2010年1月31日 (日)

映画「ハッピーフライト」

 矢口史靖監督。

 テレビでやっていて見たもの。ただのドタバタだろうなんて思っていたのだけど、飛行機を飛ばすために関わる人々の仕事を、コメディ仕立てながら、まじめに描いていて、意外と気持ちのいい作品でした。山崎豊子『沈まぬ太陽』(2009年12月6日の記事)と井上文夫『時をつなぐ航跡』(2009年12月13日の記事)を読んでいたので、余計そう感じられたのかもしれません。

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2010年1月28日 (木)

安藤たい作ニュース108号「知的障害者グループホームが増設/開所式・施設内覧に参加してきました」

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安藤たい作ニュース全目次(新しいもの順)

Andou20070321

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2010年1月25日 (月)

名護市長選、稲嶺ススム氏当選

  得票数
稲嶺ススム 17,950
島袋ヨシカズ 16,362

 辺野古への新基地建設に反対、との民意が明確に示されました。1997年に新基地建設の賛否を問う市民投票が行われて反対票が過半数を超えたにも拘わらず、1998年以降に行われた3回の市長選では移設容認派の候補が勝利してきました。ところが、4回目の市長選の今回は、基地建設反対を明確にした稲嶺さんが当選したのですからなおさらです。

 稲嶺さんは「13年間の思いを市民の皆さんが選挙にぶつけてくれた。辺野古の海に新しい基地は造らせないという公約を信念を持って貫きたい。これが新しいスタートだ。皆さんにお約束してきたことを実行することで、支援に応えたい」と当選の喜びを語ったそうです。

 日本政府は、自国の利益ばかりを考えたアメリカ政府の脅しに屈せず、新基地建設の撤回と、普天間基地の即時撤去という、当たり前の筋を通すべきだと思います。

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名護市長選:県外移設派、稲嶺氏当選 辺野古案困難に
(毎日新聞電子版 2010年1月24日 21時43分(最終更新 1月24日 23時47分))

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を最大の争点とした沖縄県名護市長選が24日投開票され、県外移設を主張する前市教育長の稲嶺進氏(64)が、条件付きで移設を容認する現職の島袋吉和氏(63)を破り、初当選した。これにより、自公政権が06年に米政府と合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同市辺野古(へのこ))への移設は困難となった。鳩山政権は移設先の見直し作業を加速させる方針だが、米側は合意の履行を求めており、解決のめどは立っていない。

 投票率は76.96%で、過去最低だった前回の74.98%を上回った。当日有権者数は4万4896人だった。

 名護市長選で移設の是非が争点となるのは普天間飛行場返還に日米が合意した96年4月以降、98年2月を最初に今回で4回目。これまでの3回は移設容認派が当選しており、反対派の勝利は初めて。稲嶺氏は24日夜、選挙事務所前で記者団に「辺野古の海に基地は造らせないという約束で選挙を戦ってきた。しっかり信念を持って貫く」と語った。

 稲嶺氏の陣営には国政与党の民主、社民、国民新党に共産党も加えた反自公勢力が結集。県外移設とともに、鳩山政権との連携による地域振興などを訴え支持を広げた。自民、公明両党や市経済界の支援を受けた島袋氏は、選挙戦では移設問題にほとんど触れず、市政継続を訴えたが及ばなかった。

 鳩山政権は12月、普天間移設問題の結論を5月に先送りすることを決め、政府・与党の沖縄基地問題検討委員会(委員長・平野博文官房長官)を設置して見直し作業を進めている。社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は24日夜、記者団に「内閣は地元の民意に応え、辺野古沿岸に基地を造らないことに全力を挙げるべきだ」と強調。鳩山由紀夫首相は名護市長選の結果が移設先の検討に影響するとの見方を示しており、辺野古移設の選択肢は事実上消えたと言える。

 稲嶺氏の当選により県外移設への期待が沖縄県内でさらに高まるのは確実。しかし、有力な移設候補地は見当たらず、平野長官は10日、沖縄本島や離島を上空から視察するなど県内移設を模索する構えも見せている。米側との調整も難航必至で、鳩山首相が設定した5月の期限へ向け政府は難しい対応を迫られる。【三森輝久】

 ◇解説 「基地振興策」に終止符を

 普天間移設受け入れの是非が問われた名護市長選で、初めて「移設反対」を掲げた候補が勝利した。背景には「基地受け入れと引き換えの振興策」に対する市民の反発がある。日米安保体制の維持装置として自民党政権時代に定着した「政官業トライアングル癒着」の構造で、普天間問題の膠着(こうちゃく)の原因でもあった。鳩山政権は問題の根本的解決に向け「トライアングル」に終止符を打つべきだ。

