カテゴリー「政治1(日本04-自衛隊)」の12件の記事

2008年10月 6日 (月)

スーダン自衛隊派兵決定―栗田禎子「スーダンPKOへの自衛隊派遣めぐって―『平和協力国家』の名による『アフリカ支援』に要注意!」

 政府は3日、閣議決定しました。スーダンやアフリカの抱える問題の解決ではなく、軍事的関与自体に夢中になる政府・与党の姿勢に注目し、警戒・批判していかなければならないと思います。

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 4日付のしんぶん赤旗の記事を引用すると共に、この問題に関してはしんぶん赤旗8月26日付に栗田禎子(くりた・よしこ)さんが論評を書かれており、すっきりとした視点を提供してくれていますので、その論評を、そこで批判されている朝日の社説(7月1日付)と共に、引用しておきます。

2008年10月4日(土)「しんぶん赤旗」

政府、スーダン派兵決定
2自衛官 アフリカに軍事関与

 政府は三日、国連平和維持活動(PKO)の一つである国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部への陸上自衛官二人の派遣を閣議決定しました。PKO協力法に基づくもので、スーダンへの派兵は初めてです。

 自衛官はそれぞれ、①軍事部門司令部・兵たん計画室で活動する「兵たん幕僚」②国連事務総長特別代表室・情報分析室でデータベース管理にあたる「情報幕僚」―として活動します。今月中旬ごろ赴任します。

 任期は当面、来年六月末までですが、活動の根拠となる国連安保理決議に基づく期限延長が想定され、政府は継続的な派遣を検討しています。

 UNMISは二〇〇五年三月に設立が決定。司令部を首都ハルツームに置き、二十年を超える内戦が続いてきたスーダンの南北包括和平合意(同年一月)の履行支援などを任務にしています。七月末現在で、米国や中国など合計約一万人の要員が活動。八月末現在で三十八人が死亡しています。

民間活動を阻害

 栗田禎子千葉大教授(北アフリカ近現代史)の話 司令部要員のみの派遣とはいえ、スーダンPKOに自衛隊が参加すれば、南北和平プロセス全体が終わる二〇一一年まで関与する可能性が高く、日本がアフリカへの軍事的関与を深めていく一歩になりかねません。現地では多くの日本の民間団体が活動していますが、日本の軍事的関与で、これらの活動が阻害される可能性もあります。

陸自部隊の派兵も視野
官房長官

 河村建夫官房長官は三日の記者会見で、スーダン南部での国連平和維持活動(PKO)に陸上自衛隊の部隊を派兵する可能性について「具体的な検討に入っているとは聞いていないが、そういうことも視野に入っているのではないか」と述べ、将来はあり得るとの見方を示しました。

 中曽根弘文外相は同日の会見で「今のところは全く白紙」と述べました。

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2008年2月25日 (月)

イージス艦衝突事件、問題の核心は「あたご」の「自動操舵」

 イージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突し沈没させた事件を巡って、自衛隊と政府・防衛省が、いかにも「清徳丸」に責任があるかのような情報を小出しにし、撤回したり居直ったりしてひんしゅくを買っています。「あたご」艦長の舩渡健・一等海佐への事情聴取もまだ行われていません。

 自衛隊は、「『あたご』が『清徳丸』を発見したのは衝突2分前だ」、「『あたご』の見張り員が『右方向に緑の灯火を見た』」、「水上レーダーでは小型船が映らないことがある」、「『清徳丸』と衝突する直前、短い警笛(汽笛)を5回鳴らした」、等々と述べています。

 これらの発言がすべて嘘であることは、他の様々な証言からすでに明らかだと言っていいと思います。

 しかし、問題の核心は、世界でも3本の指に入るこの混み合った海域で、「あたご」がずっと「自動操舵」で進んでいた点にあると思います。事故を起こそうが起こすまいが、この事実にこそ自衛隊の考え方、従って自衛隊がいったい何のためにあるどういう組織であるのかが如実に表れていると思うからです。

 すなわち、自衛隊は決して「国民を守る・その安全を守る」ためにあるのではないということです。「国民を守る」ことを考えて自衛隊があるのなら、このような混み合った海域で「自動操舵」で運転を続けるなどということは決してないでしょう。

