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2007年6月 5日 (火)

沖縄戦での日本軍による「集団自決」強制の記述を削除させた教科書検定―沖縄の17市町村議会が反対の意見書採択

 沖縄には41市町村があるそうですが、4日までに17の議会が意見書を採択し、最終的には38議会が採択する予定だそうです。

 今朝のしんぶん赤旗の学問・文化欄の「朝の風」にこの問題の簡潔な説明があり、分かりやすいので引用しておきます。

 また今朝の沖縄タイムスには意見書採択の動きについて詳しい記事がありました。これも引用します。

 この問題では、既に大江健三郎氏と岩波書店が抗議文を発表していることについては4月4日の記事に書きました。

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2007年6月5日(火)「しんぶん赤旗」

朝の風
集団自決をめぐって

 文部科学省の検定で、2008年度から使用される高校の歴史教科書から、沖縄戦の「集団自決」に日本軍が関与したという記述が削除されたことについて、検定意見の撤回を求める意見書が、沖縄県の市町村議会で続々と可決されている。5月28日までに11議会で可決され、さらに広がりを見せている。

 検定意見の根拠となっているのは、『沖縄ノート』で、当時の戦隊長らが名誉を傷つけられたと、大江健三郎や岩波書店に対して損害賠償を求めている訴訟である。原告側は、戦隊長が軍命を下したかどうかをもって、日本軍の強制の事実を消そうとしている。しかし、住民に手榴弾が配られていたことなど、「集団自決」が、日本軍の命令や誘導なしに起こり得なかったことは明白だ。

 さらに昨年、関東学院大学の林教授がアメリカ公文書館で発見した資料にも、日本兵が、米軍が上陸したら自決せよと繰り返し語っていたことが記述されている。

 この「集団自決」の軍の強制に異議を唱えてきたのが、曽野綾子だった。軍も誰も命令しないのに、楽に死んだほうがいいと、肉親を殺し、自分も死ぬという異常な死であったと曽野は描き出した。

 元隊長らを住民の遺族年金のために沈黙していたと美化する一方で、追い詰められた住民の死を狂気とする論は、歴史の事実を歪めるだけでなく、亡くなった人を貶めるものである。(筑)

「『集団自決』軍命は歴史的事実」/県民大会実行委(沖縄タイムス 2007年6月5日(火) 朝刊 23・22・2面)

 文部科学省の教科書検定で沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」が削除されたことに抗議する「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない! 県民大会」の第二回実行委員会が四日、那覇市の教育福祉会館で開かれた。県議会最大会派の自民党が検定意見に対する意見書に賛成しない方針を固めたことに対し、再考を求めていくことを決めた。近日中に実行委代表が県連を訪れ要望書を手渡し、意見書採択への協力を求めることにした。意見書採択は全会一致が原則となっている。
 実行委に出席した県議会野党議員から「自民党議員の中にも『集団自決』は歴史的事実だと認めている人は多い。全員が意見書に反対ではなく、ごく一部だ」と報告した。出席者らは「県連への抗議より再考を促すべきだ」との意見で一致した。

 要望書では、各市町村議会が「集団自決」に対する軍関与を不明瞭にした修正意見の撤回を求め、意見書を採択していることについて「保革を越えた大きな県民の声だ」と指摘した。その上で「意見書に対する態度の再考を自民党に求め、県民の代表者として県民の声に応える議会での発言と働きを強く求める」とした。

 実行委によると、四日現在で県内四十一市町村議会のうち、十七議会が意見書を採択。最終的に三十八議会が採択する予定だという。

 自民党は二日、「会派内で賛否が分かれ意見が一致しなかった」として意見書採択に賛成しない方針を固めた。このため、文教厚生委員会の開会が見送られ、六月定例会での意見書採択が厳しい状況だ。

 県議会は一九八二年に今回と同様に、文部省(当時)が「住民虐殺」記述を削除しようとしたことに対し、全会一致で撤回意見書を採択。記述を復活させた原動力となった。このため実行委は、県民大会と県議会の全会一致による意見書採択を「県民の総意」として文科省に示し、検定意見を撤回、「軍命」記述の復活を求めることにしている。

 一方、実行委はこの日、県民大会の決議文やスローガンなどを決めた。大会は九日午後二時から県庁前の県民広場で開かれる。

中学生が村議会要請/東中3年生14人

 【東】教科書検定で高校の歴史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関する日本軍関与の記述が削除された問題で、東中学校(島袋きよみ校長)の三年の生徒らが四日、検定意見の撤回を求める意見書を可決するよう東村議会(安和敏幸議長)に請願書を提出した。生徒らは「教科書で事実が変えられたら、沖縄戦の真実を次の人に伝えられなくなる」と訴えた。安和議長は「関係機関と調整し、判断をしたい」と話し、受理した。

 請願書を提出したのは三年生全十四人。「日本軍や学校の先生からの『敵兵に殺されるより国や天皇のために立派に死ね』という教えが強かったから、みんな『集団自決』していったのだと思う」「体験者がどんどん少なくなっているからこそ、沖縄戦の真実を教科書に載せる必要がある」と、「集団自決」について学習した中で、それぞれが感じた意見を記載した。

 代表で請願書を読み上げた玉城ありささん(14)は「請願権は未成年にもあると勉強し、みんなでやってみようと話し合った。大人の人たちに聞いてほしい」。仲村ハンナさん(14)は「以前は『集団自決』のことを全然知らなかったけど、学習して、親が子を殺すって本当に怖いと思った」と話した。

文厚委開会見送り/県議会

 県議会最大会派の自民党が、文部科学省の教科書検定で高校の教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に日本軍が関与したとする記述を削除した問題に対する意見書に賛成しない方針を固めたことを受け、六日を軸に調整していた文教厚生委員会(前島明男委員長)の開会は見送られることになった。

 前島委員長は「自民の意見がまとまらず、全会一致での可決は不可能な状況。六日の開会を見送り、六月定例会で可決に向けてじっくりと協議していきたい」と述べた。

 前島委員長が再検討を求め、自民は四日、執行部で協議したが、「意見の一致ができない状況は変わらない」として意見書に合意できない方針を再度、前島委員長に伝えた。同問題に対する意見書は、自民を除く県議会全会派が賛成する意向を示している。

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政治1(日本14-日本の侵略戦争-沖縄戦)」カテゴリの記事

コメント

昭和二十三年三月二十六日の集団自決は梅澤部隊長の命令ではなく当時兵事主任兼村役場助役の宮里盛秀の命令で行われた。これは弟の宮澤幸延が遺族補償のためやむえ得えず隊長命とした、ためのものであります

この程度は調べないと。で、このことは沖縄タイムスも知っているはずなんですよね。

 上記引用文にもある通り、「沖縄戦における、日本軍による集団自決の強制」は、「梅澤裕隊長の命令」を根拠とするものではありません。

 このことは、梅澤さんの訴訟代理人になっている弁護士の徳永信一さんも、昨日のテレビインタビューで、「隊長命令があったのかどうかということと、広く沖縄戦において他にもあった集団自決、これも含めて軍の強制や命令があったのか、ということは、別の問題だとということは、きちっとわきまえる必要がある」と述べられています(22日付「NEWS23」)。

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