 選挙期間中、現在の移設先の辺野古で「基地と一緒に生活していくしかない」という容認派住民の声を聞いた。

 自民党政権は沖縄の本土復帰以来40年近くかけ、過重な基地負担を国からの振興策と引き換えに受け入れさせる仕組みを築き上げた。しかし、名護市の受け入れ表明から10年余り、市の財政は悪化し、振興策の成果も市民が実感できるには至っていない。移設受け入れの理由は「地元に仕事が落ちる」と矮小(わいしょう)化され、市民から「恩恵にあずかるのは一部の業者だけ」との反発も招いた。

 「移設反対」候補の勝利を受けて鳩山政権に求められるのは、振興策を投下することで沖縄に基地負担を甘受させてきた自民党時代のシステムの変革だ。民主党が08年にまとめた「沖縄ビジョン」の原点に立ち返り、基地経済から自立型経済への転換に向けた青写真を示すべきだ。

 その上で、普天間の移設先としてどこがふさわしいかを議論することが必要だ。海兵隊の存在が抑止力として必要なのか、必要ならば沖縄県内でなければならないのか。そのことがひいては日米安保体制を安定させ、鳩山由紀夫首相が目指す「日米同盟の深化」につながると考える。【上野央絵】

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2010年1月14日 (木)

安藤たい作ニュース107号「品川『教育改革』スタートから10年/『市民の目で検証を』シンポ開かれる」

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2010年1月10日 (日)

神水理一郎『清冽の炎』第1~5巻(リンク追加)

 昨年の6月に読んだものです。その頃しんぶん赤旗の広告が目に止まり、興味を惹かれたのでまとめて買って一気に読みました。著者の神水理一郎(くわみず・りいちろう)氏は、福岡県で弁護士をやられている永尾廣久さんのペンネームだそうです(河田英正のブログ 2008年01月03日「清冽の炎」)。なので、永尾さんの書かれた『星よ、おまえは知っているね-セツルメント青春群像』も引き続いて読ませていただきました。

 この『清冽の炎』、面白かったです。やっと東大闘争時のキャンパスの具体的な雰囲気が分かったように思えました。

 と言うのも、当時の学生は皆、こんな行動が政治や社会の変革に結び付くなどと本気で考えていたのか、ずっと疑問だったからです。この1968年頃の学生運動と言うと必ず、安田講堂に立てこもった全共闘を警察機動隊が排除・逮捕していくときの映像が流されますし、当時小学校6年生だった僕もこの映像をテレビで見ました。しかし、多数の学生が、持続的に、大学と街の施設を破壊したり学生・教員を暴行することで大学と社会・政治が変わると本気で考えていたとは、とても思えなかったのです。

 そこでこの『清冽の炎』に飛び付いたわけですが、正解でした。ああいう考えと行動に走った学生は、結局は少数派だったことが、具体的によく分かったからです。しかも、多くの学生が、こういう状態や学生を単に傍観して放っておくのではなく、それをなくすべく、立場・考えの違いを越えて力を合わせて真正面からたたかったということも具体的によく分かりました。他方で、当時の自民党政府・警察が、大学への管理を強化し、革新勢力のイメージを貶めるために、この破壊・暴力活動を利用する流れも分かります。

 事実関係は著者自身の実体験と十分な調査によりありのままに描きながら小説仕立てなので分かりやすい。小説の登場人物としては、神水という学生が、僕にとっては最も魅力的でした。

 この関連で、島泰三『安田講堂 1968-1969』(中公新書)という全共闘で安田講堂に立てこもっていた人が書いたものも読みましたが、情緒的な思考で自らを正当化する風のもので、全然ダメです。事実を歪めて書いていることも、この記事の最後に引用するブログの記事で具体的に指摘されています。

 この全共闘の破壊と暴力の活動は、結局その後の学生と国民から政治と社会への関心を奪っていったのだと思います。日本人の中の政治的・社会的に未熟な部分が全共闘になり、また、その行動が、日本人の政治社会意識の向上を大きく妨げたのだと思います。彼らの罪は大きいと思います。

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 福岡県弁護士会ホームページの中に設けられた「弁護士会の読書」というブログで読んだ方から詳しく紹介されています。

2005年12月16日「清冽の炎」
2006年12月27日「清冽の炎 第2巻・碧山の夏」
2007年07月27日「清冽の炎(第3巻)」
2007年08月03日「清冽の炎(第3巻)」
2007年08月10日「清冽の炎(第3巻)」
2007年12月25日「清冽の炎・第4巻『波濤の冬』」
2008年11月10日「清冽の炎(第5巻)」

 以下も参考になります。

2006年02月02日「安田講堂」
2008年08月01日「ゲバルト時代」
2009年10月09日「1968(上)」
2010年01月16日「1968年に日本と世界で起こったこと」

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2010年1月 9日 (土)

