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2007年6月28日 (木)

パレスチナ統一政府崩壊(7)求められるパレスチナの結束

 26日の記事では、日経の記事によりながら「パレスチナの分裂」が既成事実化されようとしている面を取り上げました。

 しかし、事はまだそこまで単純・一直線ではないようです。「パレスチナの結束」を求める流れは健在のようです。

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 しんぶん赤旗、毎日電子版の記事を引用しておきます。

2007年6月27日(水)「しんぶん赤旗」

パレスチナ人の結束を
4者協議 エジプト大統領主張

 【カイロ=松本眞志】パレスチナ問題を協議する中東四カ国の首脳会議が二十五日、エジプトの保養地シャルムエルシェイクで開かれました。主宰国エジプトのムバラク大統領、ヨルダンのアブドラ国王、イスラエルのオルメルト首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長が参加しました。ハマス孤立化を主張するイスラエルに対し、エジプトは「パレスチナ人同士の対話が必要」との立場を示しました。

 会議は、十七日にイスラム武装抵抗組織ハマスを排除した非常事態内閣が発足したことを踏まえ、パレスチナ支援に関する話し合いを目的にしたものです。

 ムバラク大統領は、パレスチナ新政権への支持を表明する一方、すべてのパレスチナ人に対して抗争の停止と対話を通じた結束を訴えました。さらにヨルダンのアブドラ国王とともに、イスラエルに対して、ヨルダン川西岸地区からの撤退と過去のパレスチナとイスラエルの和平合意の実施の必要を強調しました。

 アッバス議長は、イスラエルによるユダヤ人入植地と分離壁建設の停止、ガザ地区を含むパレスチナ自治区内の検問所撤廃を要求しました。

 ハマスのハニヤ前首相は同日、ムバラク大統領の対話呼び掛けを「歓迎する」とし、「話し合いの準備はできている」と述べました。

 一方、イスラエルのオルメルト首相は「二国家が平和と安全のもとで存立する以外に解決の道はない」とパレスチナ国家の樹立を支持しましたが、占領地撤退やユダヤ人入植地・分離壁の撤去の問題には言及しませんでした。

 オルメルト首相は、代理徴収税を新政権に対してのみ引き渡すほか、イスラエルが拘束するパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ所属のパレスチナ人二百五十人を釈放するなど、新政権を支援してハマスを孤立させる内容の提起を行いました。

中東4首脳会談:パレスチナ・アッバス支持で一致も温度差(毎日電子版)

 【シャルムエルシェイク(エジプト・シナイ半島)前田英司、カイロ高橋宗男】25日に当地で行われた中東4首脳会談で、イスラエル、エジプト、ヨルダンの首脳は穏健派アッバス・パレスチナ自治政府議長の支援で一致した。だが、自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの扱いには温度差もみられる。和平交渉の早期再開を求める穏健アラブ諸国に対し、イスラエルが慎重な姿勢を崩さないなど、地域の安定と和平構築に向けた関係国の足並みは一致していない。

 イスラエルは「テロ組織」ハマスを弱体化するため、地盤のガザ地区を政治、経済、軍事的に孤立させようと躍起になってきた。オルメルト首相は昨年から凍結してきた税収の定期送金を再開するとアッバス議長に伝えたが、「ハマスのガザ支配を後押しするようなことには使用しない」との確約を求められたと言われている。

 エジプトとヨルダンは、ハマスの影響力が国内のイスラム原理主義勢力に及ぶことに神経をとがらせている。こうした懸念が世俗的で穏健なアッバス議長の支持につながっている。特にガザ地区と境界線を接する唯一の国エジプトにとって、ハマスが実効支配するガザ情勢は深刻だ。ヨルダンも国境を接するもうひとつのパレスチナ自治区ヨルダン川西岸にガザの混乱が飛び火することを恐れている。

 だが、両国ともにイスラエルとその同盟国・米国の過激なハマス封じには慎重だ。エジプト当局者はAFP通信に「イスラエルの(和平進展に向けた)怠慢がこの結果(パレスチナの内部対立)を招いた。絶望は過激主義と暴力を招く」と指摘。ハマスの一層の孤立化よりもむしろ、早期の和平交渉再開の方が重要との立場だ。ムバラク・エジプト大統領はアッバス議長に対しても、ハマスとの早急な協議再開が必要との認識を示した。

 アラブ諸国内にも温度差はある。サウジアラビアは今年3月、アッバス議長派ファタハとハマスを仲介し統一政府樹立を導いたが、今回の事態については傍観者的な立場を貫いている。ハマスなどイスラム原理主義勢力を後押ししているイランの影響力拡大を懸念するサウジにとって、「ハマスの失敗はイランの失敗でもあるからだ」(レバノン人評論家、アリ・アミン氏)との指摘もある。

