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2006年11月18日 (土)

教育基本法改悪案の与党単独採決は間違っている

 この間の自民・公明の与党単独での教育基本法改悪案の採決が、まるで合理的で正しい行動であるかのように述べる者がいるので、それが事実を偽る誤った考えであることを改めて書きたいと思います。

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 1.15日午前、衆議院教育基本法特別委員会で中央公聴会が開かれました。これは、重要な案件について利害関係者や学識経験者の意見を聞く制度で国会の審議を充実させるためのものです。

 ところが、与党はこの公聴会の前に、15日の午後に採決することを勝手に決めてしまいました。公聴会は、その後の審議を充実させるためにあるのですから、公聴会の前から採決日程を決め、しかもその日程が公聴会の直後に採決するなどということは、この公聴会を無にするもので、それ自体が国会審議をないがしろにする行動です。これ自体が十分に批判されるべきです。

 実際、1999年に衆議院の厚生委員会で同じことがやられたときは、委員会に法案が差し戻され、審議が継続されたそうです。

 議論なり、審議なりは、そのための合理的なルール・手続を守ってやってこそ意味のあるものになります。ましてや公聴会が要請されるような重要な案件の場合はなおさらでしょう。

 2.また、ここで確認しておくべき事実は、採決するということは審議を打ち切るということですから、審議を拒否したのは与党であって野党ではないという事実です。

 この点、あまりにも当たり前であるだけに見落とされがちで、審議を拒否したのが野党であるかのような報道がなされますから、それは事実を偽る報道であることを明確にしておくべきです。

 3.以上のような与党が①ルールを踏みにじって②審議を拒絶したことを、与党は、既に「審議がつくされた」ことを根拠にして正当な行動だと言い張っています。

 しかし、(1)タウンミーティングでのいわゆる「やらせ質問」問題は、未だ調査中であり、「審議がつくされた」どころかまだほとんど審議されていません。

 この問題は、法案を提出した者(政府・文部科学省)が、税金から金を出して自己の法案を正しいと言わせていたというもので、それが事実なら、法案提出者には①そもそも法案を主権者たる国民の世論を汲み取ったものにする意思がなく②また現に当該法案がそのようなものでないということになりますから、そのような法案をそもそも真面目に審議する必要自体がないことになり、審議するまでもなく廃案にすべきことになるという重大な問題です。

 また、(2)未履修問題やいじめ自殺問題がこの間大きくクローズアップされてきましたが、これに対する法案提出者の関与・責任についても、それが疑われながらまだほとんど審議されていません。教育に関する重大問題についてその関与・責任を問われるような者が、教育に関する法案を作成するような権限がないことは常識に属することでしょう。この責任を果たして初めて法案を作成する権限が認められるのであって、そうでない限り、そのような者の作成した法案は審議するまでもなく即時廃案にすべきです。

 (3)この未履修問題といじめ自殺問題は、今目の前に現れた、教育に関する切実な問題です。一般に問題は差し迫った切実な問題から解決していくのが当たり前です。であれば、教育問題としては、教育基本法ではなく、この切実な問題から解決していくのが当たり前の順番です。

 ましてや、この切実な問題の根本には過度の競争主義・序列主義があり、このたびの教育基本法改悪案にはその根本問題を助長・悪化させるのではないかという重大な疑義が出されているのです。この点に関する審議は、まだほとんどなされていません。

 (4)さらに、この教育基本法改悪案は、①「愛国心」を国家が強制するものであり憲法19条に反する②国家が無制限に教育内容に介入することになり憲法26条等に反するという違憲立法の強い疑いが出されているものです。しかも、この疑いは東京地方裁判所の9月21日の判決で裏づけられました。にもかかわらず、この点の審議もほとんどやられていません。

 以上、要するに、「審議がつくされた」というのは、全くの偽られた事実だと言うべきは明らかです。

 4.さらに、教育基本法は、教育の根本法であり、憲法に準ずる重要な法律であることは、誰もが認めることです。従って、この法律は他の法律以上に慎重な審議が求められます。それを与党だけの意思で勝手に審議を打ち切る・審議をせずに採決するなどはとうてい認められるものではありません。

 以上、4点に分けて考えたところを書きましたが、衆議院の教育基本法特別委員会と本会議での、与党の強行採決を正しいものだという立場は、教育基本法という法律の性格を理解しない誤りを犯しているとともに、事実を偽ることによって論を組み立てるというどうしようもないひどい間違いなのです。

 このような重大な誤りを、政府や大メディアが犯すなどとは、低学力問題の重大性・切迫性を改めて認識せざるをえません。

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