん赤旗」

「紛争要因に外国干渉」82%
早期選挙支持は69%
パレスチナ世論調査

 【カイロ=松本眞志】パレスチナのイスラム武装抵抗組織ハマスによるガザ地区制圧、アッバス自治政府議長の非常事態内閣発足という事態をどうみるかについて、パレスチナ人の六月度の世論調査結果が六月二十八日公表されました。それによると、紛争の要因の一つに外国の干渉があるとする意見は82%に達し、うちイスラエルが46%となっています。

 この調査はヨルダン川西岸のラマラに本拠を置く近東調査研究所がガザ地区と西岸、東エルサレムで八百六人を対象に行ったものです。

 アッバス議長がとった非常事態宣言が正しかったとする回答は54%。ハマスのガザ地区制圧への反対は75%となっています。今回の抗争について、ファタハに責任があるとする回答は22%、ハマスは28%、両方に責任があるとする答えは50%となっています。

 紛争で一番利益を得たのがイスラエルだとする意見は76%で、ハマスが11%、ファタハが3%です。

 ガザ地区に国際部隊を配置することへの支持は34%、不支持は66%。早期選挙については、支持が69%、不支持は31%です。

 また、ハマスがイスラエル不承認の立場を変えるべきだとする回答は65%です。今年に入って50%を推移していましたが、初めて六割台となりました(昨年の選挙時は75%)。

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