 これは都心の混み合った道路で、大型トラックがスピードを緩めることなくひたすら直進を続けるのと同じことです。このような運転をするトラックがあるでしょうか、あるいはこのような運転をしていいのでしょうか。いい訳がありません。必ず事故を起こし、人の死を招くのは必定だからです。もしこのような運転をすれば、結局殺人罪で処罰されるのは明らかなことです。「国民を守る」なんて大上段なことを言わなくても誰もこんなことはやりません。

 しかし、イージス艦「あたご」はこれをやりました。しかも、「国民を守る」と一貫して大声で叫びながら、これをやったのです。

 自衛隊は「国民を守る」ためにある、ということが、いかに空々しい嘘であるかが、これで実証されたと言っていいと思います。

 では、自衛隊はいったい何のためにあるのか。

 政府が何らかの軍事政策を実行したいと考えているから、そのためにあるのでしょう。そして、その軍事政策が、国民に納得してもらえるようなものでないから、「国民を守る」ためなどと嘘を言わざるを得ないのでしょう。

 そうすると、自衛隊がこれからも存続を認められるためには、この軍事政策が必要な正しい政策だということを国民に納得させるか、あるいは今は嘘に過ぎない「国民を守る」ということを、本当にそうするような組織に抜本的に改造しなければならないことになります。

 とまれ、「あたご」が「自動操舵」で運転していたこと自体が、最大の問題点であることを忘れてはならないと思います。自衛隊と政府・防衛省がせいぜい見張り員の不注意の問題にしようと画策していると見られるのでなおさら重要だと思います。枝葉末節にとらわれないようにしないとごまかされます。

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2007年11月25日 (日)

こんなに怪しい自衛隊・防衛省の軍事利権―『週刊朝日』11月30日号より

 額賀福志郎財務相などの軍事利権の疑いを全く調べようともせず、他方で消費税率引き上げは「そうせざるを得ない」と断言して憚らない福田首相ですが、先週発売された『週刊朝日』11月30日号に「米国製の8倍も!自衛隊『超高額』兵器カタログ」(臣永正廣・署名記事)という記事があります。自衛隊・防衛省の無駄遣い振りに改めて驚きました。

 同記事は、自衛隊とアメリカ・ヨーロッパの軍隊で現在使われている同種・同程度の性能の兵器・装備品を比べ、自衛隊のものが恐ろしく割高であることを明らかにしています。

 もちろん安ければいい、安いから外国から調達すればいいというものではありませんが、しかし、割高だということは、日本・アメリカの軍需企業が如何に大きな利益を上げているかということを示していますし、企業が政治家・官僚に湯水のように賄賂を配れる大いなる可能性を示しています。

 同記事に掲載されたカタログとコメントを引用しておきます。同記事は他にも色々問題点を指摘しており、簡単に読めるものとして興味深い。詳しくは同誌を参照してください。

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89式小銃(日本)
34万7,000円
 あれもできる、これもできるとカタログデータは優秀だが、複雑で繊細なつくりのため高価な割に実用性は大いに疑問。
M-16A2(アメリカ)
4万円
 ベトナム戦争時に開発された米軍のM-16の改良モデル。これをライセンス生産したカナダ製のC7は7万円程度。コスト高となる自主開発にこだわらない好例だ。

89式装甲戦闘車(日本)
6億7,800万円
 大口径の35ミリ機関砲を備えてはいるものの戦車並みの高価格で配備が進まず、少量生産のため、さらにコスト高になる悪循環。
ウォリアー歩兵戦闘車(イギリス)
1億2,700万円
 日本の89式と同じ7人の歩兵を運ぶ輸送車両。手堅い設計の上に湾岸戦争を教訓に余計な装備を省略。

AH-1Sコブラ攻撃ヘリ(日本)
48億6,600万円
 アメリカが開発した世界最初の攻撃ヘリ。だが、60年代のモデルで速度が遅く、時代遅れ。細々としたライセンス生産で高価格化。
AH-1Fコブラ攻撃ヘリ(アメリカ)
15億円
 アメリカ陸軍は90年代には後継のAH-64アパッチを採用したが、海兵隊は双発のAH-1Wの後継にAH-1Zを採用。日本と違って廉価だ。

