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2007年6月25日 (月)

「集団自決 軍の関与は事実」―沖縄県議会が全会一致で教科書検定意見の撤回を求める意見書を可決

 記事をクリップしておきます。

 特に、自民党議員で県議会議長の中里利信氏が、それまで家族にも話したことがないという自らの経験を、議論の中で語ったそうです。中里氏はしんぶん赤旗のインタビューにも答えているので、その記事を特に引用しておきたいと思います。

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2007年6月23日(土)「しんぶん赤旗」

仲里県議会議長体験語る
県議会「集団自決」意見書
"沖縄県民の総意"
泣く妹ら日本兵が殺害命令

 沖縄県議会が沖縄戦「集団自決」をめぐる教科書検定意見の撤回を求める意見書を可決する議論の中で、仲里利信議長(七〇)=自民党=が今まで口を閉ざしてきた体験を語りました。それは議員たちの心をとらえました。仲里議長に聞きました。(前田泰孝)

 一九四五年二月、父が私たち家族に「負け戦になる。ここは危ない。やんばる(県北部)に逃げろ」と言い、私たちは、家族・親せき九人で、南風原(はえばる)から宜野座(ぎのざ)に疎開しました。

 でも四月になると、宜野座も空と海から米軍の攻撃が激しくなり、さらに、ガマ(壕)に移動しました。

毒入りおにぎり

 大きな、ガマの中に二百人はいたでしょうか。その中で「あいつはスパイだ」といったうわさが飛び交い、お互い疑心暗鬼の状態でした。

 三歳の妹と、同い年のいとこが暗いガマを怖がって大声をあげて泣くのです。すると、どこからともなく三人の日本兵が現れ、真っ白い毒入りのおにぎりを手渡しました。

 「泣き声が敵に聞こえる。これを食べさせろ」「二人のために、皆が犠牲になっていいのか」といいました。

 祖母を中心に家族みんなで話し合いました。そして「幼子だけ殺すわけにはいかない。死ぬ時は家族一緒だ」と決意し、ガマを出、墓や絶壁のくぼみに隠れたりしました。

 新たなガマをつくるため弟を背負い、母と三人で山中に入りました。ガマができ、残りの家族を呼びに戻る途中、十五人ほどの米軍を見つけ、再び山に隠れました。

 その時、残る家族とはぐれたため、恩名村、東村、辺野古、金武町と、やんばるの山中を何日も捜し歩きました。

 水で飢えをしのぎ、山の草を海水で煮込んで食べたりもしましたが、苦くて食べられたものではありませんでした。

 母の母乳が出なくなって一番下の弟が亡くなりました。母は「満一歳の誕生日。産まれた日と同じ時間帯になくなった」と語っていました。

史実伝える責務

 これが、私の沖縄戦の体験です。これまで家族にも話したことはありません。でも今、われわれが口をつぐむと、戦争美化につながるのではと思うのです。史実は史実として、きちんと後世に伝える。それは保守・革新の問題でなく、私たちの責務です。文部科学省に検定のやり直しを求めることは、沖縄県民の総意なのです。

2007年6月23日(土)「しんぶん赤旗」

「集団自決 軍の関与は事実」
沖縄県議会が全会一致
教科書修正容認せず

 文部科学省が教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」に日本軍の強制があった記述を削除・修正させた問題で、沖縄県議会は二十二日午前、教科書検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決しました。

 意見書は「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは、紛れもない事実」「筆舌につくしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の修正等は到底容認できるものではない」としています。

 議会終了後、自民党議員からも歓迎する声が上がりました。

 名護選出の自民党の安里進県議は、沖縄戦の時、五歳で家族らと、やんばるをさまよい、日本兵に銃を突き付けられ、食料を奪われる経験もしました。「米軍より日本軍の方が怖かった。文科省の検定意見を聞いて『また戦争が始まる』と思わざるを得なかった。あんな経験をもう後世の人たちにさせてはいけない。史実は史実として後世に伝えるのが私たちの責務」「平和こそ大事。九条だけはいじっちゃいけない」と語りました。

 同県の仲村守和教育長は前日二十一日に文部科学省を訪れ、検定意見の撤回を求めています。二十二日現在、県内四十一市町村のうち三十六市町村で撤回を求める意見書を可決しています。

“検定意見撤回を” 代表団が文科省に

 沖縄県議会は二十二日午後、自民党、公明党、日本共産党、沖縄社会大衆党など超党派の議員七人を東京に派遣。文部科学省、内閣府、沖縄選出の国会議員などを訪ねて要請を行いました。

 文科省で代表団は、検定意見を撤回し、事実に基づいた記述にするよう要請。文科省側は、「審議会で審議している通り」と答えるにとどまりました。要請後、代表団は記者らに「文科省に誠意が見られず、がっかりした。検定意見の撤回は、県民の総意だ」と語りました。

 国会では、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員を訪れ要請。代表団には、日本共産党の前田政明県議も参加しました。

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