« ヨルダン・アブドラ国王、「2国家共存が唯一の解決策」 | トップページ | 映画「公共の敵」 »

2006年12月22日 (金)

パレスチナ・アッバス議長による選挙前倒し実施の表明は問題を解決するか?

 パレスチナ自治政府のアッバス議長が選挙の前倒し実施を表明して以来ファタハとハマスの対立が激化しています。

 人気blogランキング投票←励みになりますのでクリックお願いします(^^)v

 しかし、今回のような事態に立ち至った原因は、1月の評議会選挙でハマスが単独過半数を制しハマス単独政権が誕生したことに対し、イスラエルが代行徴収している関税の送金を停止し、アメリカやヨーロッパ諸国が援助を停止したことにあります。つまりハマスが政権を握るのは認められないとして経済制裁を科した訳です。これは内政干渉ではないでしょうか。どうも納得できません。

 選挙は世界中の誰も文句を付けられないほど民主的で公正に行われました。その中で従来の指導的勢力であったファタハを抑えてハマスが地滑り的に勝利したのは、1つにはファタハの汚職と腐敗があまりにもひどいものであったことであり、1つにはハマス自身の貧困対策や医療・教育などの住民奉仕の活動が評価されたからです。これらの点には何の問題もありません。

 にもかかわらずイスラエルと欧米諸国がパレスチナに経済制裁を科すのは、ハマスが正面切ってはイスラエルを承認してないし武装解除にも応じないからです。

 しかし、ではイスラエル側がパレスチナをきちんと承認しているかと言えばそうではありません。パレスチナを占領ないしそれに準じるような状態にしこれを将来も固定化しようと分離壁まで建設しています。無差別の軍事攻撃も続けています。そうであってもイスラエルは経済制裁を受ける訳ではないし、武装解除が要求される訳でもありません。

 イスラエルでは3月に選挙がありやはりこの従来の態度を改めることのない政府が成立しました。しかしイスラエルには何の制裁も科されないままです。

 欧米諸国は明らかにイスラエルに肩入れしているのです。これではハマスが欧米諸国の要求通り振る舞えないのは当たり前のことでしょう。

 欧米諸国は、2国家共存の原則に立ってパレスチナ人の民族自決権を実現していく努力をこそなさねばなりません。その中には自らの誤った認識なり行動なりを改めていく努力も含まれるはずです。パレスチナへの一方的内政干渉のようなやり方ではパレスチナ問題は解決しないと思います。

 アッバス議長の選挙前倒し実施の提案はこのイスラエル・アメリカ・ヨーロッパの内政干渉に屈したものではないでしょうか。ファタハもハマスも一致団結してこの内政干渉と闘い自らの民族自決権を実現していく戦略と行動こそが求められていると思います。この行動の中にはファタハが1月の選挙でパレスチナ住民から批判された汚職・腐敗を改めていくことも含まれます。

 どんなに困難であっても内政干渉をはねのけ、自らの民族自決権を実現していこうとしない限り、結局は問題は解決しないと思います。東南アジアでは当たり前になった感のあるこの内政に干渉しないという原則は中東ではまだまだ確立されていません。この未確立という点に問題の核心はあるのではないでしょうか。

« ヨルダン・アブドラ国王、「2国家共存が唯一の解決策」 | トップページ | 映画「公共の敵」 »

政治3(世界3-中東)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/190737/13157056

この記事へのトラックバック一覧です: パレスチナ・アッバス議長による選挙前倒し実施の表明は問題を解決するか?:

« ヨルダン・アブドラ国王、「2国家共存が唯一の解決策」 | トップページ | 映画「公共の敵」 »

最近の記事

カテゴリー

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のコメント

興味のあるHP・Blog

無料ブログはココログ