62式機関銃(日本)
200万円
 射撃に「職人技」が必要なほどクセがあり、弾詰まりや部品の緩みなど不具合続出で信頼性はほとんどゼロ。
FN MAG機関銃(ベルギー)
80万円
 泥、雨、雪、砂等の過酷な環境下でも常に確実に作動する強度と信頼性で、世界70カ国以上で採用されている。

90式戦車(日本)
9億1,000万円
 当初の性能は世界水準だったのに、開発の長期化と調達計画のずさんさで時代遅れに。さみだれ式の少量調達のために割高にも。
M1-A1戦車(アメリカ)
4億円
 性能、信頼性、実績のすべてにわたって最高の評価を受けるアメリカ軍の主力戦車。改良型のA2、A2SEPなど進化を続ける。

アパッチAH-64D攻撃ヘリ(日本)
85億円
 世界最強の攻撃型ヘリ。最新式の電子システムを搭載しており、戦闘攻撃能力は他の追随を許さないといわれる。
アパッチAH-64Mk1攻撃ヘリ(イギリス)
55億円
 アメリカ軍の同タイプで同性能のヘリを同じようにライセンス生産をしているのに、これまたイギリスの方が30億円も安いのはなぜ?

F2支援戦闘機(日本)
118億9,000万円
 アメリカのF-16をモデルに国産開発。当時、世界最高価格にして性能は最低といわれた戦闘機。先月31日、F2Bが名古屋空港で墜落炎上。
F-16C/D戦闘機(アメリカ)
50億円
 F-16の発展型。機動性、操作性に優れた多目的戦闘機。制空戦を主眼にした軽量戦闘機だが、対地攻撃能力も非常に高い。

F-15戦闘機(日本)
120億円
 三菱重工がライセンス生産しており、現在200機あまりを配備。この数は本家のアメリカ軍に次ぐ大量保有である。
F-15戦闘機(アメリカ)
80億円
 機動性に優れたアメリカ空軍の主力戦闘機。実践で撃墜された記録がなく、世界最強の戦闘機のひとつといわれる。

エアクッション型揚陸艇LCAC1(日本)
66億円
 ホバークラフトタイプの水陸両用揚陸艇。旧式タイプなのにアメリカの新式艇より高額。日本での必要性を疑問視も。
エアクッション型揚陸艇LCAC91(アメリカ)
20億円
 時速70キロで航行し、障害物のある海岸でも戦車やトラックなどを搭載して強行上陸が可能。アメリカ海兵隊ならではの装備だ。

2007年11月24日 (土)

軍事利権問題、「私に何をやれというのか」と自ら解明することを頑なに拒む福田首相

 これまた傲慢で、不真面目・不誠実です。こんな居直りが許されるものなのでしょうか。日本の総理大臣という職業は、本当にお気楽・無責任な仕事なんですね。

 額賀福志郎財務相、久間章生前防衛相、守屋武昌前防衛事務次官が関わる軍事利権問題を、大臣の任命権者、自衛隊の最高指揮官たる福田首相自らが解明すべきことを説かれて、居直ってしまってます。

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 首相 私も頭にきている。志位さんと同じくらい怒っている。それで、官邸に第三者委員会を設けた。官房長官を責任者にして、規律問題、情報管理の問題、調達の問題で第三者委員会をやる。

 志位 聞いていることに答えていない。総理として、真相解明にあたるべきではないか(と聞いた)。首相自身が自衛隊の最高指揮官だ。自ら任命した大臣が疑惑の渦中にあるというもとで、これを自ら解明する立場にたつのか。

 首相 私に何をやれというのか。そんな権限はない。もう司法の世界に移っている。

 志位 宮崎氏はすでに逮捕されているが、額賀氏は現に大臣として仕事をしている。司法の問題ではなくて、政治の世界できちんとやるべきではないか。

 首相 共産党は委員会で厳しく追及しているではないか。何をやれというのか。

 志位 大臣を呼んで真相を問いただしたらいい。首相としての解明責任、説明責任が問われているのだ。

 一部引用したしんぶん赤旗の記事と志位・福田両氏の発言要旨は、ここここ

2007年9月20日 (木)