映画「いのちの山河-日本の青空Ⅱ」

 大澤豊監督。原作は及川和夫『村長ありき-沢内村 深沢晟雄の生涯』。

 1月8日、新宿武蔵野館の上映最終日に見ました。133の座席が文字通り満席。おまけに最終日ということで監督の大澤豊さんが終了後に挨拶されました。

 本当に素晴らしい作品でした。主人公の深沢晟雄さんの人柄と生き方が素晴らしいのだと思います。

 深沢さんという人を僕が初めて知ったのは、2007年4月16日のしんぶん赤旗、1面の潮流欄ですが(2007年4月18日の記事)、同じ年の9月19日にはNHKの「その時歴史は動いた」で取り上げられ(http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2007_09.html#03)、もっと良く知ることになりました(2007年9月21日の記事)。

 これらの記事や番組では、日本で初めて乳児医療費を無料化した村長として紹介されていますが(1961年)、本作品では、その前年から高齢者医療費を無料化するなど、「豪雪、多病多死、貧困」を三悪として、村長としてそれを克服すべく村人と共に着実に実行していった深沢さんの姿が描かれています。それだけでなく、個人としての深沢さんの姿も描かれています。これもまた感銘深い。人の生き方、政治のあり方双方について、感動させられ、考えさせられ、学びたく思わせられるものが満載の作品でした。

 深沢さんを演じた長谷川初範さんと、その父親を演じた加藤剛さんの演技が印象的でした。

 この作品は、そのタイトルにある通り、「日本の青空」という日本国憲法制定過程を描いた映画の(2007年11月30日の記事)、シリーズ第2作と位置付けられていますが、挨拶された大澤監督は、第3作を撮りたいと考えているそうです。できても2年後だそうですが、今から楽しみです。

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2010年1月 8日 (金)

安藤たい作ニュース106号「国保料の更なる値上げ狙う区長会/引き上げストップ緊急要請行動に参加」

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映画「無法松の一生」

 稲垣浩監督。三船敏郎主演の1958年版。脚本は伊丹万作に稲垣浩。

 結構面白い作品でした。

 出だしから引き込まれていきましたが、後半は少々物足りないものを感じました。主人公の松五郎をもう1歩描き込んで欲しかった気がします。

 これは本筋ではないのかもしれませんが、日清戦争が終わった頃から日露戦争を経て第1次世界大戦初頭までが時代背景だからでしょうか、男ならこうあれという考えや軍人は立派だという考えを手放しで描いているように思える点が、鼻に付きました。

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映画「モンタナの風に抱かれて」

 ロバート・レッドフォード監督。

 いい作品ですが、月並みです。

 アメリカのモンタナ州の風景がとても美しいですが、人物像は平板なもので、型にはまったお決まりの描かれ方しかされてないように思います。

 ロバート・レッドフォード演ずるトム・ブッカーとサム・ニール演ずるロバート・マクリーンという男性陣には共感できますが、クリスティン・スコット=トーマス演ずるアニーマクリーンやスカーレット・ヨハンソン演ずるグレース・マクリーンという女性陣にはほとんど共感できません。2人とも僕の嫌いなタイプの女性なんでしょうね。

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2009年12月25日 (金)

安藤たい作ニュース105号「2010年くらしのSOS受け止める政治を/共産党、区長に2010年度予算要望」

   「安藤たい作ニュース105号」(PDF)

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2009年12月18日 (金)

安藤たい作ニュース104号「街場感覚との温度差は埋らず・・・/皆さんは区の答弁をどう感じますか?」

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   「安藤たい作ニュース104号(裏面)」(PDF)

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2009年12月13日 (日)

井上文夫『時をつなぐ航跡』

 山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』を読んだのをきっかけに読みました(この作品と、それを基にした映画についてのささやかな感想は、12月6日の記事)。静かな感動がいつまでも残る、とても素晴らしい作品でした。

 『沈まぬ太陽』1、2巻は、1960年前後、日本航空が日本航空労働組合に加えた分裂と差別・弾圧の攻撃を描いているのですが、この『時をつなぐ航跡』は、それ以降の日本航空客室乗務員組合のたたかいを描いています。この客室乗務員組合は、元々は、日本航空が日本航空労働組合に仕掛けた分裂攻撃によって生まれた組合だそうですが、会社側のあまりに理不尽な労務政策のために、組合員自身の意思によって会社とたたかう正常な組合になったものだそうです。

 『沈まぬ太陽』のモデルになった小倉寛太郎(おぐら・ひろたろう)さんと佐高信さんの対談を収めた『企業と人間-労働組合、そしてアフリカへ』(岩波ブックレットNo.521、2000年発行)によれば、日本航空の労働組合には、会社によって作られ連合(日本労働組合総連合会)に加盟している全日本航空労働組合の他に5つあって、元々の日本航空労働組合、それから日本航空客室乗務員組合、日本航空乗員組合、日本航空先任航空機関士組合、日本航空機長組合とあり、この5組合が日航5労組連絡会議を作り共にたたかっているようです。きっと会社側の執拗な分裂工作とその失敗がこのような状態を作り出しているのだろうと思います。

