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2007年6月 4日 (月)

アメリカが中国脅威論転換の姿勢―アジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)

 6月1日から3日に掛けてシンガポールでイギリスの国際戦略研究所主催によるアジア安全保障会議が開かれました。その様子が各紙で報道されましたが、その中で僕が最も注目したのは、アメリカのゲーツ国防長官が、ラムズフェルド前国防長官が強く主張してきた「中国脅威論」を転換する姿勢を見せたことです。見出しは異なりますが、しんぶん赤旗と読売電子版が報じています。

 その他、朝日電子版はミサイル防衛(MD)と中国の軍事予算の問題に注目し、毎日電子版はミサイル防衛(MD)、日経電子版は中国の軍事予算の問題に注目しています。

 興味深いので各紙を引用しておきます。

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2007年6月4日(月)「しんぶん赤旗」

“米中関係は楽観的”
国防長官 脅威論転換の姿勢

 【ハノイ=井上歩】ゲーツ米国防長官は二日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)で講演し、中国の軍事力に関連して「米中関係は楽観視できる」との考えを示し、米国が昨年までの同会議で強く主張してきた中国脅威論を転換させる姿勢を示しました。

 ゲーツ長官は、中国の軍事支出と軍近代化計画の「不透明さ」に懸念を示しつつも、「対テロ、大量破壊兵器不拡散、エネルギー安全保障で米中は利益を共有している」「(軍事)能力と(軍事)意図は違うものであり、米中関係には楽観視できる理由がある」とのべました。

 ゲーツ氏は「米中はあらゆるレベルで軍と軍との交流を拡大している。両国は大きな経済・貿易関係を築いている」とも強調しました。ラムズフェルド前国防長官は昨年までの同会議で、中国の軍事力増強を強く批判していました。

 中国人民解放軍の章沁生副総参謀長は同会議で、中国の平和発展路線を説明し、軍事力の意図は自衛にあることを強調。核兵器については、「中国は最初の一発は絶対に撃たないだろう」と先制攻撃を否定しました。軍事費の透明性への批判には、「国防予算は厳格な法的手順に従ったもので、発表した予算は確かで信用できるものだ」と反論しました。

 章副参謀長は米軍側が長く求めてきた「米中軍事ホットライン」について、九月に合意を完成させると言明。ゲーツ長官が将来の「誤算」を避けるため中国とのより詳細な軍事対話を呼びかけたのに応える形となりました。

中国の軍備に「懸念」…米国防長官がアジア安保会議で演説(読売電子版)

 【シンガポール=花田吉雄】ゲーツ米国防長官は2日、当地で開催中の「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催)で演説し、増大する中国の軍事力について、「中国の軍事費支出と軍近代化計画の不透明さに懸念を抱いている」と述べ、一層の情報開示を求めた。

 ただ一方で、「中国の軍事能力とその意図には違いがある」と述べ、中国側の主張に一部理解を示した。

 さらに、ゲーツ長官は「米中両国はあらゆるレベルでの軍間交流が拡大している。経済、貿易でも強固な関係を築いている」と強調。「米中関係は楽観的」と述べた。

 ラムズフェルド前国防長官らが強く主張してきた“中国脅威論”のトーンを弱める形となった。

(2007年6月2日22時51分  読売新聞)

中国軍の最高級幹部がMDへの懸念表明 アジア安保会議(朝日電子版 2007年06月02日22時00分)

 シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で2日、中国軍の最高級幹部として初参加した章沁生・副総参謀長が、日米が協力を進めるミサイル防衛(MD)計画に強い懸念を表明した。これに対し、米代表のゲーツ国防長官は強い調子の中国批判はあえて避け、好対照をなした。

 章氏はこの日、質疑の中で日米のMDについて「アジアを不安定化させかねない。台湾をカバーするMD網を日米が配備するなら、中国は強く反対する」と言明した。

 中国の軍事予算が増大しているとの批判には「国土の大きさや人口1人あたりでみれば、中国の国防予算は明らかに少ない」と反論。米国防総省が先月出した中国の軍事力についての年次報告書についても「信頼できない内容で、冷戦思考に立った中国脅威論だ」と切り捨てた。