佐藤正久・参院議員(自民党)の「駆けつけ警護」発言に弁護士らが抗議集会(追加)

 元陸上自衛隊イラク先遣隊長だった佐藤正久・参院議員(自民党)が、TBSテレビのニュース・インタビューで、イラク派兵時に事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったと発言した問題で(8月13日の記事9月4日の記事)、昨日、弁護士や市民団体が「文民統制無視発言 抗議集会」を参院議員会館内で開催したそうです。

 呼びかけ人の代表を務める中山武敏弁護士が「国会でもおおいに取り上げてもらいたい」と語り、日本共産党の赤嶺政賢・衆院議員や社民党の近藤正道・参院議員が、国会で取り上げたいと応じたそうです。

 また、集会では、自衛隊内の教育資料「武器使用権限の要点」について報告があり、自衛隊が組織的に「駆けつけ警護」を考えていたことが明らかにされたそうです。

 自衛隊という実力組織が法を蔑ろにしているもので、武力で社会のルールを蹂躙する第一歩となるものです。忽せにできない問題です。

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 これを伝える今朝のしんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

 また、ヤメ蚊さんのブログ「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」の以下の記事も参考になります。

9月20日「駆け付け警護発言抗議集会を朝日、東京が報道~佐藤正久氏の回答を待つ!」

9月20日「サブタイトルは、国民を戦争に巻き込む抜け道「駆け付け警護」を許すな!~駆け付け警護集会」

 後者の記事には、纐纈厚・山口大学教授のインタビュー(朝日新聞9月2日付)が引用されていて勉強になります。

 さらに、杉浦ひとみさんのブログに集会の詳しい報告があります。それによれば、参加したのは共産党と社民党の議員で、民主党の議員は参加してなかったそうです。ヤメ蚊さんのブログで引用されている東京新聞20日付は誤報ですね。

9月21日「19日の「文民統制無視発言」抗議集会の報告」

2007年9月20日(木)「しんぶん赤旗」

戦争準備 背筋寒い
イラクでの陸自「駆けつけ警護」発言
弁護士ら抗議集会

 元陸上自衛隊イラク先遣隊長だった佐藤正久・自民党参院議員が、テレビの報道番組のインタビューで、イラク派兵時に事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったと発言した問題で十九日、弁護士や市民団体が「文民統制無視発言 抗議集会」を参院議員会館内で開催しました。約百人が参加しました。

 呼びかけ人の代表を務める中山武敏弁護士は「立法に携わり、法律を順守すべき国会議員の発言としては、黙視するわけにはいかない。非常に危険なものを含んでいる。国会でもおおいに取り上げてもらいたい」と集会の意義を語りました。自衛隊内の教育資料「武器使用権限の要点」について報告があり、田場暁生弁護士は「この資料を見れば、自衛隊が組織的に『駆けつけ警護』を考えていたことは明らか」と指摘しました。

 参加者からも「『満州事変』の発端となった柳条湖事件を思い出した」「今回の問題は、わたしたちの知らないところで、公然と憲法を蹂躙(じゅうりん)し、戦争の準備がされているということ。背筋が寒くなる思いだ」などと意見が出されました。

 日本共産党からは赤嶺政賢衆院議員が参加。憲法を蹂躪(じゅうりん)した自衛隊のインド洋の現場など、各地での暴走ぶりを指摘しつつ、「『駆けつけ警護』問題でも国会で取り上げ、一緒に追及していきたい」とあいさつしました。社民党からも議員が参加しました。

2007年9月 4日 (火)

イラクで脱法的軍事行動を画策した佐藤正久・参院議員(自民党)、質問に答えず

20070713satoumasahisa  イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官だった佐藤正久氏(現在、自民党参議院議員)が、もしオランダ軍が攻撃を受ければ「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」、「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。(略)日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれる」と述べて、イラクに派兵された自衛隊が違法な軍事活動にのめり込む計画を持っていたことを自ら暴露した問題で(8月13日の記事)、弁護士・市民グループがその事実と真意を問い質す公開質問状を同議員に送っていましたが、とうとう佐藤議員は回答しませんでした。