 本作品は、この日本航空客室乗務員組合の組合員で50歳前後の女性が主人公です。作者の井上さんも元日本航空労働者だそうですから、同じ組合員だったのでしょうか。

 物語は、この主人公の客室乗務員としての仕事を丁寧に描写していきながら進められます。そのため、この仕事と職場の様子が自然と良く理解でき、従って、そこから生じる問題もよく分かります。他方で、何も分からぬまま強制的に会社側の組合に加入させられている労働者を主人公の周りに配置し、彼女等が直面させられる問題とその心情も、主人公との交流の中で丁寧に描いているので、なおさら良く理解できます。

 小倉寛太郎さんは、上記のブックレットでも(p.p.10-11)、また『自然に生きて』という著書の中でも(2002年発行)、300人ほどの日本航空労働組合の過半数が会社側の組合(組合員は1万人ほど)からわざわざ移ってきた人達だと言っています。そして、そうなった根本は以下の点にあると言います。すなわち、徹底的な職場討議で徹底的に話し合うこと、徹底的な宣伝活動、非組合員にも管理職にも配る要求のアンケート活動(300人の組合員で配って3,500-4,000枚回収できるそうで、もちろんその結果もビラにして出します)、それに基づく会社への要求と交渉、さらに、関連事業、関連産業、下請けの人達の労働者組織を手伝うこと(『自然に生きて』p.p.73-80)。

 本作品でも、日本航空客室乗務員組合とその組合員のこのような活動が描かれています。人はいかに生きるべきか、どのような生き方が幸せなのか、本作品はこのことを具体的に、また優しく無理なく指し示してくれ、生きる展望と勇気を与えてくれました。

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2009年12月12日 (土)

映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」

 堀川弘通監督。橋本忍脚本。松本清張原作。

 1960年の作品で、松本清張生誕100年を記念して放映されたのを見ました。以前どこかで見聞きしたような気がしないでもないお話なのですが、面白く最後まで楽しめました。あれこれ繕っても結局は上手くは行かないというお話で、それ自体はある意味気持ちのいい話ですが、誰にとってもそうなっているかと言えば現実にはそうでもないわけで、所詮弱い立場にいる者同士の哀れな姿が描かれているように思いました。

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2009年12月 8日 (火)

アメリカにとっての中国、日本、ヨーロッパ-外交問題評議会会員への世論調査

 少し古くなりましたが、興味深いデータです。各紙の記事をクリップしておきます。

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2009年12月7日(月)「しんぶん赤旗」

中国“脅威視”減る
米外交専門家調査

 【ワシントン=小林俊哉】米国の外交専門家の間で、この10年間で米国の指導力が低下したとみる一方、中国を「脅威」ではなく「協力相手」とみる傾向が強まっていることが、このほど発表された調査で明らかになりました。

 同調査は、米有力シンクタンク・外交問題評議会(CFR)の会員約600人を対象に、同会と世論調査機関ピュー・リサーチセンターが共同で10~11月に実施したものです。

 10年前と比較して「世界のリーダーとしての米国の役割」が低下したと回答したのは44%で過去最高。「唯一の軍事超大国の地位を維持すべきか」との問いに、「同盟国との関係を損なってでも維持すべきだ」と答えたのは26%、「同盟国との関係を損なわない限り、維持すべきだ」が21%、維持できなくても構わないとの回答が43%でした。

 一方で、中国を「大きな脅威」とみる専門家は21%で、4年前と比べておよそ半減。逆に「将来、さらに重要になる同盟国あるいはパートナー」(複数回答)のトップに挙がったのは中国で58%、4年前の31%から跳ね上がりました。第2位はインドで55%、3位はブラジルで37%でした。

 逆に、「将来重要性が落ちる同盟国、パートナー」として挙がった上位3カ国は、フランス18%、英国17%、日本16%でした。

 CFRは、1921年に設立されたニューヨークに本部を置く超党派の外交シンクタンク。米政府の政策決定に影響力を持つと言われます。

将来重要な国、中国トップ=日本は6位に転落-米調査
(時事通信 2009/12/04-17:24)

 【ワシントン時事】米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが外交専門家を対象に行った調査によると、米国にとって将来より重要になる同盟国・友好国に中国を挙げる回答が4年前の調査の3位からトップに躍り出た。対照的に日本は2位から6位に転落した。同センターが3日、調査結果を公表した。

