チャン・ジン監督、脚本。
テレビで見ました。うーん、残念ながら、僕の感想としては今一つでした。強盗殺人罪で無期懲役になっている主人公が、1日だけ刑務所からの出所を許され息子に会うというテーマで、これ自体はいいのですが、期待とは違った作品でした。
前半が、僕には単なるファンタジーと感じられて、物足りませんでした。仕事の都合か何かで15年間会えなかった父親と息子の再会といったのと同じような描き方に思え、強盗殺人を犯した父親と息子の15年ぶりの再会という描き方ではないように思えたのです
後半に大どんでん返しがあって、それ以降の展開はまずまずいいのですが、全体としてはやはり今一つです。
結局、いいテーマで、いい話なのですが、物足りない。
ワン・チュアンアン監督。
生活の中での事故により下半身不随となった夫と2人の子供を養う、中国は内モンゴル自治区に住む女性が、自らもそれに近い状態に陥ったため、家族4人が生きていく労働力を得るべく、愛する夫と離婚して新たに結婚するという道を選ぶ中で展開される物語。
本人と社会の貧しさの中で、主人公トゥヤーが家族への愛を貫こうとして引き受けてしまう苦難を描いています。以前、中国南部の奥地で今も残るある少数民族の一妻多夫制のドキュメンタリーを見ましたが、それも貧しさ故の制度でした。1つの家族を1人の夫の労働力では支えられないが故の一妻多夫制なのです。本作もこれとは事情が異なりますが、類似の問題だと思います。
男女の愛情、その結果としての結婚と家族は、当然生きること、従って生活することを前提にしますから、極端に貧しい国と地域ではこういうことが問題になりますし、ここまでの貧しさは基本的にないといってよいであろう日本でも、別の形でこの愛情と生活が問題になるのだと思います。そういう意味では他人事ではありません。
こういう苦難の中で、トゥヤーとその家族、また幾人かの求婚者達の人柄が露わになり試されて行きます。落ち着くべき所に事態は進んで行きますが、それは一直線ではないし、ゆっくりとでしかありません。しかも苦難そのものが解決する訳でもありません。人間は完全なものではないからでもありますが、貧しさは個人の努力によって解決できるものではないからだと思います。
苦難を真正面から描くと共に、その中に垣間見える様々な形のささやかな希望をも描き、とても良い作品だと思いました。
パク・フンシク監督。「初恋のアルバム -人魚姫のいた島-」の監督ですが、「京義線(キョンイセン)」の監督とは同姓同名の別人だそうです(「yohnishi's blog (韓国語 映画他)」のこの記事を参照)。
ごく平凡な男女の平凡な恋の物語。見たのは今回2度目ですが、1度目はソル・ギョングさんに関心を持ったときに見、今回はチョン・ドヨンさんにも関心を持ったので再度見ました。
2度見てやっと分かりました。この2人の優れた役者が演じたからこそ、これが作品として成功していることを。2人は平凡さを本当に自然に演じています。それを感じ取れたときに、この平凡な人生と恋の中の幸せと、その大切さを感じ取れたような気がしました。つまらない作品だと思う方もたくさんいらっしゃるでしょうが、2度見たお蔭でかなり好きな作品になってしまいました。
パク・フンシク監督。ただし、「初恋のアルバム -人魚姫のいた島-」や「私にも妻がいたらいいのに」のパク・フンシク監督とは同姓同名の別人だそうです(「yohnishi's blog (韓国語 映画他)」のこの記事を参照)。
飛び込み自殺のために人を轢く結果となった地下鉄運転士と、専攻を同じくする先輩との不倫に敗れたドイツ文学の大学講師が、たまたま乗り合わせた京義線(キョンイセン)の終電で終点まで乗り過ごしてしまい、1晩抱える事情を語ったことを切っ掛けに再生していく物語。
飛び込み自殺をしたのは、この運転士に毎月定期的に差し入れをしていた足の悪い女性です。この女性が未だ謎として残ります。もう1度見たい作品です。
チャン・ユニョン監督。
これもチャン・ドヨンさん目当てで見た作品。古い恋で傷を抱えた2人がネットのチャットで知り合い、気持ちを深め合って最後には出会うというよくある物語ですが、なかなかしゃれた撮り方をしており、また2人の屈託のある様子が割とよく描かれていて、とてもいい作品でした。男役のハン・ソッキュさんはもちろん、女役のチョン・ドヨンさんがとてもいい雰囲気を出してます。この人は、「シークレット・サンシャイン」でもそうでしたが、何か割り切れないものを抱えながら生きている役が一番いいかもしれません。もう11年も前の作品ですが、お勧めです。
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