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2007年6月14日 (木)

2005年9月の衆院選小選挙区、格差2.17倍でも合憲(最高裁大法廷・裁判長・島田仁郎長官)

 結局、小選挙区にこだわる限り投票価値の平等は達成できないのです。日本共産党の談話にある通り比例代表を中心とした選挙制度に転換すべきです。

 日経は社説で「小選挙区の一人別枠方式を廃止せよ」としていますが、より大都市部の利益に偏重した選挙制度になるのではないでしょうか。

 両紙の記事を引用しておきます。

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2007年6月14日(木)「しんぶん赤旗」

格差2.17倍は合憲
05年衆院選で最高裁大法廷

 二〇〇五年九月の衆院選で小選挙区の「一票の格差」が最大二・一七倍だったのは違憲として、東京と神奈川の有権者十一人が両都県の選挙管理委員会を相手に、選挙無効を求めた二つの訴訟の上告審判決が十三日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)でありました。大法廷は「憲法に違反しない」として、有権者側の上告を棄却しました。

 〇二年の公選法改正で小選挙区の区割りが変更されて以降の衆院選について、最高裁の憲法判断は初めてです。

 訴訟では、人口過疎地に配慮して各都道府県に一議席ずつ割り振った上で、残りを人口比で配分する「一人別枠配分方式」▽政見放送ができないなど、無所属議員の選挙運動が政党所属議員に比べて制限される仕組み―に合理性があるかも争点となりました。

 選挙当日の有権者数は、東京6区が最も多く、最も少ない徳島1区の二・一七倍でした。

 小選挙区比例代表並立制が導入された一九九六年の衆院選について、最大二・三一倍の格差を合憲とした九九年の大法廷判決を踏襲した形となりました。

選挙の平等に反する
共産党・大幡選対局長が談話

 日本共産党の大幡基夫選挙対策局長は十三日、二〇〇五年衆院選の「一票の格差」をめぐる最高裁粉決について次の談話を発表しました。

 本日、最高裁は、二〇〇五年九月の衆議院選挙小選挙区の一票の格差が最大二・一七倍になっていたことについて「合憲」という判決を下した。これは憲法の保障する「選挙権の平等」「投票価値の平等」の原則にてらしてきわめて不当な判決である。

 同時に、小選挙区制は、これまで「区割り改定」をおこなっても格差問題を解決できなかったことが示すように、制度自身が矛盾をもつものであることがあらためて明らかになった。

 わが党は、小選挙区制を廃止し、比例代表制を中心とした制度に転換する必要をあらためて訴えるものである。

05年衆院選
一票の格差2.17倍「合憲」
最高裁判決 政党候補限定の放送も
(日経 2007.06.14)

 議員一人当たりの有権者数の格差(一票の格差)が最大二・一七倍だった二〇〇五年九月の衆院選小選挙区の定数配分は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、弁護士十一人が選挙無効を求めた訴訟の上告審判決が十三日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)であった。大法廷は「憲法に違反しない」として請求棄却の一審・東京高裁判決を支持、原告側上告を棄却した。

ともに反対意見出る

 訴訟では、人口と関係なく各都道府県に定数一を割り当てる「一人別枠方式」という区割り規定と、その結果として九選挙区で一票の格差が二倍以上になった定数配分、政見放送を政党公認候補者に限った公職選挙法の規定などの合憲性が争点になった。

 大法廷判決は、最大二・一七倍の一票の格差について「過疎地域への配慮から都道府県に一議席を配分する方式を採用したのは国会の裁量の範囲内。最大二・一七倍の格差も投票価値の平等を求める憲法に反するとはいえない」と判断。

 政見放送などを政党公認候補者に限定した公選法の規定も「選挙制度を政策本位、政党本位にする合理性がある。政見放送は選挙運動の一部で、政党に所属しない候補者も他の選挙運動は十分できるのであり、憲法違反とはいえない」と結論付けた。

 一方で、一票の格差については十五人のうち泉徳治裁判官(裁判官出身)と横尾和子裁判官(行政官出身)の二人が反対意見を表明。泉裁判官は「居住する都道府県によって国民の投票価値に差別を設けることは許されず、憲法に違反する」と述べた。

 選挙運動に関する公選法の規定については泉、横尾両裁判官に加え、田原睦夫裁判官(弁護士出身)の計三人が反対意見。田原裁判官は「政党に所属する候補者と所属しない候補者の選挙運動の格差は質、量ともに著しく大きく、被選挙権の平等を妨げ違憲」と指摘した。

 反対意見とは別に、藤田宙靖裁判官(学者出身)ら三裁判官が結論は合憲としながら意見を表明した。

 判決後、東京都内で記者会見した原告の森徹弁護士は「過去の最高裁判決に比べ、一歩前進、二歩後退という感がある。一票の格差を生む一人別枠方式の問題点を指摘する裁判官は多く、議論を重ねていく必要がある」と話した。

