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2007年1月11日 (木)

志位和夫「『三つの異常』と世界の流れ」(新春インタビュー)

 自民党政治には、世界の他の資本主義国にも類例のない3つの異常な特質があります。1つ過去の侵略戦争を正当化する異常であり、2つアメリカいいなり政治の異常、3つ極端な大企業中心主義の異常です。志位氏はこれを世界の流れとの矛盾という視角から語りました。興味深かったので、メモを残しておきます。

 インタビューそのものは以下のURLにあります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-01/2007010101_01_0.html

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1.

 侵略戦争を正当化しようという潮流が未だにはびこっているのはおそらく日本だけ。

 安倍首相になって日中、日韓首脳会談が再開されるなどの前向きの変化。

 しかし、これは問題解決の出発点にすぎない。

 (1)自らの公式の言明を行動で裏切ってはならない。

 「従軍慰安婦」問題について日本政府に責任を認めるよう求める決議案が今度の米国議会に提出されるという。この決議は、昨年(06年)9月に下院外交委員会までは通過したが、本会議では採択まで至らなかった。これは日本政府が月6万ドルも払ってロビー活動を行ったため。

 (2)日中、日韓首脳会談で合意された、歴史認識の基本を共有する仕事に真剣に取り組むべし。

2.

 安倍首相は、自分の任期中に憲法改定を達成したいと公言したが、憲法改定の目的は、アメリカと一緒に海外で戦争をする国造りにあり、これは世界の流れに反する。

 2006年の世界の平和をめぐる動きでは以下の3点に注目した。

 (1)アメリカがどうなっているか。

 イラク戦争の大破綻がはっきりした。

 二重の大失敗がある。国連憲章を無視した無法な侵略戦争、宗派間対立をテコにして占領統治を進めるという一番悪いやり方(スンニ派の抵抗を抑えるためにシーア派の人たちを軍や警察に組み入れた)。

 それでもブッシュ大統領は、一国覇権主義軍事的覇権主義にしがみついている。

 他方、東アジアに対する対応では、全体として軍事の選択肢でない対応、外交的戦略をもって臨むということが前面に出ている。

 結局、一方でイラクでみられるように軍事的覇権主義にしがみついているが、しかしそれが破たんと孤立を深めるもとで、軍事一本やりでは対応ができなくなり、東アジアにたいしては外交的戦略をもってのぞんでいる。

 ところが、日本政府はアメリカの軍事的対応だけに追随し、外交的対応にはついていけない。

 (2)自民党政治は日米安保条約を絶対視している。

 しかし、21世紀の世界では、軍事同盟が解体、弱体化、機能不全に陥っている。米ソ対決の時代には花盛りであった。

 東南アジア条約機構(SEATO)―ベトナム侵略戦争でのアメリカの敗退で解体。

 中央条約機構(CENTO)―イラン革命を契機に解体。

 太平洋安全保障条約(ANZUS)―ニュージーランドの非核政策で3国軍事同盟としては機能停止。

 リオ条約―ラテンアメリカでの民主的変革で機能せず。

 北大西洋条約機構(NATO)―イラク戦争で、フランス、ドイツ、カナダなどが反対し、分裂。

 米韓軍事同盟―有事の指揮権を韓国軍に移す予定、軍事同盟の枠はあってもより自主的な方向に進もうという動き。

 こうして、軍事同盟をひたすら強化・拡大しようとしているのは日米安保条約のみ。

 世界は、軍事同盟(alliance)の時代から、共同体(community)の時代に変わりつつある。軍事同盟解体の後に自主的な平和の共同体が生まれ発展している。

 たとえば、ASEAN中心に東南アジア友好協力条約(TAC)が広がる。上海協力機構(SCO)の2006年6月の共同宣言。南米諸国共同体(CSN)の2006年12月のコチャバンバ宣言。

 さらに、CSNは、2005年5月にアラブ諸国と首脳会議。2006年11月にアフリカ連合(AU)と首脳会議、アブジャ宣言。次はアジア諸国との首脳会議を準備。

 つまり、これら共同体は、国連憲章に基づく平和秩序を作る、公正で民主的な経済秩序を築く、軍事的にも経済的にも一国覇権主義は許さない、という立場でネットワークを作り始めている。

 軍事同盟と平和の地域共同体の違いは2点。

 軍事同盟には仮想敵があるが、共同体にはない。

 軍事同盟には盟主がいて主従の関係が作られるが、共同体では、構成国の対等・平等、相互の主権の尊重が貫かれる。

 (3)非同盟運動が新たな活力を持って発展している。

 2006年9月の第14回非同盟諸国首脳会議の発言で、3段階で発展してきたと言われた。

 1961年の誕生から1991年のソ連崩壊まで。

 どちらの軍事同盟にも属さない、非同盟・中立の動きとして、民族自決権の擁護など世界平和のうえで重要な役割を果たした。ただ米ソ対決による制約もあった。

 1991年から最近まで。

 冷戦がなくなった以上非同盟運動も不要という議論が一部で出る中、どんな国の覇権主義にも反対だとして頑張った。

 今の時期。

 すべての国が世界政治の主人公になって新しい世界を作っていくという意気込みで運動が発展する時代。

3.

 小泉内閣から安倍内閣に引き継がれた「新自由主義」は世界で破綻が証明されている。

 (1)ラテンアメリカの民主的変革が新たな広さと深さを持って前進した。

 左翼政権が作られたのは、1998年ベネズエラ、2002年ブラジル、2003年アルゼンチン、パラグアイ、2004年ウルグアイ、2005年ボリビア。

 2006年には、10月にブラジルでルラ大統領再選、11月にはニカラグアでオルテガ大統領が16年ぶりに復活、12月にはベネズエラでチャベス大統領が3選。さらに、コスタリカ、コロンビア、メキシコで「新自由主義」の是非が大きな争点になって左翼勢力が僅差まで追い上げた。

 これらの国では、1980年代、90年代に、アメリカを先頭にしたIMF(国際通貨基金)路線(規制緩和、外資の自由化、民営化、社会保障の切り捨て)が、押し付けられた。

 (2)インドでは、2006年4月・5月の州議会選挙において、インド共産党(マルクス主義)を中心とした左翼勢力が、西ベンガル州とケララ州で圧勝。

 西ベンガル州。294議席中235議席(4分の3以上)。1977年に政権を獲得して以来7回連続勝利。

 ケララ州。インドで一番始めに左翼政権が作られたが、取ったり取られたりが続き、今回は140議席中98議席。

 トリプラ州。左翼政権が統治。

 3州で人口は1億2,200万人。

 (3)アメリカでも「新自由主義」は破綻が進んでいる。OECDの調査で発達した資本主義国17カ国の中で、「貧困率」はアメリカが1位、日本が2位。

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