 自らが軍事力を手にして意のままになることをいいことにして、国と国民の安全を守るという軍人の根本義務に反する計画を持っていたことを消極的に認めたと言っていいでしょう。

 佐藤氏は、自衛隊ぐるみ支援で7月の参院選に自民党から当選しました。軍人としての基本的な規律すら守れないような者を、自衛隊が公務員・軍人の政治的中立性を踏み破って国会議員にしたのですから、ことは佐藤氏個人の問題に止まりません。

 自衛隊が、自ら自由に行使できる軍事力を頼みにして、政治を動かそうとしているという問題です。止めさせなければなりません。

 上記の写真は、7月12日に防衛省前で参院選の第一声を上げる佐藤氏の写真です。関連するしんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

 また、質問状の提出者の1人である、杉浦ひとみさんのブログに詳しく書かれています。さしあたり以下の記事を参照。

9月4日付「佐藤正久氏問題報告 ~  回答に関する記者会見と今後」

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2007年8月14日 (火)

続く国民世論へのなりふり構わぬアメリカの圧力

 テロ特措法延長問題をめぐる、日本国民へのアメリカの厚かましい圧力は続きます。

 アフガンへのアメリカの報復戦争に関する機密情報を日本の全国会議員に開示する考えを示したそうです(朝日電子版14日付)。朝日、毎日、日経のインタビューに答えて明らかにしました。

 民主党の菅直人代表代行は、既に5日フジテレビ番組で「当時の審議でも国会の事前承認などが満たされれば賛成できるところまでいっていた。一切支援すべきではないという姿勢で反対したわけではない」と述べ、法案の修正協議に応じる可能性に含みを残し、具体的には「どれくらいの物を(米軍などに)提供しているのか資料を要求しても答えない。政府の姿勢が変わらなければ民主党も姿勢を変えられない」と述べたそうですが(日経6日付)、この発言を手がかりにしているのでしょうか。

 外国の大使が、なりふり構わず、日本の国内法の延長を日本の野党に要請する姿自体が、テロ特措法延長が誰に奉仕するものかを端的に物語っていると言えるでしょう(しんぶん赤旗12日付、坂口明記者)。

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小池防衛相の次官人事抗争の発端は仲井間弘多・沖縄県知事

 知っている人は知っていることなのかもしれませんが、この間の小池百合子防衛相による守屋武昌事務次官外しの行動は、沖縄県知事の仲井間弘多氏の提案によるものだったそうです(日経14日付、最後に全文引用)。

 「県や名護市が求める米軍普天間基地移設案の修正を拒む守屋氏交代の内定と引き換えに、移設手続きの第一歩となる環境影響評価方法書を沖縄県に提出。これを手柄に訪米、という算段だった」そうなのです。

 ここで問題になっている米軍普天間基地移設とは、住宅密集地にある普天間基地の問題を解決するという見せかけを使って、名護市に最新鋭の新米軍基地を建設するというものですが、仲井間氏がやろうとしていることは、この見せかけをより尤もらしいものにすることに過ぎません。

 他方、小池氏は、日本の実際上の支配者たるアメリカにこびを売り、自らの仲間たる自民党・政府を踏みつけにしてでも自分の地位が欲しいという、極端に卑しい自分の権力欲を満たそうとしています。

 この小池氏の極端な卑しさ・嫌らしさは、この間の彼女の訪米を報道するメディアでも十分に報じられました。

 しかし、ここで注目したいのは、この卑しさ・嫌らしさを利用して自らの地位を守ろうとする仲井間氏の行動です。

 昨年11月19日の沖縄県知事選で示された世論は、名護市の新たな基地建設を認めたものではありません(11月19日の記事21日の記事)。仲井間氏にも県民世論に基づく大義ある政治行動が強く求められます。世論をなめたらどういうことになるかは今回の参院選でよーく証明されたはずです。

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2007年8月13日 (月)