 一方、ゲーツ氏は中国の軍事力について、外部から見ても実態が把握できるよう求める米政府の立場を繰り返した。だがその半面、「米中関係について楽観できるだけの理由はある」。軍の交流拡大などへの期待感をにじませた。

 中国の軍将校が挑発気味に「冷戦のアプローチが米中関係でなお有効なのか」とただす場面もあった。ゲーツ氏は「冷戦下で旧ソ連と米国は、長年の核戦略交渉を通じて、互いの軍事力や戦略的意図を理解しあうことができた。こうした対話による透明性の確保が誤算を防ぐ」と、やり過ごした。

ミサイル防衛、米「中国標的とせず」(朝日電子版 2007年06月04日06時41分)

 ゲーツ米国防長官は3日、アジア安全保障会議に出席中のシンガポールで記者会見し、米国が日本と協力して進めているミサイル防衛(MD)計画について「我々が計画するミサイル防衛網は米本土でもアジアでも、中国の核抑止力を弱体化させることを目的としていない」と述べた。

 MDの「標的」に中国は入らないと明言することで、軍事面で対中緊張緩和を進めたい、という狙いとみられる。

 ゲーツ氏は現在のMDシステムについて「弾道ミサイルを獲得しようとする『ならず者国家』やテロ集団が対象だ。その能力は、ロシアや中国のミサイルが万が一発射された場合のような、大規模な脅威に対抗できるようには設計されていない」と説明した。

 さらに「彼ら(中国)が何を心配しているのか分からないが、ロシアと同様に協議の席につき、システムの能力や技術的な特徴、その限界について喜んで話す用意がある」と述べ、懸念を解消するため説明の場を設けることに前向きな姿勢を示した。

 この会議では前日、中国軍の最高級幹部として初参加した章沁生・副総参謀長が、日米のMDは「アジアを不安定化させかねない。台湾をカバーするMD網を日米が配備するなら中国は強く反対する」と表明していた。

 ゲーツ氏は4月には、MDの欧州配備計画にやはり反対するロシアを訪問。ロシア側の懸念に応える形で、共同研究や早期警戒情報の共有などを提案した。

アジア安保会議:ミサイル防衛で日本と中国が応酬(毎日電子版)

 シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で2日、日米が共同で開発、運用を進めているミサイル防衛(MD)の是非をめぐり、日本と中国が応酬する場面があった。久間章生防衛相が北朝鮮の核、ミサイル問題や核拡散の脅威に触れながらMDへの取り組みを報告すると、会場にいた中国人民解放軍の章沁生・副総参謀長が司会者に発言を要求。「中国はいかなる状況でも核の先制使用はせず、自衛のための核を厳しく管理している」と強調、日米のMDを「地域の平和と安定を損なう」と批判した。久間氏は「核が拡散してテロ集団に移ると止めることができない。防止策を持っていないと駄目だという考え方からMDに取り組まざるを得ない」と理解を求めた。【シンガポール共同】

毎日新聞 2007年6月3日 東京朝刊

中国軍幹部、脅威論に反論・アジア安保会議(日経電子版 2007.06.02)

 【シンガポール=野間潔】章沁生・中国人民解放軍副総参謀長は2日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で講演し、「軍の透明性」について「国防予算は極めて厳格な法的手順に従わなければならず、発表されている予算は正確で信ぴょう性がある」と強調、根強い中国脅威論に反論した。中国の国防費については米国が例年、公表額を上回るとの懸念を表明。今回、中国は副大臣級の副総参謀長を出席させて反論に出た。

 章副総参謀長は「軍の透明性は信頼、責任、安全保障、平等の観点から改善している」と説明。「2007年の国防費は前年比17.8%増で約449億ドル」と言及。軍人の給与や退役軍人の福利厚生に約200億ドル、67校の軍事学校新設に約60億―70億ドル必要などと述べた。(19:48)

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