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2007年1月27日 (土)

パレスチナ議会選1年、イスラエル・アメリカ等のハマス封じ込め・パレスチナ締め上げを排して公正な解決を

 25日はパレスチナの議会選挙でハマスが地滑り的勝利を収めて1年になる日です。しかし、イスラエル・アメリカをはじめとする国際社会は、ハマス政権に不当な圧力を掛け続け、パレスチナ人を塗炭の苦しみへと追い落としています。

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 従来からずっとそして今も侵害され続けているのはパレスチナ人の民族自決権であり、その結果としてパレスチナ人の生活と生命です。パレスチナ人の民族自決権を侵害しているのは、パレスチナの覇権を求めるイスラエルの侵略と占領であり、それを強固に後押しし支えるアメリカ、そしてそれに迎合する国際社会です。

 そして今このような行動を正当化しているのは、ハマスを単純にテロ組織だとする偽りの事実認識です。

 しかし本来据えられるべき事実認識は、イスラエル・アメリカの侵略(覇権主義的行動)であり、それを傍観ないしそれに迎合する国際社会というものです。

 僕たち同じ1つの人類社会を生きる者に求められるのは、このような虚構を排斥して、パレスチナへの内政干渉的圧力とイスラエル・アメリカの覇権主義的行動への傍観や迎合を止め、パレスチナ人の民族自決権の実現に貢献することだと思います。

 以下に引用する宮田律さん(静岡県立大学国際関係学部助教授)の説明と意見は、問題の本質を極めて正確に捉えたものだと思います。松本眞志さん(しんぶん赤旗カイロ特派員)の記事はこの間の経過の要領の良いまとめとなっています。森安健さんの記事(日経新聞特派員)は今のパレスチナの一断面を捉えたものとなっていると思います。

 この3つの記事は、論調が異なるとも読めますが、ともかく僕自身は宮田律さんの意見が正確で正しいものだと思います。

 参考のために、昨年の選挙のときの小泉大介さん(当時のしんぶん赤旗特派員)の記事と、イスラエルのガザ侵攻に関する尾崎芙紀さん(日本共産党国際局員)の記事へのリンクを張っておきます。

2006.01.28.パレスチナ評議会選挙、ハマス単独過半数

2006.01.28.(その原因(小泉大介))

2006.01.28.(パレスチナ問題に関する日本共産党の立場)

2006.07.07.イスラエル軍のガザ侵攻(尾崎芙紀)

2007年1月26日(金)「しんぶん赤旗」

パレスチナ問題公正な解決を
静岡県立大学国際関係学部助教授宮田律氏に聞く

 パレスチナで議会選挙が行われて25日で1年たちました。パレスチナをめぐる問題について、イスラム世界に詳しい静岡県立大学国際関係学部の宮田律助教授に聞きました。(小玉純一)

Palestineoccupiedarea  米国のイラク占領とならんで、各地の反米テロの背景にあるのが、パレスチナ問題です。それだけに、この問題の公正な解決は世界の安定にとって重要な課題です。

 イスラエルは2002年から分離壁の建設を始め、自国に有利に一方的に境界を引いています。重要でない入植地は明け渡すが必要な入植地は返さない。いわばパレスチナ人をガザと西岸の壁の中に閉じ込めようとしています。パレスチナ国家を認めるとしても分離壁を暫定国境にする話さえあります。

 イスラエルを支えてきた米国では、ユダヤ・ロビーだけでなくキリスト教右派の影響も近年強まり、イスラエル寄りの姿勢がいっそう顕著です。民主党議員でさえ、昨年のレバノン戦争で「イスラエルとともにある」(ヒラリー上院議員)と発言して右派の歓心を買うほどです。

2つの政治勢力

 パレスチナではファタハとハマスが主な政治勢力です。米国はファタハの穏健派にてこ入れし、ハマスを封じ込めようとしています。ファタハを率いるアッバス議長周辺には8,600万ドル(約103億円)の支援計画がありますし、選挙前倒しというアッバス議長の方針を支持しています。

 他方、議会選挙で過半数を制して誕生したハマス政府に対しては、援助をやめ、兵糧攻めにしています。パレスチナの力を分断して力を弱め、ハマスを政府から追い出すのが米国の狙いでしょう。

 こうしたやり方はファタハとハマスの権力闘争の背景にもなり、和平をいっそう困難にしています。米軍占領のイラクでも、米軍のシーア派への肩入れが宗派間衝突をつくり出しました。

 ハマス政府への援助停止について米国は、ハマスが暴力を放棄せずイスラエルの生存権を認めていないからだと言っています。

 たしかに2年ほど前までは、ハマスはイスラエル軍によるハマス指導者殺害に対する報復だとして、自爆テロでイスラエル市民を多数殺害しています。長期停戦を主張しますが、イスラエルの生存を認めるとは言っていません。