毎日新聞 2007年6月26日 21時52分 (最終更新時間 6月26日 23時34分)

パレスチナ:ハニヤ氏がイスラエル非難 危機につけこむ(毎日電子版)

 【エルサレム海保真人】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部で、自治政府首相を解任されたハニヤ氏は24日、自治区ガザ市で「イスラエルはパレスチナ内の危機につけこみ、内部亀裂を広げようとしている」と演説、イスラエルを非難した。

 ハニヤ氏はイスラエル政府が同日、ハマスを排除したパレスチナ非常事態内閣に対し、凍結中の関税収入引き渡しを決めたことについて「政治的なわいろだ」と批判した。非常事態内閣はアッバス自治政府議長の後ろ盾で、別の自治区ヨルダン川西岸を拠点とし、ハマスとは対立している。

 ハニヤ氏はまた、イスラエルのオルメルト首相がアッバス議長、エジプトのムバラク大統領、ヨルダンのアブドラ国王と25日、エジプト・シャルムエルシェイクで4首脳会談を行うことについて、「政治的な策略だ」と一蹴(いっしゅう)。「ハマスに対する圧力と包囲はハマスをより強くするだけだ」と述べ、対決姿勢を強めた。

 一方、ガザ市では24日、原理主義組織イスラム聖戦の武装メンバーが乗った車を、イスラエル軍機が上空から攻撃し、1人が死亡、2人が重傷を負った。3人はイスラエル領を攻撃するロケット弾発射部隊のメンバーとみられる。

毎日新聞 2007年6月25日 11時30分 (最終更新時間 6月25日 11時57分)

東論西談:パレスチナ内紛 市民不在の権力争い(毎日新聞)

 ガザには一種独特の閉塞(へいそく)感がある。内陸側はイスラエルとの境界に、壁とフェンスが延々と張り巡らされている。イスラエル軍の検問体制は厳しく、139万人の住民は同じパレスチナ自治区のヨルダン川西岸へはおろか、外国旅行にもめったに出られない。海側は同軍の監視艇が控え、漁業も近海のみに制限されている。しばしば「巨大な監獄」と形容される。

 イスラム原理主義組織ハマスは1987年、この地で生まれた。南端の隣接国エジプトの原理主義組織「ムスリム同胞団」の強い影響を受けた。イスラエル兵に石を投げつけるインティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)が始まったころだった。その後、自爆テロですっかり有名になったが、本来は貧困層のための教育、福祉、医療に力を注いできた。

 99年、私が初めてガザを訪れた時、ハマスはダークホース的な存在だった。当時、パレスチナ自治政府のアラファト議長の支持母体ファタハはまだ強かった。ガザでは当時のハマスの支持率13%に対し、ファタハは31%。それが7年後の昨年、ハマス支持率は46%に伸長して逆転、評議会選挙に勝利し政権を握った。

 伸長の理由は簡単だ。第一にイスラエルに対する住民の反発、第二に私腹を肥やし腐敗した一部ファタハ高官に対する市民の不満を吸収できたことだろう。

 忘れてはならないのは、イスラエルがこれに大きく寄与したことだ。第2次インティファーダと呼ばれた00~03年の衝突のさなか、シャロン・イスラエル政権は徹底した軍事作戦でアラファト議長の権威を失墜、議長配下のファタハ系治安当局を弱体化させた。当時のペレス・イスラエル外相(現大統領)は「ハマスを台頭させるだけだ」と懸念したものだが、果たしてその通りになった。

 そのハマスが今、ファタハ系治安当局をしのぎガザを制圧、アッバス自治政府議長と真っ向から対峙(たいじ)している。政権発足以来1年余、イスラエルをはじめ国際社会からの経済制裁で追い詰められ、ファタハとの確執が沸点に達したため暴走した。伸長し政権を握ったことが、逆にあだとなってしまった感がある。

 アッバス議長はハマスを「悪」だと内外に印象付け、国際社会の制裁解除を引き出すことで市民の支持を取り戻し、前倒し選挙でファタハの復権を勝ち取る思惑だ。だが、最新の世論調査によれば、ハマスの支持は微減したが、今回の内紛を6割の大多数が「双方に責任あり」、つまり「どっちもどっち」と考えている。

 さらに、9割がパレスチナの状況を「悪い」と感じ、3割が「外国への移住」を望んでいる。市民にとって同胞同士の権力争いのつばぜり合いなど、むなしくしか映らない。

 イスラエルとの闘いに翻弄(ほんろう)された揚げ句、内紛は起きた。国家独立はさらに遠のいている。生活の困窮は変わらない。早くどうにか風通しをよくしなければ、ガザの住民は窒息する。<エルサレム・海保真人>

毎日新聞 2007年6月25日 東京朝刊

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