 それによると、「より重要になる国」は、中国(58%)に続き、インド(55%)、ブラジル(37%)、欧州連合(EU=19%)、ロシア(17%)、日本(16%)の順。2005年の調査では、インド(43%)、日本(32%)、中国(31%)、英国(27%)だった。

 一方、「重要性が低下する同盟国・友好国」のトップはフランス(18%)で、英国(17%)、日本(16%)が続く。ただ、一般の米国民の間で日英両国に対する好感度は高く、今回の調査でも、カナダの84%に次ぎ、英国77%、日本67%となった。

 さらに、一般国民が考える「世界最大の経済大国」は、中国が44%で米国の27%を引き離して1位となった。日本は13%で3位だった。

 調査は10月から11月にかけ、シンクタンク「外交評議会」のメンバーと一般国民を対象にそれぞれ行われた。

米の重要な同盟国 「日本」半減、16%に 外交専門家調査
(日経 2009年12月06日 22:46)

 【ワシントン支局】米民間調査団体ピュー・リサーチ・センターが有力シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」の会員を対象に実施した世論調査で、日本が米国にとってより重要な同盟国になると考えている人は16%にとどまり、2005年の調査時に比べ半減したことが分かった。逆に重要性が低下すると予測した人は7%から16%と倍増している。

 調査は10月2日から11月16日にかけて会員642人を対象に電話とインターネットで実施した。中国が将来的により重要な同盟国になると答えた人が05年より27ポイント増えて58%と最も多く、インドの55%、ブラジルの37%と続いた。

 また一般の国民を対象に実施した世論調査では、中国を世界第一の経済大国とみる人が44%に上り、米国の27%を上回った。世界のリーダーとしての米国の役割が「低下している」と考える人は41%と過去最高を記録。「米国は他国に構わず自国のことだけを考えるべきだ」との意見を持つ人も49%で最高となり、米国民に「孤立主義」の傾向が強まっていることが浮き彫りになった。

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映画「ブラッド・ワーク」

 クリント・イーストウッド監督。

 テレビでやっていたので見たもの。異常な犯罪者に復讐を果たすというお話。暇つぶしとして退屈はさせませんが、単なる作り物の犯罪者が前提のお話ですから、結局はつまんないです。

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2009年12月 7日 (月)

五百旗頭真・防衛大校長、「辺野古に騒音問題ない ジュゴン見た人いない」と、米軍基地「移設」を主張

 武力を行使したわけではありませんが、軍隊による政治介入の文脈で理解されるべきだと思います。

 五百旗頭さんによれば、外交安全保障問題については政権交代しても手をつけてはいけないそうですが、これは、国民主権・民主主義の国にあってはむしろ逆でしょう。国民主権とは、国の政治の最終的決定権は国民にあるということですから、外交安全保障問題がその例外になるのであれば国民に主権があるとは言えません。

 今回の普天間基地問題では、アメリカ政府の主張を丸呑みすべきだというのが五百旗頭さんの主張ですから、結局、外交安全保障問題に関して日本は、国民主権と共に国家主権をも放棄すべきだという主張になります。

 政権交代によって外交安全保障政策が変わることはアメリカでもヨーロッパでもどこでもいくらでも例のあることで、それはイラク戦争に対する世界各国の対応を見れば明らかなことでしょう。

 「辺野古には危険と騒音問題はない」、「あの地でジュゴンを見た人はいない」と言うに至っては、完全な虚偽ですね。

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2009年12月7日(月)「しんぶん赤旗」

辺野古に騒音問題ない ジュゴン見た人いない
防衛大校長が暴言
米軍基地「移設」を主張

 防衛大学校の五百旗頭真(いおきべ・まこと)校長は5日に行った東京都内の民間団体主催での公開講演で、在日米軍の普天間基地「移設」問題に触れて、「(「移設」先の)辺野古には危険と騒音問題はない」、環境問題については「あの地でジュゴンを見た人はいないらしい。藻を食べた跡はある。あそこにしか(跡が)ないわけではない。あちこちにあるわけですね。その程度のもの」などとのべて、自民党政権時代に決めた辺野古沖「移設」の実行を強く主張しました。

 普天間基地「移設」問題をめぐっては鳩山内閣がアメリカ側と交渉中のさなかであり、防衛省内の機関トップが政権の取り組みを正面から批判したことから政治問題化が避けられません。

 五百旗頭氏の講演は「日本政治のゆくえ」のテーマで、財団法人・国際文化会館が主催する新渡戸国際塾の公開講座で行われたものです。

 講演のなかで五百旗頭氏は、民主党政権には「革命後の政権」のような「全能の幻想がある」と批判。「(政権交代しても)不用意に手をつけてはいけないものがある。それは外交安全保障問題だ」「外交安全保障問題はせっかく自民党政府が長く守ってきたのだから、これについては手をつけず取り組む(ことだ)」とのべ、自民党政権下の外交安全保障政策の継続を強く求めました。