佐藤正久・参院議員(自民党)が、イラクで脱法的に武力行使を画策

 ヤメ蚊さんがブログ「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」で、「国民を騙すつもりだった~佐藤正久は議員として不適切、直ちに辞任せよ!」という記事を書いていることを知りました。

 詳細は下に引用したTBSの10日付のニュースを読んでもらうとして、情報保全隊の国民情報収集活動(国民監視活動)でもそうですが、こんな自衛官が指揮官なんて、どこにシビリアンコントロールなどあるんでしょう。法律や憲法に則った行動のできない者は、自衛官であろうが国会議員であろうが、辞めさせられるべきです。さらに、法を踏み破る決意を持った者に武器を持たせるなどもってのほかです。

 イラク特措法の本当の目的とその危険性が当事者の口から語られたものと言ってもよいでしょう。改めてテロ特措法とイラク特措法は廃止されなければなりません。

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 次々とブログで取り上げられているようですが、トム丸さんの記事にリンクしておきます。

8月12日「元自衛官佐藤正久参院議員のトンデモ度」

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2007年8月10日 (金)

テロ特措法延長をめぐって国民を恫喝する日経社説

 テロ特措法をめぐる問題で「花・髪切と思考の浮游空間」のこれお・ぷてらさんからTBを頂いた。「『読売』はジャーナリズムか。社説で『政権担当能力に疑問符』」と題する記事です。内容・リンク先共に有益ですので是非お読みください。

 さて、僕の手元にある日経新聞もやはり小沢氏を批判しています。テロ特措法は延長されなければならないというものです。理由は、アメリカのアフガニスタン侵略は国連安保理決議に基づくものだということと、この対アフガニスタン軍事行動にイスラム国たるパキスタンを引きずり込む上で日本の給油活動が不可欠だということです。

 これに対する批判は上記リンク先のこれお・ぷてらさんやゴンベイさんにお任せするとして、僕がここで問題にしたいのは、この社説の最後に「私たちはインド洋での活動の継続を必要と考えるが、民主党が延長反対を貫く場合には、参院で延長法案を早期に否決し、衆院が3分の2で再可決する時間を確保すべきだろう。そうでなければ、第1院に示された民意よりも第2院のそれが優先する結果になる」としている点です。

 この二院制・参議院をめぐる議論は今回の参院選挙以来またあれこれ論じられていますが、これが本当にうさんくさい。いずれ機会があればまとめて書きたい気がしているのですが、今回はこの日経社説に文句をつけるにとどめておきます。

 日本の二院制は、多様な民意をできるだけ忠実に国会に反映させて国民を「代表」する機関としての実態を持たせるためのものです(憲法43条1項)。そうやって国民代表制を満たしてこそ初めて「国権の最高機関」(41条)と言えるのです。任期、選挙制度、解散制度の有無を違えることによって(46条、47条)、選び方によって、また時によって様々である民意を、できるだけ国会に忠実に反映させようとしているのです。だからこそ余り強い優越性を衆議院に与えていないのです。多様な世論を忠実に反映させることによって慎重な審議をこそ求めていると言ってよいでしょう。

 最近の二院制・参議院に関する議論はこの点を何ら理解せず、アメリカと日本財界の意思だけを効率的に反映させていこうという政治的ご都合主義に基づくものと言わねばなりません。上記日経社説もそうです。

 しかも衆議院の意思だけが民意であり、参議院の意思なぞ強制的に踏みにじってしまえというもので、この度の参院選で示された民意をどうやっても踏みにじりたいという偏向した政治姿勢が露骨に表明されています。まさに「国民への恫喝」と言うべきでしょう。

 日経の同じ紙面では森喜朗元首相が、日経の「早ければ年内の衆院解散・総選挙があるとの見方も出ています」という問いかけに対し、「(任期は)あと2年間ある。解散は首相の大権で周囲がとやかく言うべきではないが、船長たるものは自滅して船が沈むようなことをやってはいけない」と答えています。

 これは今選挙をやれば自民党が負ける、つまりは今の衆院の構成は民意に反するものであるということを端無くも告白したものでしょう。

 アメリカや財界の意思によって世論を踏みにじるようなことをやってはなりません。

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