 このことがイスラエルと米国などによるハマス封じ込めに利用されていることを、ハマスは自覚すべきです。

 現に700万人近くの人々が住み、家屋もあるイスラエルを取っ払うのは不可能です。ハマス指導者もイスラエルと何らかの形で共存しなくてはならないという発言もしています。

困窮化で過激化

 ハマスを封じ込めようとしてパレスチナ自治政府への経済援助を断ち、人々を困窮化するのは過激派をいっそう急進化させかねません。

 イスラエルが封鎖を続けるガザには物資が入らず、たいした産業もなく職もありません。若者は人生に絶望しています。いつ自爆攻撃に身を投げても不思議でない状況です。こうした事態の改善に取り組むことが、テロをなくし中東和平を進めるためにも有効な方策となるでしょう。

2007年1月25日(木)「しんぶん赤旗」

パレスチナ議会選1年
住民の生活水準悪化
ハマスとファタハ対立続く

 【カイロ=松本眞志】パレスチナのイスラム武装抵抗組織ハマスが、2006年1月の立法評議会選挙で勝利してから25日で1年。この間、パレスチナ情勢は混迷を深めてきました。

 当時、ハマスは132議席のうち74議席(得票率44%)を獲得。イスラエルがヨルダン川西岸で分離壁建設を進めたことにパレスチナ側が反発を強め、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの失政への批判、行き詰まった和平プロセスに対する失望、生活改善要求の声が高まるなかでの勝利でした。

 一方で、直接選挙で選出される自治政府議長には、ファタハ出身のアッバス氏が留任し、両派の意見の相違がそのまま政権内部の対立へと持ち込まれ、1年間の政権運営に混迷をもたらすことになりました。

 対立の背景にあると指摘されるのは、ハマスがイスラエルの承認と暴力の放棄、過去のオスロ合意(イスラエル国家の承認と引き換えに、パレスチナ側が将来国家と想定するヨルダン川西岸とガザ地区への5年間の暫定自治導入)の順守を拒否していることです。

 これを理由にイスラエルは、代理徴収している関税や消費税の引き渡しを拒否し、欧米諸国は資金援助を停止しました。

 この結果、選挙でパレスチナ住民が求めた生活改善とは反対に、公務員給与の支払いが滞り、多くの人々の生活水準が貧困ライン以下に陥りました。

 昨年12月のイスラエル・パレスチナ首脳会談の結果、イスラエルは1月19日に代理徴収税の一部、1億ドルをパレスチナ側に引き渡しました。しかし、06年のパレスチナの財政赤字10億ドル(世界銀行推定)からみれば、焼け石に水の状況です。

 欧米からの資金援助を引き出そうと、06年7月に両派から統一政府形成をめざす動きがうまれ、最近でもアッバス議長はシリアのダマスカスでハマスの指導者メシャル氏とこの問題について話し合いました。しかし、ハマスがイスラエル承認拒否に固執しており、統一政府実現の見通しは厳しい状況です。

 エジプトのアルアハラム政治戦略研究所のイマド・ガード上級研究員は「両派の綱領は原則的に異なるため、統一政府形成は実際不可能だ。解決のためには議長選挙が必要だ」と指摘します。

 アッバス議長はこの間、立法評議会選挙と議長選挙の前倒しを主張し、ハマス側は任期以前の選挙は憲法違反だと拒否し、この問題でも両派は対立しています。最近の世論調査では、,パレスチナ人の60%が早期選挙を支持すると答えています(エジプト紙アルアハラム23日付)。

2007年1月26日(金)「日本経済新聞」

パレスチナ選挙 ハマス勝利1年
「暮らし悪化」市民に失望感
擁護の声も根強く

 イスラム原理主義組織ハマスが圧勝したパレスチナ評議会選挙から25日で1年が経過した。国際社会の援助凍結で生活水準は悪化し、ハマスヘの投票で変化を求めた市民は失望している。一方で「ハマスはチャンスを与えられていない」と擁護の声も根強く、評価は複雑だ。

 ハマス政権発足以来、16万人の公務員が受け取った給与は本来額の50%にとどまる。2006年に各省庁に割り振られた運営費は予算額の6分の1だった。

 政府は機能していない。ハマス最高幹部ザハル氏が閣僚を務める外務省。350人の職員のうち340人は前与党ファタハの構成員で「多くの幹部は外相の指示を一切無視する」(アジラミ・アジア担当局長)という状態だ。しかしイスラエルのアラブ専門家オデド・グラノト氏は「ハマスが弱体化したわけではない。イランと接近して軍事的にはむしろ強くなった」と指摘する。

 アッバス議長は一度は断念したハマスとの「挙国一致内閣」設置を再び模索し始めた。ハマス人気がなお高く、再び選挙に臨んでも勝つ見通しが立たないためだ。

(パレスチナ自治区ガザで、森安健)

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