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2006年11月21日 (火)

沖縄県知事選挙の結果は新基地建設を容認したものではない

 19日の沖縄県知事選に関する、翌日の各紙の社説を読んでみました。朝日・読売等の全国紙と、琉球新報・沖縄タイムスという地元2紙の社説では主張が異なります。

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 全国紙の方は、その調子は異なるものの、選挙結果は米軍再編による名護市での米軍新基地建設(普天間基地の県内移設)へ1歩近づいたとしてさらに前進させることを求めています。

 朝日は、県内移設の方が現状よりもましだという考えが県民の間に広がったとし、当選した仲井間弘多氏には稲嶺恵一現知事のような足かせはなく県内移設をはるかに推進しやすいと述べます。

 毎日は、移設計画は日米の約束事であるからこのままでよいわけがなく、政府は計画を前に進めるべきだと言います。

 読売は、「普天間飛行場移設へ前進を図れ」と題し、選挙結果は県民が現実的な問題解決を期待したことを示しているのだから、仲井間氏には稲嶺氏の轍を踏むなとし、政府には具体的な建設計画策定の作業を進めろと言います。日米同盟の強化が不可欠であり、今のままでは日米同盟の基盤が損なわれると言うのです。

 日経も、このままでは日米同盟の信頼性を著しく損ねるのであり、政府はきちんと約束を果たす責任があり、首相は米軍再編に強い指導力を発揮すべきだと言います。その上で稲嶺氏のやり方ではダメで仲井間氏には現実的な解決策を探る努力を求めています。

 産経は、日米同盟は日本の命綱だとして、仲井間氏に日米安保体制を円滑に運用するための現実的な対応を求めます。その上で、沖縄での米軍再編が進まないのは、稲嶺知事の誤った対応に原因があり、それを許したのは、移設が長引くほど沖縄県に交付金が支給されるという仕組みがあるためだとし、仲井間氏はこういう沖縄県の国への依存体質を払拭すべきだと要求します。

 ところが琉球新報は、「仲井真氏には、日米政府に県民が翻弄(ほんろう)され続ける構図に終止符を打ってもらいたい」、「政府との太いパイプは、県民の意思を十分に伝え、難題の解決につながる抜本策を引き出す形で生かすべきだ」、「県民が選択した柔軟路線はあくまで政府との対話促進を強く望んだものであり、振興策と引き換えに基地の重圧を我慢してもよい―ということではない」と述べています。

 政府に対しては、「県民の頭越し姑息(こそく)な沖縄対策を画策すれば反発を強め、解決が遅れるだけである。それは普天間飛行場の移設問題を見ても明らかであろう」、「政府が、選挙結果を『米軍再編へのゴーサイン』と受け止めたとしたら、県民の真意を見誤ることになる」と警告します。

 また、「パイプの使い方を誤れば、脅しともとれる基地と振興策のリンク論を再浮上させることになる。パイプの流れは、やがて政府からの“一方通行”になり、ごり押しが強まってくる可能性も否定できない」、「政府はしたたかだ。仲井真氏当選を受け、米軍再編に関係する自治体に交付金を拡充する米軍再編推進法案を来年の通常国会に提出する方針だが、県からの移設同意取り付けが難航した場合、移設予定海域を埋め立てる際に必要な公有水面の使用権限を知事から国に移す特別措置法の提出という強攻策に出る可能性もある」と政府に対する警戒も露わです。

 この背景には、「沖縄は復帰後も、日米安全保障体制の下で東アジアなどをにらむ軍事拠点とされ、過重な基地負担を強いられてきた。広大で精強な部隊が駐留する軍事基地の重圧は県民生活の向上を阻み、いびつな地域空間や都市空間を形成し、思うように自立経済を構築できない状況を余儀なくされている」という認識があります。

 僕はこの認識こそが真実であると思います。基地を拒絶したときにこそ本当の経済振興があるということです。

 沖縄タイムスも、「基地についてはむしろ『新基地は造らせない』という糸数氏の主張が一定の支持を集めたのは確かで、仲井真氏の基地政策がそのまま容認されたと見てはなるまい」として、「有権者の中に、県民意思を無視しても、政府は『普天間』代替施設を強権的に建設するという諦めにも似た受け止め方があったのかもしれない」、「嘉手納基地以南の施設返還も代替施設の進捗次第、北部振興策もリンク―という日米両政府の狡猾さに地域が取り込まれたと言うこともできよう」と見ています。

 その上で、仲井間氏が「地元の声を聞きながら解決を図る」と述べたことを取り上げ、この「地元の声」とは、「1997年12月の海上ヘリ基地建設の是非を問う市民投票で、名護市民の52.8%が反対の意思を示した」、「96年の県民投票でも89.09%が『米軍基地の整理・縮小』などに賛成したことを考えれば、『普天間』移設は県外か国外にというのが県民総意であり、これが原点だということを忘れてはなるまい」ということだとします。

 こうやって比べただけでも、沖縄の現状と今度の選挙結果をどう見るべきかが分かりますし、全国紙がいかに現状を無視して政府広報のような偏った報道をしているかが分かります。何度も繰り返していますが、人々の気持ちを正確に把握し事実を直視することが何よりも大切です。

(朝日)http://www.asahi.com/paper/editorial20061120.html

(毎日)http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20061120ddm005070100000c.html

(読売)http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061119ig90.htm

(日経)http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20061119MS3M1900219112006.html

(産経)http://www.sankei.co.jp/news/061120/edi001.htm

(琉球新報)http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html

(沖縄タイムス)http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20061120.html#no_1

 さらに、しんぶん赤旗の以下の記事も参考になります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-21/2006112103_01_0.html

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