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2007年6月19日 (火)

被害者参加制度への考え方―日本共産党参議院議員・仁比聡平(記事追加)

 日本共産党は、被害者が刑事裁判に関わること自体は憲法13条で保障される基本的人権であり、従ってこれを具体化する制度も必要だと考えています。

 実際、日本共産党は、1975年に既に「犯罪被害者補償法大綱」を発表し、最近では2004年に成立した犯罪被害者等基本法にも他党とともに賛成しました。

 しかし、今国会に提案されている被害者参加の法案は、合理的なものとして歴史的に築かれてきた刑事裁判の根本を壊す恐れがあり、これに関わる問題点は国会審議の中でも解消されておらず、また、被害者自身の間でも意見が分かれ、ましてや国民的議論が行われたと言えるものでもありません。

 従って、この法案を今のまま成立させることに賛成できない、というのが現時点での日本共産党の持っている結論だそうです。

 僕個人もそう思います。

 ただ、僕個人は、俗に「日本では加害者の人権ばかり保障されて被害者の人権は保障されてない」と言われることには、大いに共感します。もちろんこの前段の「加害者の人権ばかり保障されて」という点では、加害者の人権も言われるほど保障されてないのが実態だと思っていますが。

 さらに、「復讐は禁止されている」というのも、言われるほど自明のことなのかという問題意識を強く持っています。こういうことをしたり顔に言うのは無責任なエゴイズムだろうとすら思っています。

 他方、視点を変えると、加害者が「個人」の場合は「犯罪」と呼ばれますが、加害者が「国家」になると「戦争」と呼ばれ、全く別個の扱いがなされています。被害者から見た場合には同じ帰結・実態を持つにも拘わらず、そう扱われています。この「犯罪」と「戦争」の問題は、被害者から見て同一の実態を持つ以上、少なくとも被害者にとっては基本的に全く同一の一貫した扱いがなされるべきです。

 このことは、戦争だけに限らず、公害、薬害、あるいは国民健康保険証の取り上げ、生活保護の申請拒絶等によってもたらされた被害にも当てはまります。

 きちんと考えたい問題です。しんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

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 また、以上のように書いてきて、たまたま『非戦つうしん号外17』に紹介されていたので、以下のブログの記事を読みました。興味深いのでTBさせてもらいます。

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士「なぜ、犯罪被害者のみがクローズアップされるのか~戦没者、戦時被虐殺・被虐待者のことは忘れるのか!」

 さらに、僕自身のこれまでの被害者・刑事裁判に関する記事は、以下の2つ。

2月6日「アメリカで死刑囚を撮影し続ける日本人の記事に思う」

2月1日「刑事裁判への被害者参加制度導入に思うこと(修正)」

2007年6月19日(火)「しんぶん赤旗」

被害者参加制度をどう考える
刑事裁判の根本壊す恐れ

 刑事訴訟法等「改正」案が今国会で審議されています。犯罪被害者が刑事裁判に出席し、被告人への質問や求刑もできるようにする「被害者参加制度」が盛り込まれています。参院法務委員で弁護士でもある日本共産党の仁比聡平議員に同法案について聞きました。

共産党・仁比議員に聞く

 犯罪被害者は十年ほど前まで、事件の当事者であるにもかかわらず、捜査の行方、判決内容さえ知らされないなど、被害者としての当然の要求すら踏みにじられてきました。

 日本共産党は、犯罪被害者が刑事裁判にかかわることは、個人の尊厳・幸福追求権(憲法一三条)によって保障される基本的人権であると考えます。これを具体化していく制度は必要です。

 今法案は、被害者のプライバシー保護を盛り込むなど評価すべき点もあります。しかし、「参加制度」には見過ごせない問題があり、刑事裁判の根本を壊す恐れがあります。

二分する意見

 戦後、憲法の下で日本の刑事裁判は、犯罪を訴追し刑罰を求める検察官と、これを防御する被告人・弁護人とが争い、そこで出された証拠をもとに、裁判所が公平に判決をするという仕組みに転換しました。

 「無実の人を決して罰しない」ためであり、真実の発見や適正な量刑につながるもっとも有効な方法と考えられ、歴史的に鍛えられた仕組みといえます。

 法案では、この争いに関与する被害者の位置付けは定かではなく、被害者を「攻撃」の側に立つ一方の当事者である検察官のコントロール下に取り込むことになりかねません。

 これによって「当事者主義」の原則はゆがみ、今でさえ続発している「えん罪」が増えることも懸念されます。

 被害者の心情は多様です。法廷で感情的になることはむしろ自然なことですが、強い被害感情が裁判官や裁判員の判決や量刑に不当な影響を与えることもあり得ます。

 被害者団体から、裁判参加がかえって被害者の重荷になることや、質問を通じ被害者が二次被害を受けることも指摘されています。

 これらの問題は、国会の審議でも解消されていません。加えて、法案が提案されてからの時間もわずかで、国民的な議論もなされていません。法曹関係者や被害者団体の間でも意見は二分しています。「法廷が私的な報復の場になる」という意見もあります。

 このような理由から、日本共産党は今法案を今のまま成立させることには賛成できません。

権利の拡充へ

 犯罪被害者の権利をどう考えるかは非常に大切な問題です。二〇〇四年には、犯罪被害者や家族を支援する犯罪被害者等基本法が国会で全会一致で成立しました。

 日本共産党は、「犯罪被害者補償法大綱」を発表(一九七五年)するなど、三十年以上前から犯罪被害者の権利拡充のために奮闘してきました。

 被害者の権利を拡充し、国の責任で被害者の被害を回復する制度の拡充は喫緊の課題であり、実現に向けて全力でがんばります。

2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

刑事訴訟
被害者参加の問題指摘
仁比議員反対討論 参院委で「改正」案可決

 刑事訴訟法等「改正」案が十九日の参院法務委員会で、自民、公明、民主各党の賛成多数で可決されました。日本共産党、社民党は反対しました。「改正」案は、刑事裁判へ犯罪被害者が出席し、被告人への直接の質問や求刑を可能にすることを盛り込んでいます。

 討論で日本共産党の仁比聡平議員は、被害者が刑事裁判へかかわること自体は「憲法一三条で保障されたもの」であり、制度の具体化は必要であると強調しました。

 しかし、法案は「被害者の位置付けが定かでなく、検察官のコントロール下に被害者を取り込むことになる」と指摘。「真実の発見と適正な量刑を導くもっとも有効な方法として積み重ねてきた近代刑事訴訟の根本を壊す恐れがある」とのべました。

 また、「警察や検察による不当・違法な被害者処遇が刑事司法全体への被害者・遺族の怒りや不信の要因になっていることを政府は猛省すべきだ」と指摘。「被害者の権利を拡充し、国の責任で被害を回復する制度の充実は喫緊の課題だ」として、実現にむけて努力する決意をのべました。

 民主党は、刑事裁判に出席した被害者の意見陳述は、具体的な量刑には及ばないことなどを盛り込んだ修正案を提案。日本共産党、社民党は賛成しましたが否決されました。

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