 そのうえで普天間基地「移設」問題に言及した五百旗頭氏は「いまの普天間が住宅に危険で、騒音問題があるところであるならば、辺野古は危険と騒音問題はないですね」と辺野古沖「移設」で危険性と騒音問題は解決するとの認識を示しました。

 五百旗頭氏は辺野古への「移設」で米軍基地にともなう沖縄県民が受ける重圧が軽減されるかについては「沖縄の方には、いまよりはよくなるわけですが、依然として、不自由をしていただくということに心から感謝し、陳謝しなければなりません」と語りました。

 五百旗頭氏は日本政治外交が専門で、小泉純一郎内閣で首相の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」メンバーをつとめ、2006年8月に、神戸大教授から防衛大学校長へ就任しました。

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2009年12月 6日 (日)

「私たちより米大事か」外相に名護住民怒号(読売新聞)

 民主党主催の集会ですらこのような有様です。日本防衛のためでは全くないアメリカ軍基地を、なぜこうまでして日本に作ろうとするのか?!集会の様子をリアルに伝える読売新聞の記事と、それに関わる今朝のしんぶん赤旗の記事を引用しておきます。

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「私たちより米大事か」外相に名護住民怒号
(読売新聞 2009年12月6日01時12分)

 「県外移設」を期待する地元住民の不満が噴出した。

 米海兵隊普天間飛行場の移設問題を巡り、移設予定地の沖縄県名護市で5日に開かれた岡田外相と住民の意見交換会。

 日米同盟を背景に計画変更の難しさを繰り返す外相に、出席者たちは「地元の声を聞こうとする姿勢がない」と憤り、怒号が飛んだ。

 意見交換会は名護市がある衆院沖縄3区の民主党支部が主催。支持者を中心に約100人が出席した。非公開で、マスコミが入れたのは外相の冒頭あいさつまで。質疑応答を終え、約40分後に会場の公民館から出て来た出席者たちは、報道陣に向かって不満をぶちまけた。

 現行計画の移設先となっている同市辺野古の金物店経営、西川征夫さん(65)は「現行計画以外は難しい、という話ばかり。失望した」と切り出し、「県外で決めなければ、来年の参院選では民主党に投票しない」と強い口調でまくしたてた。

 出席者たちによると、質疑では「私たちは日本人だ。その私たちよりアメリカが大事なのか」などと厳しい意見が続出。岡田外相が「県外は検討しつつあるが、時間がかかる。それは今の普天間の状況をそのままにすることになる」と理解を求めると、会場は騒然となり、「普天間を止めればいいだろう」「嘉手納(基地)はどうなるんだ」などと怒号が飛び交った。岡田外相が退席しようとすると、大声で「答えなさい」とヤジが飛んだという。

 親子5人で参加した測量会社代表、渡具知武清さん(53)は「何を聞いても、『日米同盟は重要。普天間は大事なんです』ばかり。話が全然かみ合わなかった」と不満げ。「非公開というのも問題だ」と、会のあり方にも異議を唱えた。中村保さん(56)も「我々の意見を聞き、政治に反映させようという姿勢がなかった」と吐き捨てた。

 名護市では来年1月、移設受け入れの是非が争点となる市長選が予定される。自民、公明党が支援する移設容認派の現職と、民主、社民党が推薦する反対派新人の一騎打ちとなる見通しだ。意見交換会に出席した新人陣営の広報担当者(36)は「きょうの集まりで名護では民主党のイメージが落ちた。影響が心配だ」と語った。

2009年12月6日(日)「しんぶん赤旗」

名護市長選勝利へ全力
志位委員長が稲嶺候補と懇談

 日本共産党の志位和夫委員長は5日、来年の沖縄県名護市長選(1月24日投開票)に同市辺野古への米軍新基地建設反対を公約にした統一候補として出馬する稲嶺ススム氏(64)の事務所を訪問し懇談しました。同市長選挙勝利のために党をあげての支援を約束、陣営の結束を固めあいました。

 「必ず勝ちましょう」「遠いところまでありがとうございます」―。事務所に入った志位氏と、迎えた稲嶺氏は、初めにがっちりと握手。稲嶺ススム後援会の渡具知武明会長をはじめ、大勢の支持者らを前に志位氏は、「今回、気持ちの良い統一ができて大変喜んでいます」と語ると、稲嶺氏は「(統一は)市民も大変喜んでいます」と応えました。

 志位氏は、辺野古への新基地建設問題が政局がらみに動き、鳩山内閣が建設計画を白紙にしていないことに触れながら、「今度の市長選勝利で新基地をつくらせないときちっと決着をつけましょう」と話すと、稲嶺氏も「それが名護市民、県民の思いなのだと、勝利をかちとりたい」と応えました。

