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2007年5月 2日 (水)

少年法改悪―厳罰が子どもの立ち直り阻む

 刑事司法、被害者救済に関し、警察の権限強化や厳罰化によって問題が解決するかのような、単純な感情論に足をすくわれないようにしなければならないと思います。この問題を本当に解決したいと思うなら、もっと真剣で責任ある考察が必要です。今国会にかかっている少年法案に関して、まとまった記事だと思うので、今朝のしんぶん赤旗の主張を引用しておきます。

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2007年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

主張
少年法改悪
厳罰が子どもの立ち直り阻む

 十四歳未満の子どもたちに対する警察の調査を認め、少年院に送致する年齢を「おおむね十二歳以上」と小学生にまで広げる少年法改悪案の審議が参院の委員会で始まります。

 厳罰を科せば少年の凶悪犯罪が防げるという誤った子ども観のうえにつくられた改悪案は、少年の立ち直りを阻害する危険なものです。徹底した審議を通じ廃案にすべきです。

基本がなおざりのまま

 罪を犯した少年にたいし、教育的・福祉的な手だてを尽くし、その子の成長を促し、深い反省を求めて、再発防止につなげるというのが少年法の基本理念です。複雑な状況を抱える子どもたちのために、児童相談所や児童自立支援施設などの拡充をすすめることが求められているのに、政府・与党はこれを怠り、厳罰化で臨む態度をとってきました。

 今回の改悪案のきっかけは、二〇〇三年に起きた十二歳の中学生による四歳児殺害(長崎市)と〇四年の十一歳小学生による同級生殺害事件(長崎県佐世保市)でした。

 きわめて特殊な二つの事件が続いたことで、少年法見直しの動きが起きました。長崎市の事件の直後には、鴻池祥肇青少年育成推進本部担当大臣(当時)が「(加害少年の)親を市中引き回しの上打ち首に」と発言するなど、少年を保護し矯正する少年法の基本理念を投げ捨てた、冷静さを欠く議論が強まったのです。

 政府・与党は少年犯罪の低年齢化、凶悪化がすすんだといいますが、それは事実ではありません。十四歳未満の少年の補導数は一九八一年をピークに減少しています。「凶悪化」というのも事件報道からくるイメージの側面が強いものです。

 米国では七〇年代から極端な厳罰化が進みました。しかし、少年の重大犯罪の減少につながらなかったという実証的な研究がされています。国際的な経験でも、厳罰化は少年犯罪の抑止効果をもちません。

 こうした基本的な問題がなおざりにされたまま、子どもたちの未来にかかわる問題が決められようとしているのは重大です。

 法案が衆院で自民、公明両党の強行採決で可決されたさい、安倍晋三首相は「被害者の方々の気持ちも踏まえればこれはやむを得ないこと」とのべ容認しました。

 「被害者の気持ち」といいますが、少年犯罪被害者の感情は、ただ厳罰化を求めるほど単純なものではありません。佐世保事件の被害者の父は「子どもを被害者にも、加害者にもしないために有用な情報は社会に還元し、少しでも社会の疑問や不安に応えてほしい」と子どもたちの問題を踏まえた対策を訴えています。

 今度の少年法改悪案は、被害者の深い悲しみの中からの痛切な願いにまともにこたえるものとはいえません。問題は複雑で、受け止めも多様なのに、長い社会的な営みのなかでつくられてきた理念を軽んじ、結論を急ぐことは厳に慎むべきです。

児童福祉的働きかけを

 日本共産党は衆院で、この法案が非行防止にもっとも有効とされる福祉的ケアを否定し、罰と警察権限による子どもたちの監視を強めるもので容認できないと反対しました。全国百九十一の児童相談所のうち非行相談の組織はわずか九カ所にすぎないことをあげて施設の充実を要求し、柳沢伯夫厚労相は「体制強化の必要は認識している」と答えました。

 子どもたちを非行から保護するこうした真剣な努力を怠ったまま、ただ厳罰主義で臨む少年法改悪は、真の少年犯罪対策に逆行します。

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» 少年法改正シリーズ3:厳罰化と重罰化は癒しのポエム。 [犯罪学の防犯システム]
勘違いされる少年法の改正。気鬱的な大人たちは「凶悪化」を叫び、無能な政治家は「厳罰化・重罰化」を叫びます。この時、犯罪学で言う「ラベリング・セオリー」は気鬱的に「癒しのポエム」になるでしょう。... [続きを読む]

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