反対意見や意見を述べた裁判官(カッコ内は出身)

1票の格差 政見放送などを政党候補に限定した公選法規定
横尾和子
(行政官)
投票価値の平等が損なわれてもやむを得ない合理性がなく違憲 政見放送を政党候補だけに認めた公選法は違憲
泉徳治
(裁判官)
居住地によって投票価値に差別を設けることは許されず違憲 小政党や新興の政治団体を排除しており違憲
田原睦夫
(弁護士)
違憲とはいえない 選挙運動の手段や方法は原則平等であるべきで違憲
藤田宙靖
(学者)
合憲といえるか重大な疑問があり、必要性を再検討すべき 選挙の公平・公正の見地から憲法上甫大な疑念がある
今井功
(裁判官)
中川了滋
(弁護士)
過疎地対策が理由としても合理性は乏しく、是正が必要 憲法違反ではない

1票の格差、最高裁が「合憲」
不断の見直し必要
(日経 2007.06.14)

 政府・与党は二〇〇五年衆院選での「一票の格差」に最高裁が合憲判決を出したことを妥当と受け止めている。過去の合憲判決よりも格差が小さく、予想通りとの声が多かった。ただ、より大きな格差が放置されている参院を含め、不断の見直しが必要な状況に変わりはない。(社会面参照)

 一票の格差が問題となるのは、憲法が保障する「法の下の平等」に反する疑いがあるためだ。最高裁は過去、最大格差が三・一八倍だった一九九〇年衆院選を「違憲状態」と判断。三倍が違憲ラインとされた。もっとも、衆院選挙区画定審議会設置法は格差が「二倍以上とならないことを基本とする」と規定。有識者や市民団体にも、国民の「投票価値」を考えれば格差は二倍以内にすべきだとの主張は多い。

 選挙区の区割り見直しは与野党の利害が絡むだけに容易でない。東洋大の加藤秀治郎教授は「選挙が終わるたびに、有権者名簿を基に見直しを図る方式を導入すべきだ」と提案する。

(社説)小選挙区の一人別枠方式を廃止せよ(日経 2007.06.14)

 十五人中六人の裁判官による少数意見の方が納得できる結論だ。

 議員一人あたりの選挙区人口で計る「一票の格差」が最大一対二・一七あった二〇〇五年九月の衆院選小選挙区の区割り規定について、最高裁大法廷は「憲法の平等原則に違反しない」とする判決を出した。

 衆院選挙制度が小選挙区比例代表並立制に改められてから二回目、〇二年の区割り改定後では初の定数訴訟だった。一九九九年十一月の最高裁判決は最大一対二・三の格差がある区割りを合憲としたから、今回の判決は予想された結果ではある。

 衆院選小選挙区の区割りは内閣府に置く審議会で画定し、同審議会設置法は区割りを改定する手順を次のように定める。

 ①まず全都道府県に一議席ずつ無条件に配分する②残る議席数を最新の国勢調査に基づく人口に応じて都道府県ごとに配分する―。同法は小選挙区の一票の格差が「一対二以上にならないようにすることを基本とする」と規定するのだが「一人別枠方式」と呼ばれる①の条件があるため人口比例を貫いた区割りはできず、この「基本」は「できるだけ一対二以上にならないようにする」程度の拘束力しか持ち得ない。

 少数意見のうち二人は一人別枠方式を採用した区割り規定を憲法違反と断じた。残る四人の意見は「合憲であるか重大な疑問がある」「内容において憲法の趣旨に沿うものとは言い難い」だ。一票の価値を平等にとの、憲法の大原則を損なってまで採用するだけの正当性・合理性は一人別枠方式にはない、との判断は共通している。

 九九年判決の少数意見も「一種の政治的妥協策として採用された経緯もあり、投票価値の平等に影響を及ぼすことは、憲法上到底容認されるものではない」と一人別枠方式を強く批判していた。

 衆院選、参院選の定数訴訟で最高裁が下してきた合憲判決は「選挙制度の仕組みをどうするかに関し、国会は広い裁量権を与えられている」との憲法解釈に基づく。俗な表現をすれば「誰がどう見てもおかしい」程度にまでなっていなければ国会の決定を尊重するのだ。二回の小選挙区定数訴訟の判決を「二倍以上の格差にお墨付きがでた」と国会が受け取ってはおかしい。

 小選挙区制はそれまでの中選挙区制に比べ一票の格差を解消しやすい選挙制度で、その特長が小選挙区制を導入した理由の一つだったはずだ。国会は原点に立ち返って、一人別枠方式を廃止すべきだ。

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