 懇談のなかで、志位氏が「沖縄の米軍基地は本土の基地と違い、銃剣とブルドーザーで住民を追い出し土地を強奪してつくられたもの。沖縄の基地問題は日本の問題です。政府は普天間基地の無条件撤去という原点に立ってアメリカと交渉すべきです」と強調。居合わせた支持者から、大きな拍手が起きました。

 稲嶺氏は、「せまい沖縄に基地が押し込められていることにはこれ以上我慢できません。市長選挙を勝ち取り、市民、県民の思いを伝えないといけない。応援をよろしくお願いします」と述べました。志位氏は「大激戦の選挙になるでしょう。勝ち抜くため団結してがんばりたい」とがっちり握手しました。

2009年12月6日(日)「しんぶん赤旗」

普天間基地の無条件撤去を
国民的たたかいへ
パネリストに志位委員長、伊波宜野湾市長、仲山弁護士
沖縄でシンポ

 全国で力あわせて「基地のない沖縄」「基地のない日本」の実現を―。米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」問題で鳩山政権が迷走を深める中、同基地の無条件閉鎖・撤去を求めるシンポジウム「いま沖縄の米軍基地問題を考える」(主催・全国革新懇、沖縄革新懇、沖縄県統一連)が5日、宜野湾市内で開かれました。

 シンポには、沖縄県内外から、主催者が用意した座席を大幅に上回る630人が参加しました。

 パネリストとして伊波洋一・宜野湾市長、仲山忠克・反戦地主弁護団弁護士、日本共産党の志位和夫委員長が発言。上間明・西原町長、野国昌春・北谷町長、浜田京介・中城村長や沖縄県議会の高嶺善伸議長をはじめとする県議11人など、幅広い人々が出席し、基地のない沖縄実現への道を探求しました。

 シンポで伊波氏は、普天間基地を抱える宜野湾市の実態を告発。米国の安全基準上、居住が禁止されている「クリアゾーン」に3600人の市民が生活し、18の公共施設・学校・保育園が含まれている実態や、日本の航空法が適用されないことを説明すると、会場から驚きのどよめきがあがりました。伊波氏は普天間の「県内・県外移設」ではなく、グアムなど国外への移転を強く訴えました。

 仲山氏は、日本政府の混迷の根本にある普天間基地「移設論」について、(1)住民の土地を強奪してつくられた沖縄の米軍基地の違法性を継承することになる(2)日本国内の「基地負担平等論」をもたらし、国民の分断につながる―と指摘。普天間の危険性除去・無条件返還という原点に立ち返ることを第一歩として、「日本全国から海兵隊を撤退させよう」と訴えました。

 志位氏は、普天間基地の「県内移設」=新基地建設に対しては7割以上の県民が反対しており、「すでに破たんした路線」だと指摘しました。

 一方、鳩山由紀夫首相は、米側から強圧的な姿勢で新基地建設を求められると、普天間基地の「県外・国外移設」という公約すら後景に追いやり、辺野古も含む「移設先」探しを続けると言い始めています。志位氏はこの動揺の根本に、(1)「海兵隊は『抑止力』として必要」(2)「日米安保条約があるから」―という二つの呪縛(じゅばく)があると指摘しました。

 志位氏は、沖縄の海兵隊はベトナム、イラク、アフガニスタンへの派兵を繰り返しているように、その本質は日本の平和と安定のための「抑止力」ではなく、世界への殴りこみを任務とする「侵略力」だと力説。「非人道的な無差別殺りく部隊のための基地提供は、きっぱり拒否することが世界平和への貢献です」と話しました。

 「安保があるから」論については、安保解消が沖縄の基地問題解決の根本的な保障であると同時に、安保の是非を超えて団結することが重要だと力説。米国と軍事協定を結んでいるフィリピンなどでも基地撤去を実現させた例がいくらでもあると指摘しました。

 志位氏は、民主党政権がこの二つの考えを大本から改め、普天間基地の無条件撤去、「基地のない沖縄」にむけて本腰を入れた対米交渉を行うことを強く求めました。

 会場からの発言で米軍嘉手納基地を抱える嘉手納町基地渉外課長、北谷町長は「軍用機の離発着は年7万回を超える」「早朝の爆音に“いつまでこんな状態が続くんだ”と苦情が寄せられる」と深刻な被害の実態を告発しました。

 最後のまとめで志位氏は、普天間の問題は「沖縄問題ではなく、日本問題だ」と訴え、「安保改定50年となる来年の最大の国民的闘争として、全国あげて『基地のない沖縄』『基地のない日本』をめざそう」と呼びかけ、会場から大きな拍手がわき起こりました。

2009年12月6日(日)「しんぶん赤旗」

辺野古の海守ろう
志位委員長、テント村激励
「新基地反対 ともに」

 日本共産党の志位和夫委員長は5日、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」先として新基地建設が計画される同県名護市辺野古で、建設反対の座り込みを2000日以上続ける住民らのテント小屋を訪れ、「日米両政府が辺野古への新基地建設を断念するまでともにがんばりましょう」と激励しました。

 志位氏は、座り込みを続けるヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表らと握手を交わし、「政府は辺野古への新基地建設案を先送りしたと言われていますが、鳩山首相は記者会見で『辺野古(案)は当然生きている』としました。これからのたたかいしだい、13年間杭(くい)一本打たせなかったことはすごい力です」と強調しました。

 安次富氏は、「このきれいな海に基地をつくろうとする発想が間違っている。次の参院選挙は日本共産党や社民党が大きくなってほしい。民主党単独(政権)はやばい」と述べ、志位氏は「がんばります」と応えました。

 志位氏は、赤嶺政賢衆院議員や大西照雄ヘリ基地反対協代表委員らの案内で、きれいな砂浜が広がる「辺野古の浜」へ。新基地建設に反対する「命を守る会」のおじい、おばあの嘉陽宗義(87)、芳子(83)夫妻がつえをついてかけつけ、志位氏と固い握手を交わしました。

 志位氏は、その浜を仕切る米海兵隊キャンプ・シュワブの有刺鉄線まで行き、辺野古新基地建設計画や豊かなサンゴ礁や藻場があるきれいな海の説明を聞きました。有刺鉄線には、全国からかけつけた支援者が書いた基地ノーの願いのリボンや、手作り看板などが巻きつけられていました。

 志位氏は全国から届いたリボンのうち「日本から米軍は出ていけ」と書かれたリボンを選んで、有刺鉄線に結び付けました。

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映画「沈まぬ太陽」

 若松節朗監督。西岡琢也脚本。角川歴彦製作総指揮。井上泰一製作。山崎豊子原作。

 これはつまらない作品でした。

 原作を読んでから見たのですが、原作とは全く違った見方・考え方で作られた作品だと感じました。原作と同じ登場人物で同じ事件が同じように描かれているのですが、その人間像や筋の中で果たす役割がかなり異なったものになっています。主人公を演じた渡辺謙さんは割と好きな役者さんですが、配役が間違っていると思います。

 原作を読んだときには、文庫本の3巻で描かれている御巣鷹山事故とその被害者たちのことが本当に丁寧に描かれていて、僕は全5巻の中で最も感動しましたが、映画からはその迫力は全く伝わってきません。

 主人公が会社から徹底的に抑圧される原因となった労働組合運動についても、昔は良かった懐かしい式の捉え方しかできてないと思います。1968年頃の全共闘活動をやった学生が、真摯な反省・考察もなく、情緒的で愚かな認識・理解を維持したまま昔を懐かしんでいる見方に通じるものがあると感じます。

 こんな作品なら、題材とされた日本航空も何の抵抗感もなく受け入れられるでしょう。それほどにリアリティーのない作品です。原作を元にした映画であることは確かですが、原作が精力的で丹念な取材に基づいて作者自身が真実にぎりぎりまで迫って書かれているのに対し、この映画にはそのようなものはなく、視聴率によるコマーシャル獲得を至上の基準として作られているつまらぬテレビドラマと同じく、単に頭の中だけで作られた作り話に過ぎないと思います。

 映画は無視して、原作のみを読むべきだと思います。前売り券を上げた友人には、チケットを破って捨ててもらいました。

 なお、日本航空客室乗務員組合のたたかいを描いた井上文夫『時をつなぐ航跡』がお勧め(12月13日の記事)。

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映画「マディソン郡の橋」

 クリント・イーストウッド監督。クリント・イーストウッド、メリル・ストリープ、アニー・コーリー。

 近所のかなり年上の女性の知り合いから勧められていたのですが、テレビでやっていたのでやっと見ました。上映当時話題になっていた記憶はあるのですが、しょせん数日間の不倫を描いたものかぁという感じであまり見る気になれなかったものです。

 が、かなり素晴らしい作品でした。男女の愛と言うよりは、むしろ人生のあり方について考えさせられるような作品です。もちろん、メリル・ストリープとクリント・イーストウッドが演じる主人公たちの不倫関係が題材になっているのですが、男女の愛や夫婦関係のみならず、人生や人間のあり方について考えさせられます。原作がどんなものか知りませんが、それとは無関係にクリント・イーストウッド監督の見方・考え方で作られているような気がします。同じ監督の「グラン・トリノ」(2009年6月3日の記事)に通じるような人間観・人生観があるように感じさせられました。

 メリル・ストリープさんは本当に素晴らしい役者さんです。

 かなりお勧めの作品です。

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«映画「パリは燃えているか」